「なぁなぁイルカ先生!いいじゃん!」 「いい訳あるか!」 「だってさ、だってさ!チョコ!チョコだってばよ?もらえるんならほしいじゃん!」 「分かったから落ち着け!」 チョコレートをもらえるイベント。 ただそれだけのものとして認識しているらしい。 この子がこういった新しい里の行事に疎いのは、教えられるほど知らなかった俺のせいでもあるから、ナルトが強請るのを無碍に断るのは辛い。 だが、こればっかりはダメだ。 「チョコー!」 「だーかーらー!この行事は女性から告白するためにある行事なんだ!…俺がお前に贈るってのは違うだろう?」 「え!?」 やはりどんな理由かも知らずにほしがっていたらしい。 …この様子だと、こんな情報を吹き込んだのはチョウジ辺りだろうか? 余りに驚いた顔をするから流石にかわいそうになって、当日じゃなければ大丈夫だろうか等と思い始めていたんだが。 「だってさ!だって…!カカシ先生も買ってたってばよ!でっかいの!木の葉デパートのチョコばっかりあるところで!」 「…ちょっ!ちょっとまて!?」 最悪の事実を知ってしまった。 ついこの間の事だ。あの男にバレンタインのチョコをねだられて、すげなく断ったら俺にチョコを貰った人間も贈った人間も全員抹殺するなどと言い出したのは。 あまりにふざけた話に失笑で返したが、男の方はきゃあきゃあと騒いで興奮するばかりでその本気が痛いほど分かった。 …鉄拳制裁でなんとか黙らせるまでに、それはもうとてもとても面倒だったのは良く覚えている。 だが、チョコレート売り場にあの男がいたというコトは…。 つまりだ。あの男は懲りてなどいないのだ。 「その話、詳しく教えてくれ!」 「え?え?べ、別にいいけどさ…どうしたんだってばよ?」 純粋すぎる瞳に痛みすら感じたが、大人らしく取り繕うのも忘れなかった。 「ちょっとした重要任務なんだよ」 …笑顔が引きつっていただろう事は否定しない。 ***** 「アンタなにやってんですか!」 男の部屋に乗り込んで怒鳴りつけてやったんだが、その先に広がっていた光景に息を飲んだ。 「え?チョコプレイの練習?」 しれっと答えやがるのにもまた腹が立つ。 「片付けろ!」 だれがチョコまみれの男なんか見たいものか。 …自分にもついている物をいきり立たせて、そこに溶かしたチョコをかけている所など、えぐい以外の何物でもない。 それで自分に何をするつもりなのか分かりきっているのだから。 強烈過ぎて目に焼きついてしまった光景を出来るだけ視界に入れないように視線を逸らした。 …ケモノから視線を逸らしてはいけないという鉄則を破ってしまったと気がついたのは、チョコまみれの男に押し倒された後のことだった。 ***** アレだけ興奮していれば当然の結果だが、チョコまみれになった服は部屋の隅に放りなげられて、俺もチョコまみれで…。 まともな言葉さえ離せないほど癇症な猫みたいな声を上げさせられている。 「う、ああぁ…ん…!」 「イルカせんせぇ…!そんなに美味しい…?」 おいしいもなにもないんだが、酷く満足げに色気を撒き散らす男に抗えない。 …気持ちよすぎて腰が立たない。口から零れる鼻にかかった吐息すらも飲み込むように、男が口づけを仕掛けてくる。 チョコの味がするのは、直前まで何を舐めていたせいかを考えるのが恐ろしかったから、口の周りにチョコをまとわり付けているのを舐め取ってやった。 …無意識にその口にされたことをなかったコトにしたかったのかもしれない。 チョコバナナだのチョコイルカだのと大喜びしていたのが里の誇る上忍だとは、誰も信じてくれないだろう。 「ひっぁ…!」 「ねぇ、チョコもらって?」 奥まで一気に突き込まれたそれはチョコなんて可愛らしい物じゃない。 甘い匂いがするところを見ると、わざわざチョコでもぬりつけたのかもしれないが、いつも好き勝手に人を蹂躙するそれは、むしろ凶器に近かった。 人としての理性も雄としての本能もかなぐり捨てて、与えられる快感だけに従属させられる。 「や、ぁ…も…っ!」 「あ、きゅうきゅうしてる…もう出ちゃう?」 そんなことは言わなくていいと思っても、言葉にできるほど余裕がなくて、絶頂の予感に震えることしか出来ない。 唐突に怖くなった。こんな行為を強いられて、意識が飛びそうになるほどの快感を感じることが。 「あ、ふぁ…!カカシさん…っ!」 しがみ付いたとたん、腹の中でぐっと質量を増したソレがはじけたのを感じた。 「あ、あ…!」 一瞬の空白。 押し寄せる快感に全てを流されてしまったように、どこにも力が入らない。 「は、ぁ…もーなんでそんなに煽るの!…まだ予行演習なのに!」 深く考えたくないセリフを意識から追い出し、内側に叩きつけられた熱の余韻に震えていると、不埒な男は切羽詰った顔で俺を抱きしめた。 堪えている理由が俺を思ってなのか、それともイベント好きのこの男らしく、本番にとっておきたいなんて馬鹿な理由なのかは分からない。 だから俺も。 「もっと」 気持ちよすぎて言ってしまったセリフの意味など覚えていないコトにしておいた。 ********************************************************************************* 適当ー!…続いたら怒られるんだろうか…。 コレはほのかにエロになるんでしょうかねぇ…? ではではー!お気が向かれましたら突っ込み等御気軽にどうぞー! |