妖怪の秘密(いつでも側に…)

「「「イルカ先生!おはよう!」」」
「ございますだろ?ったくお前ら…いいか!あいさつって言うのは…」
「ねぇイルカ先生!妖怪に何か上げるの?」
「…え?」
「妖怪がね!ホワイトデーに何をくれるかってずーっと門のところでブツブツ言ってるんだ!」
「教えてあげたら黙るかなって!」
「皆びっくりしてた!」
「あんの野郎…っ!」
「あ!…行っちゃった…。」
「イルカ先生怒ってたね…?」
「妖怪やっつけられちゃうかなぁ…?」
「なんだかちょっとかわいそうだね…。あんなに楽しそうにしてたのに…。」
「でもさ!あの妖怪強いから大丈夫だよ!きっと!」
「そうだよね!覆面してるのにスイカとか皮のまま食べてたし!」
「きっとさ!目からビームとかでるんだ!だって何か隠してるし!」
「俺はさ!多分あの覆面を取ったらすっごいキバとか付いてると思う!」
「あとさ!エラもあるよね!きっと!」
「…今度…服脱いでもらいたいなぁ…」
「イルカ先生が怒るよきっと。イルカ先生の妖怪だから。」
「だからさ!黙って脱がせ…るのは無理だから、イルカ先生と一緒に水泳とかいった時に…」
「でも…夏合宿でも、あの妖怪イルカ先生のテントからでてこなかったじゃん!」
「イルカ先生大事にしてるもんなぁ…妖怪のこと。近寄るなとか触るなって言うし…。」
「妖怪の秘密…教えてくれないかなぁ?イルカ先生。」
「気になるよね…。」
「あのさ…練乳欲しがってたから、今度妖怪にあげてみようかな!」
「あ、そういえばさ!なんかシロップとかも言ってたよね?」
「「「…妖怪に捧げ物したら見せてくれるかも…!?」」」
「スイカは無理だけど、今俺んちにバナナはある。」
「俺んちは…練乳あったと思う!」
「…飴玉じゃだめかなぁ?」
「「「…明日。持ってきて試してみような!」」」
*****
「あ、あのさ!おはようございます!イルカ先生の妖怪さん!」
「あー?なによ?」
「あのね!…これ!」
「俺もこれ!」
「僕も!」
「バナナ…練乳…飴玉…!?コレは…イルカ先生からの遠まわしなお誘い!?子ども使うなんて…大胆…!!!」
「これ、上げるからさ。…イルカ先生に内緒でエラとかキバとかビーム見せて!…だめ?」
「えーっと?違うみたいね?…俺はねー?大事な人にしか素顔は見せないの。で、俺の大事な人はイルカ先生ただ一人だから!」
「ちぇー!やっぱ駄目か…。」
「ほら、コレ持って帰りなさい。」
「あ、それはいいよ!だっていつもイルカ先生のこと守ってくれてるじゃん!」
「それに…なんか一生懸命だもんね!妖怪!」
「がんばってね!昨日あれからさ、イルカ先生もホワイトデーのこと一生懸命考えてるみたいだったよ!」
「イ、イルカせんせぇ…!!!…コレを、プレイに…!!!」

「…俺たちちょっといいことしたよな!」
「妖怪嬉しそうだったもんね!」
「イルカ先生がいいものあげるといいね!」
「おーい!お前ら!遅刻するぞー!」
「あ、イルカ先生だ!」
「急ごうぜ!」
「うん!」

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子どもは無駄に行動力があるという話。。
無邪気な好意が被害が広がってしまったのかもしれません…。
ご意見ご感想など、お気軽にどうぞ…。


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