新たなる年を迎えるに当たっての覚悟と苦悩(変態さん)



「さ、いきましょうか…!」
「おおおおおい!?来たじゃねぇか!」
「っつーか任務はどうしたんだアレ!」
「おい駄犬」
「はぁい!アナタの忠実な犬にして永遠の伴侶…おっと!」
「それ、なんだか分かるか?」
「あぁ…イ、イルカせんせの匂いがする…!」
「俺は、何度も。言ったはずだな?」
「えっと!昨日は一杯名前呼んでくれましたよね…!さいっこうの姫納め練習になったっていうかぁ…!いつでも本番な本番っていうか!もうもう幸せで幸せで思わず…!」
「今日は年越し受付だ。つまりこれから年始までここからでるなんてのはありえない」
「ここでやるんですね…!見せちゃうのはヤだけど、そ、そういうのが好きなら俺はいつだって…!」
「勤務中に破廉恥な真似を仕掛けたらどうするといったか覚えてるか?」
「えっとぉ…イルカ先生が昨日赤く火照った肌を惜しげもなくさらけ出しながら潤んだ瞳でおねだりしてきたアレですね…!もうもう色っぽくて色っぽくて止まらなくなっちゃってそりゃもう…!」
「その紙を広げてみろ」
「えっと。私はたけカカシは、大晦日の受付任務中のうみのイルカに対し、決して性行為を強要しません…?」
「わかったらとっとと出てけ!」
「強要なんてそんなことしませんよ!安心してください!気持ちよくなりすぎておねだりしちゃうまでがんば…あぁん!」
「続きが、まだあんだろ?あぁ?」
「えっとぉ…うみのイルカが命じたときには速やかにその場から退去することを誓います!」
「ってことで命令だ。今すぐこの場から消えろ!」
「はぁい!久々の放置プレイ…!」
「ふぅ…多大な犠牲を払った甲斐があった…!」
「イルカー…お前大変なんだな…」
「すごいよ。ホントに。なんだかんだとアレと付き合ってもう大分たつしさ」
「無理はすんなよ?そりゃ任務受付はこれから忙しくなるけどさ」
「おう!…年明けが勝負だがな」
「そ、そうだな。アレが諦めるわけないし…」
「まあとりあえずしばらくは大丈夫だろ?変態駄犬野郎もいなくなったし、とりあえずストーブに灯油足してくる!ひっさびさにカップラーメン食うぞ!」
「ありがとな!」
「なんかさ、元気のいいイルカって久しぶりな気がする」
「無理してんだろうなぁ…。なんだかんだ楽しそうに見えて油断しちまうけどさ、消耗してたんだよなあ…」
「ねぇ。そこどいて?」
「ひぃ!?」
「出たー!?」
「なななななななんで!?」
「えー?だって間男の巣において置けないでしょ?影分身にも張り付かせてるけど!イルカ先生ったら色っぽいし男前だしステキなお尻だし腰使いもたまんないしね!」
「いやそのそれは聞きたくないといいますか!」
「何で…!」
「さっきでてけって言われてたのに…!」
「戻ってきちゃ駄目って書いてないじゃない?」
「イ、イルカー!?逃げてくれー!」
「どうすんだよ!なぁどうすんだよ!」
「さささささんだいめ…は…火の国の年始祝典に出席だ…!?」
「真面目な顔で書類受付しながら下のお口は俺を…うふふふふふふふふ…!!!!!」
「補給してきたぞー!新製品のラーメンお前らも食う…か!?」
「イルカー!」
「マズイぞ!」
「逃げ…ぐえ!」
「イッルカせんせ!」
「てやぁ!」
「わー!?馬鹿待て!可燃物もってあばれるな!」
「火事になるから!おちつけ!」
「どうどう!イルカ!な?大丈夫だって!とりあえずそのタンク貰っとくぞ?」
「失せろと、いったはずだ…!俺は平和に受付でカップラーメン食って、平和な年越しを…久しぶりに…うぅ…!」
「泣き顔も色っぽい…!」
