藤香様のステキサイトにて、ツボ直撃な作品を発見!ついつい脳内の感想をダダ漏れにしたら、優しい藤香様が持ってていいよって言ってくださいました! そんなわけで…早速展示させて頂いちゃいます!!! ではでは…ステキ作品をお楽しみ下さい!!! 雨宿り -------------------------------------------------------------------------------- カカシが帰り支度をはじめた途端、雨の音が耳をうった。 イルカの部屋の中にいても分かるほどの、激しい降雨。 「ああ、どしゃぶりですね」 窓を開けたイルカは呟いた。 夜の闇に白い紗をかけたかのような雨が視界を覆う。 サッシを閉めたイルカに促されて、再び座布団に座る。 一度きれいに片付けた卓袱台の上に、ビールと乾き物が並べられた。 先にプルトップを開けたイルカは、ぐいぐいと一気に缶ビールを飲み干した。 ぷはっと息を吐いて、手の甲で口元を拭う。 そのときイルカの唇の端が上を向いていたのは、ビールの味のせいばかりではない……と、カカシが感じたのは自惚れか。 『帰したくない』 そう口にしてくれればいいのに。 どうせこのあとは、カカシより先に酔い潰れるのだろう。 半ば眠りに落ちたまま、涙を浮かべるのだろう。 いつものように。 人知れず、寂しさを押し隠して。 「ねえ、イルカ先生」 そろそろ堕ちてきませんか? 俺の手の中へ。 「なんですか?カカシ先生」 そんな潤んだ目で俺を見つめるのなら。 微笑んだ唇を震わすぐらいなら。 カカシは口布を下ろした。 イルカの視線が口元に移るのを感じて。 声に出さすに呟いた。 『今夜は……帰りたくない』 イルカの腕がカカシの首に回される。 「俺が手を伸ばしてはいけない人だと思っていました」 イルカは、そう囁いた。 「なぜ?」 「あなたは里の宝だ。俺が独占していい人じゃない」 馬鹿な人だ。 なにをそんなに恐れている? 「手に入れたとしても、誰かとあなたを競わなければならないなら、と……最初から俺は諦めていました」 イルカの髪を結う紐に指をかけ、解く。 「俺は最初からイルカ先生のものでしたよ」 顔にかかった黒髪を取り除き、口付けようとして、拒まれた。 「イルカ先生?」 「カカシ先生の浮名は耳にしています」 「イルカ先生こそ………」 知っているよ。 密かに上忍たちの間で語られていること。 受付所にいる黒髪の中忍は、瞳で誘う。 しかも、閨の啼き声は極上、と。 それを耳にしたとき、カカシの全身の血は沸騰した。 『噂話をしていた奴等を全員、殺してやろうと思いましたよ』 でも、そんな愚かな妬心を口にしたら。 今、腕の中にいる男は、冷笑を浮かべるに違いない。 カカシはイルカの両手の指に己の指を絡め、ゆっくりと畳の上に押し倒した。 「拒まないで……」 カカシの言葉に、イルカは瞳を閉じた。 重なる唇。 歯列の間から舌を差し入れると、ほろ苦い酒の味のあと、やわらかい舌が愛撫に応えるように絡まってきた。 カカシを夢中にさせるほどの甘いテクニック。 幾人の男が味わったのか。 「ん……」 鼻をならして、イルカが腰を押しつけてきた。 「ふっ…ゎ……」 肌を合わせるだけでは、寂しさを埋めることはできなかったでしょう? 理性が飛ぶほどの快楽でも、満足しなかったのでしょう? あなたが本当に求めるものは、恐がっている、その先にあるものなのだから……。 「くっ……ぅ」 もっと、ねだって。 欲しがって。 「やっ…カカシ……せ…ん……」 ぜんぶ、晒して。 俺の前では。 「いっ……イイ……っ」 甘えても。 いいんですよ……イルカ先生。 「ああっ……!」 カカシの指にねっとりと零れたイルカの精液。 指の先からしたたる白い雫を、カカシは舌を伸ばして、舐めとった。 ベルトを外され、下着ごと着衣を膝まで下ろされた状態のまま、イルカはカカシを凝視していた。 欲しいものをあげましょう。 寂しがりやのあなたの孤独を埋めて溢れるほどの愛情を。 やり場のない憤りと、悔しさと。決して他人には見せることない感情を、余すことなく吐き出す場所を。 だから、俺だけを……その黒い瞳に映してください。 天啓のように降りだした雨。 奇跡は、この手に落ちるのか。 「ほんとうに……俺に愛される資格はあるんですか?」 イルカの掠れた声。 震え出したイルカの肩を抱きしめて、カカシは乱れた黒髪に唇を寄せた。 -------------------------------------------------------------------------------- 藤香様コメント!↓ 一度、書いてみたかった”スレいるか”(でも、本命は誘えない)設定です。 微妙な感じでハッピーエンド。 ********************************************************************************* 相互リンクさせて頂いている9.6の藤香様宅からひっ攫ってきたステキ作品でございます!!! 藤香様のサイトにも、ステキ作品がありまくりますので、是非是非リンク部屋へ! それと…こちらの作品のお持ち帰りは厳禁!ですので、宜しくお願いいたします! |