「…着いてきてる気配は…ないな?油断はできないが。流石上忍だな」 「わん!」 「お?アレお前」 「くぅーん」 「見たことない犬だが…どうせ駄犬の犬だろお前。話せるのはわかってんだ!白状しろ!」 「ぐえ!せ、拙者はその!」 「犬にまで変化って言うか犬に変化させてどうすんだ!?…って駄犬になに言っても無駄だもんな…」 「お主の様子が心配だと主が…」 「お前の主人の頭の中の方が心配だろうが!」 「それは否定できんが、様子が普段と違うから心配だと…」 「心配する位なら普通に生活させてくれ…」 「あーその。すまん」 「お前の責任じゃないだろ。怒鳴って…あと耳つかんで悪かった。ごめんな」 「…主がまだ本の幼き頃より側におったしのう。少しはわしにも責があろうて」 「そか。アレにも子供時代が…」 「白い牙の息子として見られることが多くてのう。しかもその期待を十分に満たすだけの能力があった」 「へー?まあそうだな。アレの神出鬼没さとか考えると腕は死ぬほどいいもんな」 「七光りよとそしられることもあったが、そんなものはすぐにふっとんだわい」 「七光り…か。親御さんはどんな人だったんだ」 「あーその…ちょっと抜けてはおったが。父親の方は戦場では鬼神のごとき強さを誇り、素早さでも郡を抜いておった。しかもじゃな!顔も良い!」 「へー…そういや父親に似たっていってたもんな」 「女にもてるのに鈍感というか朴念仁というか」 「強くて女に持ててストイックか…そりゃうらやましい。駄犬はそこは似なかったんだなぁ。隙を見せればおったてて…!」 「じゃがのう…嫁とであってからは…」 「お、おい?なんで声のトーンそんなにおちるんだ!?…なんかこう重要すぎる話を聞いた気がするんだが!?そ、そこをもっと詳しく教えてくれ!」 「キャイン!」 「へ!?あ!消えた!っつーかあれか!?敵襲!?」 「敵!?敵がいたんですか!間男ですか間男ですか泥棒猫ですか!?俺の大切な大切なイルカせんせいのお尻は無事ですか!?」 「うるせー!やっぱりいたな!敵っていうか…まさかお前が犬になんかしたのか!?」 「イルカせんせ…!うちの子相手でもあんまりいちゃいちゃしちゃだめですよ…!」 「なんで目が血走ってんだ!?落ち着け!」 「わんわんプレイならそこの茂みででもすぐ…!」 「しないにきまってんだろうが!…約束を、覚えてるな…?」 「緊急事態でしたもんね!敵がきたらいつでも俺が駆けつけますから…!」 「いらん。…くそ…!あの犬なんか知ってそうだったのに…!」 「しばらくは付きっ切りで護衛しますから…!安心してください!」 「…犬出せ犬。お前がいることも特別に許可してやる。少しの間だけならな」 「パックンに見られながら、か…。ちょっとそれは…」 「何考えてるかしらんがしないぞ!?何する気だ!?」 「いやん!イルカせんせのエッチ!」 「お前にも羞恥心があったことに驚いたが。…まあいい。犬がいないなら失せろ」 「お、俺が今すぐ…!」 「さっきの犬だといったはずだが?約束破りのペナルティを大目にみてやろうとしてるのになぁ?そんなに踏まれたくないのか?」 「パックン。イルカせんせにちょっとでも触れたらお前でも…」 「えらい目に遭った…。お?またか」 「詳しく話を聞かせろ!」 「…やれやれ…」 ********************************************************************************* 変態さん。 温泉にたどりつかない…。 ではではー!ご意見、ご感想などお気軽にどうぞー! |