お茶の時間となりまして(適当)


「イルカせんせ」
「はい。なんでしょう六代目」
「疲れてない?」
「大丈夫ですよ。こちらの書類を確認していただいて決裁をお願いします」
「お茶飲む?」
「まだあるので大丈夫です。あ、おかわり淹れましょうか?」
「え!あ、でも。いいの?」
「ああ冷めちゃってますね。玉露と、コーヒーと紅茶もありますよ?」
「イルカ先生はなにが好き?」
「へ?ああ俺…いえ、私は飲めればなんでも」
「一緒に飲んでくれる?」
「はぁ。かまいませんが」
「じゃ、おねがい」
「えーっと。では玉露で」
「うん」
「お湯が冷めるまでちょっとお時間いただきますね」
「ん。ありがと。もっとゆっくりしていいんだからね?」
「…六代目。俺…いえ、私は側仕えを拝命しております。気を遣わなくて大丈夫ですから」
「…うん」
「折角事務処理能力を買っていただけたんですから、やり遂げさせてください」
「あ、うん」
「むしろ六代目こそもうちょっとちゃんと休みが取れるように調整がんばりますね!」
「…ありがと。イルカせんせ」
「はは!もう先生でもないんですが…まあ、その。嬉しいです」
「…うん」
「そろそろいいかな…?茶を淹れる腕はともかくとして、茶っぱはいいんで。美味いお茶飲んで、がんばりましょうね」
「…うん!」
*****
「なぁ。いつになったら告白すると思う?」
「だよなー。今日こそ決めるって先輩言ってたよな?護衛も離れてろとかなー」
「そうだよね。先輩があの人とさっさとくっついてくれないと、八つ当たりが迷惑だし、見合い攻勢かわすのにわけの分からない任務でっち上げてくるし僕にまでとばっちりがくるんだよね」
「テンゾウ!久しぶりだな!」
「お前も面倒な任務につきっぱなしだもんな…。先輩もさっさと玉砕しちまえばいいのに。いくらだっていい女が…」
「はは!まあ天職だと思ってますよ。あの先生さんほどじゃないですが」
「そうか…がんばれよ?交代要員ならいつでも引き受けるからな…?」
「またくるみ持ってけよ!」
「はい。…あーあ。それにしてもどっちでもいいから早く告白すればいいのに」
「は?」
「どっちでも?」
「え?ほら、いいところ見せたくて必死な中忍先生の方が、思い切りよさそうじゃないですか。うだうだ悩んじゃう先輩より」
「え?おいまさか」
「あの人が?」
「え?両思いですよね。どう見たって。あの先生さんの性格からして使命に燃えすぎてるのと、幸せになるのを見届けたいとか考えてそうじゃないですか」
「そう、か?」
「おい、火影の嫁が男ってわけには…!?」
「先輩を幸せにしてくれるのって、あの人だけだと思いますよ」
「…そうか…お前が言うならそうなのかもな」
「そうだな…あの中忍が来てから仕事の能率も上がったもんな。妙に色っぽいため息もだが」
「それにほら、子どもならどうとでも」
「あ、ああまあなあ。弟子がぽんぽん子ども作ってくれそうだもんな」
「あの九尾の人柱力がなぁ」
「あーそうじゃなくて。たしか危なそうな術を…あ。先輩が動いた」
「え!」
「なんだと!」
*****
「イルカせんせ。そ、その、あのね?」
「晩飯は秋刀魚でも焼きましょうか。どうせここに泊まりですよね」
「あ、うん。え!秋刀魚って!」
「六代目のお口に合うかわかりませんが用意しときましたから」
「…イルカせんせも一緒に食べてくれるの?」
「あ、はい。…その、一人で飯食うのって味気ないですもんね」
「うん!ぜひそうして!」
「あとは、俺も仮眠室かどこか借りて泊まろうと思うんです。ここの先代様の溜め込んだ書類を片付けないことにはどうにもならないですし」
「そうね!じゃ、一緒に泊まってよ」
「ほ、火影さまの私室に俺なんかが…!」
「三代目のときはよく一緒にいたじゃない。…だめ?」
「うっ!…畜生その顔は卑怯だろ…!」
「え?」
「…泊まり、ます。その、寝ぼけて妙な真似したらすみません」
「あ、それは俺もね?」
「…据え膳…か…もってくれよ俺の理性…!」
「ん?どうしたの?」
「な、なんでもありません!さ、あとちょっとがんばりましょう!」
「うん。楽しみにしてるね?」
*****
「決着、付きそうだな」
「どっちがどっちなんだ。意外と狼っぽいぞあの中忍」
「幸せならどっちでもいいと思いますけど。…あの先輩が易々と上を譲るとは思えませんね」
「まあそうだな」
「そりゃそうか」
「こじらせてますからね。妄想がそりゃもうすごかったですし。むしろ明日あの書類を何とかする人員を確保した方がいいと思いますよ?」
「そ、そうだな!」
「いくぞ!」
「…平和って、いいよね。僕もたまにはゆっくりするかな」



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適当。
秋。お茶がおいしい季節。
中忍が俺って言ってよ。もっと一杯話して?とか言いながらテンション上がりすぎた六代目にぺろっと食べられちゃえばいいよ!

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