「白い牙と謳われた英雄だったのはしっとるか?」 「あーそれはその、聞いたことがあるはあるんだが、どう考えてもアレとつながらんからそう深く考えたことは…」 「忍としての才は確実に受け継いでおる。チビすけの頃は賢くてな。優しい子じゃった…」 「なんかその言い方はちょっと」 「昔はかわいいかった。じゃがのう。色々あったせいかヒネだしてな。そこからも忍として研鑽を続けていくうちに…」 「それはいいから!」 「お、おおすまんすまん!父親もな。すばらしい忍だった」 「そうだろうな。なにせ伝説とまで言われるほどだし」 「ある意味そっくりじゃった。エロ本片手にうろついたりすることはなかったがな」 「そりゃそうだろうよ…。なんでアレをそのまま野放しにしてるか俺には理解できん」 「真面目一辺倒で、不器用でな。忍馬鹿なんぞとからかわれたこともあったか」 「そ、そうか。…それで子育てに失敗…」 「修行と任務以外のことなどしているのをみたこともない。酒や女に溺れて遊びほうけられる金があったというのにな。まるで楽しむことが罪だと思っているようなヤツじゃった」 「…あいつと正反対だな…」 「任務ともなれば卒なくこなしておったが、人目をひきすぎるんじゃ。顔がな」 「アレと生き写しだっていうならそうだろうな。アレとちがって、話聞く限りじゃそうとう真面目な人そうだし。ストイックで顔がいいとかなんかもうなー…せめて駄犬がもう少しまともなら…ってそれでも男だしな。何で俺の人生はこんなことに…!」 「それがのう。ある日任務中に見かけた木の葉のくノ一に惚れたらしい」 「らしいってなんだらしいって。なんでそんな曖昧なんだ…!?」 「任務を終わらせてすぐさらいおった」 「はぁ!?」 「相手も相当面食らったようじゃが、突然主がとちくるった我らの方も大騒ぎじゃわい。単独任務で誤魔化しようがあるとはいえ、帰還が遅れれば…」 「抜け忍扱いに…!?ってまさかそれが理由で…ならアイツが生まれるはずないな…?」 「それがご主人の母親じゃ」 「待て待て待て!?まさか女性に無体な真似を!」 「それはどうやら違ったようだの。いきなり人浚った上にぎゅうぎゅう抱きついてくるから思わず殴りつけちゃいましたと」 「…あー…なんかその物言い。うちの駄犬に似てる気が…!?にしても上忍殴りつけたのかその人」 「一応上忍じゃぞ。まあ実力的には比べ物にならんかったが、アレの父親が、自分の嫁に逆らった所などみたことがない」 「へ、へー…なんか木の葉ってそういう家多いよなー…うちの母ちゃんも天真爛漫に最強だったけど。…それにそういやイノシカチョウのおやじさんとことかも…」 「つまりのう。どうやら色恋沙汰になると理性をすっとばすのはじゃな」 「遺伝ってことなのか…!?」 「…多分な」 「要するに打つ手なしってことなのか…。アレの母ちゃんはいったいどうやってあの変態行為の嵐に耐えてたんだよ!」 「サクモはそんな破廉恥な真似などせんわ!普通にその、離れることなく側に付き従ってじゃな」 「ストーカー体質はきっちり遺伝してるじゃないか…!変態要素はどこからきたんだ!?」 「それは…その、師匠が」 「師匠!?師匠って確か…よん、だい、め…!?」 「まあのう。その師も伝説のエロ助の異名もちじゃし、そも当代火影が…」 「三代目はそんなに変態じゃ!…いや、でも確かにエロ本…!いきなり呼び出されて真剣な顔でお前も大人になったことじゃしとかいってエロ本もらったことがあったけど…!中忍になるなりアレはないよな…」 「素直でいい子すぎてなぁ…。教えると水がしみこむようにするする覚えおるから…」 「周りが!もっとちゃんとしつけしとけばよかったんじゃないか!」 「お主がなんとかするつもりなんじゃろ?」 「うっ!でもだな!その…!…手遅れなんじゃないかって気がしてきたんだが…」 「サクモの嫁の手腕はすばらしかったぞ。それこそ犬のように…」 「それもまたすごいっていうか…なんか間違った夫婦像がしみこんでるんじゃ…!?」 「子まで成したんじゃ。仲は周りが驚くほど良かったぞ?寡黙なサクモが延々と張り付いておるからまあ多少は驚かれたことも…」 「アクティブな変態なとこはかわんないだろうが!」 「うっ!それはそのじゃな!」 「白い牙像が…俺の中の英雄が…」 「そう落ち込むな。命がけでお主の事を愛し守ろうとしておるだけで悪気はない」 「悪気があってもなくても実害がたっぷりあるんだよ!」 「…まあ、その。そうじゃな…」 「お前がわるいんじゃないもんな…。すまん」 「いや。それはいいんじゃが」 「…なんだよ?どうしたんだ?」 「ぱっくうぅん?おいで?」 「ひっ!?駄犬!?」 「俺のイルカ先生と混浴とか…ね?泥棒猫っていうか間男っていうか泥棒犬…か…うふふふふふふふ」 「待てコラ駄犬!お前の家族だろ?家族風呂だと思えば普通だ普通!大体犬相手にどうしろってんだ馬鹿か!?」 「家族風呂…!」 「そういうことだ。あー…だからその。一緒に入ることは許してやるが、家族の前で破廉恥な真似しかけてきたらその場で…」 「お背中流しますね!もちろん一杯色々…!パックンがでてから…!」 「まずそのかぶってるパンツなんとかしてこい。他の服はどこに捨ててきたんだ!」 「はぁい!イルカせんせの香りに包まれて…うふふふふふふ!」 「…すまんのう…」 「いや、もういい。とりあえずはもうどうでも…」 ********************************************************************************* 変態さん。 ちょっとだけ制裁が緩い。 ではではー!ご意見、ご感想などお気軽にどうぞー! |