うちのよめは五大国一、いや世界で一番かわいくいよめだ。 顔もさることながら気遣いもできるし、飯も美味いし、ものすごくかわいい。 忍として忙しい日々をすごしてるっていうのに、毎日俺と一緒にいようとしてくれる。 めちゃくちゃ強いんだけど凄く寂しがり屋さんで甘えん坊な所もあって、そこがまたたまらないんだ。 「だから。結婚はいいぞ!結婚は!」 「は、はいぃい!」 「イルカー…でもお前のそれって…」 「おい、後輩困ってるからほどほどにな?」 「よめさんがいないとすっごく寂しいけどな!早く帰ってこないかなぁ…」 任務だっていって出かけていってからもう3刻くらいか。 寂しいなぁ。いつもなら一緒に食事してるし風呂も入って晩酌なんかしながら甘えてくるよめと…。 でも任務だ。俺は耐えなきゃいけない。 緊急任務だって言うのに飯の支度まで心配するから、もちろん笑顔で送り出した。 忘年会に誘われてるってのは本当だったしな。 …正直よめさんの方が大事だから参加しないつもりだった。 まず他所の飯がまずい。 仲間たちと過ごすのはそれなりに楽しいけど、よめさんがいないのをひしひしと感じるからそれもつらい。 よめさんは心配性だから大抵くっついてきてくれるし、迎えに来てくれるから、普段ならそれでもまだましだけどな。 でも今日は…多分夜が明けるまで帰らないだろう。 最近俺も残業続きだったけどな…。 年末ってのは仕事が忙しいと相場が決まってるけど、よめさんと年越しをゆっくりむかえたかったから。 寂しい。なんだか泣きそうだ。 「イルカ、その、さ。まあ経緯はどうあれ上手くいってるのはいいことだけど、頼むからその、泣くな!」 「熱愛してるんですね…!うみの先輩!浮気とかしちゃわないんですね…」 「熱愛…うーん?」 よめが世界の中心なのは当たり前のことだし、浮気なんてありえない。 それにあんなにかわいくてやさしくて最高のよめなのに、他のものなんて目にはいるわけがない。 俺には過ぎた相手だと思うこともあるけど、それでも絶対に誰かに渡したりなんかできないから、一生をかけて幸せにするつもりだ。 「どこで知り合ったんですか?どうやって結婚まで?」 「ちょっまてまて!お、おいイルカ!別に言わなくても!夫婦の秘め事まではその!」 「出会ったのって…そういえば…」 まずい。飲みすぎただろうか。頭がふらふらする。 よめさんは初めて会ったときからかわいいなぁとは思ってたけど、もちろん最初からそういう風にみてはいなかった。 だってうちのよめは男だし。 仕事ができるし、うちのこたちを大事にしてくれるし、話も面白いし、尊敬できる上忍との時間は楽しかった。 それがどうしてこうなったのかって言われるとまあその。責任取れって…。 「どうしよう。俺」 無理やりよめにしたんだ。そういえば俺が。 今更だけどよめに愛想つかされたりしたら俺が死んでしまう。 「え?え?」 「なんだ?イルカ。どうした?洗濯物ほしっぱなしとかなのか!?」 そういえばずぼらな俺は昔よくそんな理由で飲み会を抜け出してたっけ…。 それもこれも最近は経験していない。よめさんがあまりにできるよめだからだ。 それなのに…いやでも。 「よめさんはさ、本当におれでいいのかなぁ」 「へ?」 「なーにいってんだよ!あれだけ俺たちまで警戒され…お、おい!何で泣いてるんだ!?」 よめさんが好きだ。大好きだ。 すっかり忘れてたけど責任取らせたあとからずーっとずーっと一緒にいた。 もう、開放してあげなきゃいけないんだろうか。 「イルカせんせーお迎えにきましたよ?」 ああ、よめさんだ。ちょっと汚れてるけど無傷だ。よかった。 「うぅ…!」 安堵するあまり思わずしがみ付いて泣いていた。 「何で泣いてる?お前らか。…そんなに死にたい?」 自分の鳴き声で何を言ってるか聞こえなかったけど、任務帰りで気が立ってるのか、ちょっと殺気が漏れている。 「お、れは、よめさんが好きです。大好きです」 「俺もですよー?もちろん!ね、どうしちゃったんですか…?」 「よめさんは、幸せですか?俺はしあわせすぎて怖いくらいだけど、よめさんがしあわせじゃないなら俺は…!」 もう、一緒にはいられない。 そう言おうとしたのに、どうしてもいえなかった。 よめさんが遠くに行ってしまうことを…俺の手が届かない所に行ってしまうことを、想像しただけで息ができない。 「幸せです!だってこーんなに素敵なだんな様がいますしね?…ほら帰りましょう?おかえりなさいって言ってくれないんですか…?」 「おかえり!おかえりなさい…!」 「じゃ。いいこと聞けたから払いは俺に回していいけど…今度イルカせんせ泣かせたら消すよ」 よめさんの腕が温かい。よめさんが大事に抱きしめてくれる。それだけでもう何でもいい気がした。 「帰る」 「はい。勿論!」 抱き上げられるのは久しぶりだ。最近膝枕もやってもらってないかもしれない。 忙しさはしょうがないけど、やっぱり俺、寂しかったんだなぁ。 「あ、の。うみの先輩の…」 「聞くな。…まあその、アレがよめでもいいってんだからイルカは凄いよな…」 それから風のように素早く家に連れ帰ってくれて、もちろんたっぷりいちゃいちゃした。 ***** 「で、何があったんですか?」 「その、だって俺」 夕べは凄かった。よめさんがなんだかしらないけどすっごくやる気だった。 それを全部受け止めてこそ男の甲斐性の見せ所ってやつだよな! だが流石に腰が立たない。でもよめさんが美味い飯を食わせてくれるから却って幸せかもなぁ。 「いえないこと、されたの?」 ああ、よめさんが心配してる!駄目じゃないか俺!こんな顔させちゃ! 「いやその、だって責任取れって言ったのは俺ですが、こんなによめさんに幸せにしてもらってるのに、ちゃんと返せてるのかなぁって」 幸せすぎて怖いってやつだ。よめさんへの愛はたっぷりあるし、今はよめさんに愛されてるって分かるけど…急に心配になったんだよな。寂しすぎて。 「こーんなに愛してるのに!もうイルカせんせったら!」 あ、ちょっと怒ってる。けど照れてる。かわいいなぁもう! 「俺のよめさんは最高です」 嬉しさのあまりそう言った途端、よめさんがプルプル震えだして、そっと手に持っていたうどんをおいた。 「ごめんなさい…我慢できません!」 まるっきりあの日の再現だ。 でもうん。俺も我慢できないし! しっかりと抱きとめたつもりが腰が利かないせいで床に転がる羽目になったけどまあその。 くっついていちゃいちゃできて俺は最高に幸せなだんなさんだよなぁと思った。 ********************************************************************************* 適当。 あほのこばかっぷる。 ではではー!ご意見ご感想等御気軽にどうぞ! |