好きだからって、何してもいいって訳じゃないのは、言わなくてもわかっていると思っていた。 …それなのに。 「あんたは…!俺に何をした…!?」 力の入らない四肢はまるで自分の物じゃないように言うことを聞いてくれない。 原因はそんな俺を嬉しそうに目を細めて見つめている。 「だって、もう嫌なんだもん。誰かにとられる心配するのに、疲れちゃった」 だから、男は俺を監禁するのだという。 夢見る乙女のように楽しげにどうやって俺を閉じ込め、どうやって抱くか、上層部を、ナルトを誤魔化すかなんて話をしている。 状況は最悪だ。 俺は中忍で元々分が悪いというのに、すでにこうして先手を打たれてしまっている。 「くそ…!」 無理やり動かした脚が、奇妙な方向にまがり、痛みを感じるのに直すことすらできない。 「無駄だから。ねぇ、そんな無理するより、俺と気持ちいいことしましょうよ?」 こんな馬鹿だと思わなかった。確かに惚れてはいるが、それは…お互いに恋人としては対等であるからだ。 同性相手に足を開くことだけでも相当に勇気が要ったというのに、隷属を強いる相手になど誰が体を許すものか。 きっと睨みつけても、男は俺の胸元に頭をうずめたままだ。 屈しないという意思は曲げられない。…いくら俺がこの男に惚れ抜いていたとしても。 せめて一矢酬いてやろうと身構えた俺を、男は悲しげな瞳で見つめている。 「…やっぱり抵抗するよね。わかってる。そう言うところも好きなんだもん」 ぎゅうぎゅう抱き締められて、それから…すぐに体の自由を取り戻した。 「うご、く…?」 不自然なほど体が軽い。 さっきまでの異常な倦怠感がうそのようだ。 もしかしなくてもこれは…男が術を解いたの違いない。 「ああもうどうしよう。それでも好きだし愛してるし、だからあんたが誰よりも許せない」 他の奴なんて見ないで。…いっそ俺たち以外存在しなければいいのに。 そう嘆く男の涙をすくいとりはしたが、その顔は歪にゆがんで苦しんでいるのだと分かる。 己の胸のうちに宿した嫉妬の炎にあぶられて、答えが出せずにいるのだろう。 「あんた馬鹿ですね」 こんな状況でも嬉しいと思う自分に呆れながら溜息をついてやった。 戦場での洞察力はどこにおいてきたのやら。 こんなことをされても嫌いになどなれないほど惚れ抜いている俺に、どうして気付いてくれないのか。 「そ、俺は馬鹿ですよ。ねぇ、だから…捨てないで…?」 不安そうな瞳は、こういう所だけは聡い。 俺が…馬鹿な男を見捨てられないのを知っているのだ。 そのくせこうして拗ねるのだから訳が分からない。 「あんたがいやってほど側にいてやりますよ。任務もしますけどね。…だからあんたは」 黙って俺を愛せばいい。 そう告げざま掠め取るように口付けを交わすと、泣き笑いのまま覆いかぶさってきた。 「あんたじゃなきゃだめ。…でも、どうしてあんただったんだろう」 哀れな男だ。…俺の、そして自身の感情さえ理解していない。 こんなにも俺に執着し、他の人間を黙らせてでも手に入れようとしているなんて。 だが、そんなのはどちらでも構わない。 …この男は俺のモノなのだから。 運命を嘆く男の愛撫に答えながら、どこまでも暗い喜びに浸った。 ********************************************************************************* 適当。 ねむいのでてきとうなのでしたよねむい。ねーむーいー! ではではー!ご意見ご感想等御気軽にどうぞ! |