ティッシュ

「ふぇっくしゅ!」
「何だ?風邪か?」
「あー…なんかさ。最近朝寒くってさ。で、目が覚めると窓が開いてるんだよなー?」
「それ、修理に出した方がいいんじゃないか?」
「それがさ、よく見てみてもどっこも壊れてなさそうなんだよなー?」
「分かりにくいところが壊れてるとかかもしれないだろ?」
「…アカデミーに行ってる間に閉めておいても勝手に開いたりしないんだ」
「うーん?なんだろうな?お前んちに盗るようなものないし、腐っても中忍だしなぁ?」
「腐ってもは余計だ!…たださ、なんかこう…夜中は…妙に包み込まれるような温かさが…」
「…のらねこでも上がりこんでるとか?」
「だ、だよなー?…なんかさ、怖くて目が開けられなかったんだけどさ」
「な、なんだよそれ!?」
「…実は、声が。…掠れてて語尾が聞こえなかったんだけどさ。イルカって…」
「うぎゃあああ!怖いコト言うなよ!お祓い行け!連れてきてないだろうな!?」
「いや、大丈夫だと思う。…っていうか…何かその声に聞き覚えが…」
「何!?…あ、そっか。もしかして…!」
「誰のかまでは思い出せないんだけどさ。俺としては、もしかして守護霊的なモノじゃないかって!例えば顔も知らないけど、ひいじいちゃんとかさ!見守られてるっていうか…!」
「…どっちかっていうと、背後霊だけどな…」
「そういうわけだ!俺のくしゃみもきっと見守ってくださる!夜中の怪しいのなんかきっとあっさりさくっとポイだ!そうじゃないと怖いからな!それ以上は考えない!」
「…そうだなぁ…むしろお前の貞操が…」
「人生に張りがでた今!俺はくしゃみごときでは動じないぞ!」
「…まあ、そうだな。悩んでもどうしようもないもんな。あの人相手じゃ」
「しかも!何故か箱ティッシュが俺んちに沢山寄付されたから鼻水がいくらでようとも問題なし!」
「またか!分かりにくいプレゼントしやがって…!あのもじもじ上忍!」
「ローションティッシュって初めて使ったけど、使い心地最高だぞ!」
「…別の用途に使われないようにしろよ?」
「え?なんだよ!勿論俺だって、もったいないから普段筆拭いたりするのはもっとやっすい特売の…」
「イ、イルカ先生…!」
「お疲れ様です!カカシ先生!…って、あれ?風邪ですか?何か声がかすれて…」
「は、はい!あの!…ちょ、ちょっと最近ウォッチングしすぎて…見つめていると時間が早く過ぎちゃいますね…!思わず目覚める寸前まで…!」
「ようし!お困りのカカシ先生のために!俺持参の貴重なローションティッシュを進呈しましょう!」
「…元々その人のだけどな…」
「へ?なんか言ったか?」
「なんでもねぇよ…」
「あ、ありがとうございます!で、でもこれ…使いかけ…!イルカ先生が困っちゃうのは…!」
「ははは!大丈夫ですって!ささ、どうぞ!」
「…きゃ!」
「へ?ああ、すみません。ちょっと手があたっちゃ…いない?」
「ほっとけ。仕事しろ。…お前も大概…」
「なんだろうなぁ?くしゃみに気を遣ったのか?随分奥ゆかしいひとなぁ!」
「…噛みあわねぇよなぁ…」


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もじもじ乙女上忍をうっかりシリーズ化してみる?
触れちゃった手を洗えずにうるうるしてみたり、使用済みティッシュの山に興奮してみたりと大忙し!
おばかさんな中忍は全く気付かないという…!
ではではー!ご意見ご感想など、お気軽にどうぞー!

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