「はたけ上忍…!お願いです!イルカを…イルカを少しでいいからそっとしておいてあげてください…!」
「よ、よめさん泣かしちゃだめでしょうが!」
「相当弱ってるじゃないですか!何やってたんですか!アンタの大事な人なんだろ!」
「なぁに…?俺のイルカせんせのことがそんなに気になるの…?間男が湧き出ちゃってほんっと魅力的すぎるんだから…!」
「ひっ!」
「く、くるぞ…!」
「に、にげ…たらイルカが…!」
「出て行け。いいか?二度と戻ってくるな!」
「「「イルカ!?」」」
「えー…?」
「三枚目も見ただろ?当然」
「この約定を違えし時は、婚姻関係の破綻とみなし、…ええぇええ!?」
「さあ。出て行け!」
「…おうちで、いい子で待ってます…!はやく…早く帰ってきてね…!あと間男どもはちゃんと連れて行きますね…!」
「「「え!わあああ!?」」」
「お、おい!くそ…!だがもしかしてこれ…初勝利か…!」
「イルカせんせ?」
「ひ!なんでいる!?」
「おきて?おきないとぉ…かわいい息子さんの方にちゅーしちゃいますよ!」
「わぁあああ!?あ?え?あれ?俺の、家?」
「二人の愛の巣ですよ…!ささ!年が明けるまで繋がりあって二人の絆を確かめ…あぁあん!」
「ゆ、ゆめ、か」
「さっきすっごく気持ち良さそうにイっちゃったあと、ちょーっと意識トンでましたもんね!俺ももちろん!すっごくすっごく気持ちよかったんですけど!」
「…ああ、そうだよなぁ…まずアレがそんなに簡単にサインとかなー…あーあ…」
「イルカせんせ?足りなかったんですね!今すぐ…!」
「カップラーメンが食べたい」
「えー?ジャンクフードより!俺の愛情とか色々たっぷりな…!」
「カップラーメンだ。聞こえなかったか?」
「はぁい!今すぐ!ささ、どうぞ!」
「三分のは、二分半で食うとな、美味いんだよ。生めんタイプもいいけど、たまに食うとこの油揚げ麺のくどさもいいんだよな」
「たまに濃厚なプレイの方がいいってことですね…!」
「お前の分も今すぐ作って来い」
「はぁい!ど・う・ぞ!」
「あー…美味ぇ。うん。こういう平和な生活が送りたいだけなんだよな…」
「イルカせんせ…疲れてるんですね…!今すぐお風呂で全身全霊で癒し…!」
「ふぅ…美味かった。な。…俺はもう寝る。触るな」
「えっと…イルカせんせ…?」
「寝るんだ。寝るったら寝る。邪魔すんなもうイヤだ」
「泣かないでください…!」
「うー…さわんなっていってんだろうがあ!」
「大丈夫。大丈夫ですよ…今日はゆっくり寝ましょうね…?」
「股間!そんなにおっ勃ててるくせに!畜生!俺に平和を返せ!」
「も、もしかして…イルカせんせ吐き気とかは…!?」
「うるせぇそんなもんさらけ出されても馴れ切ってもう吐き気もしなくなった…ってうぅぅぅう…!」
「寝ましょう寝ましょう!検査とかはまた今度…!ま、まだなんにもしてないんだけどなぁ…!奇跡が…!」
「寝る」
「はぁい!温度も湿度も寝心地も完璧に整えて…!ずっとずっと側にいますからね…!」
「…まけねぇ、けど…ちょっとだけ、今日だけ…」
「寝ちゃった…!もうもうかわいいっていうかかっこいいって言うかかけたいけど…!うふふふふふふ…!くっついてきてくれたしぃ…!し・あ・わ・せ…!」


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変態さん。
最終的に甘えてしまった相手が宿敵であることすら考えられないほど追い詰められている師走の中忍教師だったという…。
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