「ここが、玩具屋か」 「はい。ここが一番里の中で大きいんで、色々揃いますよ!」 「そうか」 「…どこに行こうとしていたんだか、聞かないでおきますね…」 「忍具屋か、水の国の百貨店か…」 「さー!探しますよ!ほ、ほら!こっちにもいっぱい!」 「これは、どうだろうか?」 「そ、そうですね…うーん。カカシ君はまだ小さいとはいえ任務にも出ていて精神年齢は高いですし、お絵かきセットじゃ…うーん?」 「彼女と楽しそうに絵を書いていたんだ。地図を書くのもうまくて…」 「うぅ…!?最近の流行のアニメとかもみてなさそうですもんね。そもそも任務に行ってるから…」 「これは?」 「お花を作る機械…女の子向きですね。どちらかというと」 「そうか。良く花を摘んできて、自然に生えているのを見るのが好きだと言われたら、粘土でキレイな花を作って…」 「ええええとですね!そうですね!ほ、ほら!イルカとおそろいで!こういうのとかどうですか!暗部セット!」 「暗部服?ならもうすでに」 「え?」 「能力的には問題ない。以前から同行させよと打診されていた。試験的にというからこの間一度だけ」 「えーっと…え?え?」 「ミナトは楽しかったと言っていたが」 「あーまあはい。アレはいつもそんな感じですよね」 「…カカシはどんどん俺の手を離れていくな」 「早熟ですもんね。うちの子もいろんな意味で心配ですが…でもほら、まだまだお父さんが大好きでずっと心配してますよ?」 「彼女に怒られてしまうな」 「へ?」 「カカシのことをちゃんとみていると約束したのに、この体たらくだ」 「サクモさん…。いやでもですね!術の修行から料理の修業から裁縫の修行から任務に関することまで、たっぷり教えてますし!あれから一緒にいる時間も増えたんですからこれからですよ!」 「そうか。…何を喜ぶか、というのが良く分からない。彼女も良く困らせてしまっていた。カカシが望むのはイルカ君以外に何があるんだろう」 「ちょっ!ちょっとまってくださいそれに関しては…!」 「イルカ君は、このくるくる丸薬マシンというのが好きそうだ」 「へー!すごいなこれ!丸薬の元を入れるとキレイに丸めてコーティングも選べる…!おもちゃの癖に便利そうですね…!」 「他にはこれはどうだろう」 「なになに…かわいいパンケーキやさんセット…。型やトッピング付きで猫さんとクマさんとうさぎさんとわんこさんがつくれます…?あーたしかにうちの子が大喜びしそうです…!」 「ではとりあえずこれとこれを。あとは…そうだな。チャクラ刀を誂えておこう」 「えーっと。それは、クリスマスプレゼントに、ですか?」 「ああ。イルカ君と一緒にといって贈れば、多分喜ぶと思うんだが」 「そ、そうですね…。ううううう…!イルカが喜んでるのを見て幸せそうにしてるのが目に浮かぶ…!いやでも!それはそれでどうなんだ!」 「後はあちらにあったお風呂で遊べるというおもちゃが」 「あ、これですか?おふろくらげ…ぷかぷか浮かんで光って音がでる…へー!録音もできるのか!」 「三つ子が、きっと喜ぶ」 「そうですね!足を食いちぎったりしないように気をつければきっと!」 「ではこれも」 「うーん?俺はどうしようか。ちびたちにはこっちのおもちゃのアクセサリーセットとかいいかなと思ってるんですが」 「なるほど」 「イルカには暗部服セットは…おそろいでお出かけとか言い出しそうで恐いしなぁ…?」 「これは、どうだろうか」 「おお!寝袋?随分大きいですね。中に入ると大きな猫みたいにみえる…お、ほんとに寝込みたいだなこの写真」 「ふかふかしていて温かそうだ。防水性はなさそうだから任務では使えないが」 「おおきなねころん…名前がおもしろいけど、昼寝用にいいかもしれないですね!これも候補に…」 「後はこれとこれと…」 「サクモさん。お小遣い帖つけてますよね…?」 「ああ。そういえば今月は使ってもいい金額というのが引き上げられていた」 「へ?」 「クリスマスがんばってねと。作りすぎは駄目だとも言われたな」 「…行動が読まれてるってことか…!?」 「後はなにがいいだろうか」 「サクモさん…一人一個でいいと思いますよ…!?」 「そうか」 「そ、そんな顔しても駄目です!えーっとえーっと!?せめて二個まで!」 「わかった。努力しよう」 「あーはい。…一緒に着てよかった…」 ******************************************************************************** 肉食こぬこ。 真剣な顔でおもちゃを選ぶ白い牙を、人々は遠巻きに見守ったとか。 父ちゃん敗色濃厚。 ご意見ご感想お気軽にどうぞ。 |