てんぷらと雑炊(かぼちゃのてんぷら)
「折角作ったのに…まずい…。」
「油くさいなぁ。ああでも…イルカはてんぷら好きでしょ?それとも好み変わった?」
「お前!?どこ行ってたんだ!」
「ん?任務だけど。」
「こんなに長く家空けるんならもっとちゃんとなんか言ってけ!」
「俺もこんなに長くなるなんて思っても見なかったからねぇ?ごめんね。ずっと待ってたんでしょ?…なんか部屋も荒れてるし。」
「待ってなんか…!お、お前がいないからてんぷらだって作って食ったし!…いつもは美味しいのに今日はなんだかまずいけど…!」
「ああ、痩せちゃって…やっぱり俺がいないと駄目だねぇ?」
「うるさい!駄目じゃないぞこの幻覚もどき!」
「まーたそんなコト言ってるの?」
「…幻覚なんだろ…!俺やっぱりずっとひとりだったんだ…だから待っても帰ってこないんだって…!」
「あらら、泣いちゃうの?」
「幻覚だから、怪我してうごけなくなったりしてなんかいないんだ…!」
「そんな顔して…心配しすぎて怖くなっちゃったのね。」
「幻覚は…黙れ…!俺はもうひとりで生きていける大人なんだ!だから…でも…!もう二度と…いなくなる誰かなんていらない…!」
「かわいいこといっちゃって。」
「うるさい!俺はてんぷらを食うんだ!誰にも文句言われなくて、まずいけど…!」
「心配かけて、ごめんね?」
「ううー…!触んな!俺は…!」
「触るよそりゃ。だって…あからさまに痩せたでしょ?イルカ。」
「うるさい!…わぁ!?何するんだ!服返せ!」
「こんなに細くなっちゃってるじゃない!何食べてたのよ!?俺がいない間!」
「ごはん…何食べてもまずいからあんまり食べてない…。なに作っても楽しくないから金はあるんだけど…。」
「あー…俺なしで生きていけないようにしようとは思ってたけど…危なっかしいなぁ。」
「てんぷらなら食べられると思ったのに…!一楽のラーメンもだめだったけど…!」
「はいはい。…その油っぽいのはとりあえず置いといて。…今から俺がなんか作るから。」
「いらない…どうせまずいから…。」
「大丈夫でしょ?いいからちょっと待ってて。あ、でもその前に。」
「んんーっ!?」
「ふぅ。ただいま。イルカ。」
「わー!?何するんだ!」
「はい。一旦服着て待っててね?…まずは雑炊でも作るかな?材料なさそうだし。」
「…この幻覚いつもみたいに消えないなぁ…?…ホンモノみたいだ。」
「やっぱり目を離しちゃ駄目なのね。…ま、後でしっかり確認させてもらうけど。」
*****
「げ、幻覚のくせに…!」
「ご飯ちゃんと食べられてちょっと安心したけど…明日からもっとちゃんと食べてね?抱き心地悪くなっちゃってまぁ…。」
「うるさいうるさい!なんだよ!どうせまた消えるんだろ!」
「寂しいの駄目なのねー?今度からせめて犬だけでも置いていくか。」
「き、消えるくせに…!こんなに温かくても…!朝はどうせ一人なんだ…。」
「一人じゃないよ?任務には行くけど、必ずココに帰ってくるから。」
「ウソツキ!」
「そんな目ぇしないの。かわいいだけよ?ああそうだ。丁度いいから、幻覚じゃない証拠にもっかいやる?」
「やる…!?や、やらない!腰痛いしもう出ない…!」
「怯えた顔もかわいいけど…こんなに痩せちゃったし、体力使いすぎたらまずいかな?ま、しょうがない。今日は寝よう?」
「寝る…けど、…寝たら、消えちゃうのか…?」
「消えないよ?一杯寝て起きたら一杯食べさせてあげる。」
「…ウソついたら…残りのかぼちゃのてんぷら食わせるからな…!」
「ウソだったら食べさせられないでしょうが?ま、いいけど。」
「うー幻覚かもしれないけど…おかえり…!」
「ただいま。…早く抱き心地良くなってね?」
「なんかね、むい…」
「おやすみ。また明日も大騒ぎするんだろうなぁ?楽しみかも。」

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かぼちゃのてんぷらバージョン!
うちのかわいこちゃん?のようなアホの子天然イルカに、適当暗部カカチの帰還を祝ってもらいました! お帰りなさい祭りにご意見ご感想がございましたら、お気軽に拍手などからどうぞ! 引き続き…皆様!拍手でも何でもイイんだ!是非是非お帰りなさいと叫んで下さい…!!! 帰還を…一緒に寿いでくれ!!!

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