あなたはそのままで1



yuki様のステキサイトにて、かわいい黒ぬこの名前を募集していたので、こそこそしつこく候補を送り続けていたら、 なんと…採用して頂けました!!!そんでもって、リクエストを受け付けていただけるという太っ腹なコメントまで頂き、 大喜びしながらこそっとおねだりしたら…すばらしい作品!をいただけてしまいました!!!やっほう!!!
そんなわけで許可もいただいたのでにやにやしながら飾らせて頂こうと思います!!!
ではでは…ステキ作品をお楽しみ下さい!!!


イルカと出逢った当初、カカシはイルカの事を『いい人』を絵に描いたような人だと思った。
いつだってニコニコと笑顔を欠かさないし、人の為によく動き回っているし。
カカシが受け持っている子供たちの事だってしょっちゅう聞いてきて。
面倒がって適当に話すカカシの話を満面の笑みを浮かべて嬉しそうに聞く。
カカシの『面倒です』と言わんばかりの表情にも構う事無く、カカシが受付所を訪れるたびに子供たちの話をせがむイルカは、 カカシの相当苦手な部類に入っていたりしたのだが。
いつからだろうか。
そんなイルカが、カカシが聞いていても面倒だと分かるような事を色んな人から押し付けられているのに、 それでも笑顔で引き受けて、大変そうに動き回っているのを何度も見掛けるうち。
相当苦手だったはずのイルカを、カカシはどうしても放っておけなくなっていた。

今だって。
いつものように大遅刻しながら、今日の七班の任務予定を聞く為に受付所に入ろうとしたカカシの耳に、 もうすぐ昼休みだというのに、同僚らしき男から仕事を押し付けられそうになっているイルカの少し困った ような声が聞こえてきている。
「・・・なぁ、これって今日中だよな?昼休み返上してやらないと、間に合わないんじゃないのか?」
「そうなんだよー。ちょっと後回しにしてたら今日になっちまって。おれの仕事なんだけどさー、おれってば これから入院してるばあちゃんの付き添いする事になってるんだ。だからさ、頼むよイルカ。な?」
男の軽そうなその声に、はいそれウソ!とカカシがいつも子供たちから言われる台詞を心の中で叫びつつ、 断れ断れとイルカを応援していたカカシだったのだが。
「そっか、それじゃ仕方ないよな・・・。分かった。俺がやっておくよ」
あっさりと騙されて引き受けてしまったイルカのその声を聞いたカカシは、途端にガックリとうな垂れてしまった。
(・・・ちょっと、イルカ先生。あなた騙されすぎでしょ・・・)
どう考えても嘘だと分かる男の話を疑いもせず。
イルカが少し困ってしまうほどの大変そうな仕事をあっさりと引き受けてしまったイルカの、あまりのお人よしぶりに、 はぁと溜息を吐きつつ。
そんなイルカの優しさにつけ込んで、まんまと仕事を押し付けた同僚の男に、カカシは沸き起こる怒りを抑えられなかった。
眉間に皺を寄せながら目の前にある受付所のドアをガラリと開け、その音に気づいて視線を向けてきたカウンターに座る二人のうち、 カカシはイルカに仕事を押し付けた同僚の男の方に、不機嫌だと言わんばかりの表情とほんの少しの殺気を向けた。
里内でも有名なカカシにそんなものを向けられて、途端に「ひっ」と怯んだ男が座っている椅子を大きく鳴らす。
「カカシ先生、お疲れ様です」
ちょっと不穏な空気を漂わせながら二人へと近付くカカシの、不機嫌そうなその表情にも全く怯む事無く、 笑みを浮かべたイルカがカカシへと声を掛けてくる。
そんなイルカに、カカシもニッコリと笑みを向けながら「はい、お疲れ様」と返すと。
「今日の七班の任務予定を聞きに来たんですけど・・・。参ったな。もうお昼だから昼飯が先ですよね。あ、 イルカ先生ももうお昼休みでしょ?子供たちと一緒に昼飯食べませんか?」
カカシは、イルカを面倒事から救い出すため、そんな台詞をわざとらしくも口にした。
「あ・・・、すみません。ご一緒したいのはやまやまなんですが、ちょっと急ぎの仕事が・・・」
案の定、困ったような顔をして断ってくるイルカに「ふぅん」と呟きながら、カカシは再度、イルカの隣に座っている 同僚の男に冷ややかな視線を当てた。
「・・・ねぇ、それってイルカ先生がしなきゃいけない仕事なの?」
男を見据えながらイルカへとそう訊ねるカカシを見て、男が慌てたように口を開く。
「イルカっ!おれがやるからいいよっ。はたけ上忍と一緒に飯食って来いっ」
「え・・・?でも、お前、病院に付き添いに行くって・・・」
睨まれた事でカカシに嘘を見破られていると思ったのか、急に自分がやると言い出した同僚を見て、イルカが首を傾げる。
(ホントに気づいてないよ、この人・・・)
同僚の言葉を疑ってもいないらしいイルカに内心苦笑しながらも、そんな心優しいイルカを騙している同僚から視線を 逸らさないでいると。
「ばあちゃん、昨日退院してたの今思い出したんだっ。もういいから行って来いっ。なっ?」
カカシにジットリと睨まれて焦ったようにそう言った同僚の言葉を聞いて、もうイルカに仕事を押し付ける事はしないだろうと、 やっと視線を外したカカシは再度イルカへと笑みを向けた。
「イルカ先生。この人もこう言ってくれてるし、一緒にご飯食べましょ?」
そう言ったカカシの言葉にコクコクと頷く同僚を心配そうに見ていたイルカだったが。
カカシが「ね?」と促すと、「それじゃあ」と小さく笑みを浮かべてやっと頷いてくれた。


そんな騙されやすいイルカが危なっかしくて放っておけないから、こんなにも気になるのだとカカシは思っていたが。
どうやらそうではなかったらしい。

カカシが何度かイルカを面倒事から助けているうちに、気が付けば、二人は恋人同士なのではという噂が実しやかに広まっていた。
(・・・悪い気はしないって事は・・・。そういうコト・・・?)
噂は本当なのかと男女問わず訊ねられるたび、カカシは口布の下で頬が緩むのを抑えられなかった。
笑みを浮かべるだけできちんと否定しなかったのは、自分の気持ちに気づいたカカシのちょっとした思惑だ。
周りにそうだと思わせておけば、カカシを恐れてイルカに面倒事を押し付けようとする人間も減るだろうし、何より、 人目を気にせずイルカにベタベタ出来る。
何事にも鈍いイルカだから、そんな噂が広まっている事にも気づかないだろうし、カカシの気持ちも言わない限りは 絶対に気づかないだろう。
だから。
「イルカ先生。飲み、行きますよね?」
任務が入っていない日には必ず。
カカシはイルカが帰る頃を見計らってアカデミーや受付所へ向かい、そんな少しだけ強引な言葉で飲みに誘った。
「オレの行きつけの居酒屋なんですけど、ちょっと分かりにくい場所にあるんですよ。イルカ先生がはぐれたりしたらいけないから、 オレと手を繋いで行きましょうね」
さらには、親切心を装ってニッコリと笑みを浮かべ、そんなあり得ない理由をつけてイルカに手を繋ぐ事を強要した。
そんな二人を見てざわめく周りを余所に、恥ずかしいのかちょっと頬を染めたイルカと共に手を繋いでその場を後にしたり。
時には。
「弁当作ってみたんです。食べて貰えませんか?」
昼休みに食堂へと向かおうとしていたイルカをそんな言葉と共に拉致して、アカデミーの中庭なんていう目立つ場所で 二人仲良く食べたり。
さらには。
「イルカ先生の肌って凄く綺麗ですよね・・・」
これまで女性で鍛えたそんな甘い台詞を口にしながら、イルカの頬にそっと触れたりもした。
そうやって時間が許す限りイルカと共に過ごして、イルカの側に常にいるようにしていたら。
そんなカカシの努力が実ったのか、二人は里内でも公認の仲になり、それを知らない者はイルカだけになった。
イルカだけが知らない擬似の恋人関係がしばらく続いていたある日。
すっかりカカシの恋人で定着しているイルカが、思いつめた表情で待機所にいたカカシの元へとやってきた。
何かあったのだろうかと心配するカカシを待機所から連れ出したイルカが、廊下の一角でそっと耳打ちしてくる。
「あの・・・、俺たちが付き合ってるなんていう噂があるらしいんですが・・・」

それは、カカシがずっと待ち望んでいたイルカの言葉だった。


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相互リンクさせて頂いているyuki様からのステキ作品でございます!!!まだまだ続くぜ!!!
ひゃっほう!!!やったぜ!!!ぬこの名前大量に送りつけてしまった甲斐があったぜ!!!←迷惑。
yuki様のサイトにも、ステキ作品がありまくりますので、是非是非リンク部屋へ!
それと…こちらの作品のお持ち帰りは厳禁!ですので、宜しくお願いいたします!


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