倒れた上忍師の代わりにとやって来た人は、一緒に仲間に加わったセクハラ発言連発のへそだしでしかも異常に白いっていう怪しさ100%のヤツとは正反対の常識人に見えた。 本当にカカシ先生の後輩なの?って疑問に思うくらい気遣いが細かいし、作戦も緻密で、時々さらっと脅かしてはくるけど、なんだかんだと私たちを守ってくれた。 時々男の癖にみみっちいこというのはウザイと思わなくもなかったけど、凄く強いくせにいつでも成人指定の本を手放さなくて、しかもそれをネタにしたトラップを仕掛けた私たちに負けちゃうようなカカシ先生に比べたらずっとまともなんじゃないかしら? カカシ先生に乗せられて情けなーい声で泣き言言ってため息ついてるときはちょっと心配になったけどね。 でも最近その隊長がおかしいのよね。 挙動不審って言うか、赤くなったり青くなったり突然唸りだしたり。 しかもなんだかくらーい顔してぶつぶつ言ってて、もしかすると心の病なんじゃないかって心配になっちゃうくらいおかしいの。 相手はいい年した大人なんだし、もっと言うなら上司だし、経歴だって凄いらしいし。 だから放っておいても大丈夫なんだろうとは思ったんだけど、どんどん様子がおかしくなるのをみてたら、そっちの方がめんどくさく感じるようになっちゃった。 だから、今日集合場所に現れたヤマト隊長に、なんでもない振りして聴いてみることにした。 「あの。最近どうしちゃったんですか?具合が悪いようなら私が診察…」 「え!いいいいいいや!そんな!大丈夫だよ!なんでもないんだ!なんでも!」 この人、ホントに誤魔化す気、あるのかしら? 挙動不審にも程がある態度に、絶対に何か裏があるんだってことは確信した。 真面目でふざけた所がなくて、いつでも理性的に任務をこなしてる。…カカシ先生とは違った意味で隙がない人だと思ってたけど、こんな風にあからさまに動揺されちゃったら、何があったか気になるじゃない! 「私たちじゃ、駄目なんですね…。確かに仲間になって日が浅いですけど、心配位させて欲しかったな…」 そのセリフにヤマト隊長は完全に動きを止めた。 あわあわと手を振り回しながら「…サクラなら知ってるか…?」「でもまさか先輩とあの中忍がなんて…!」「そんなつもりはないんだ!ちょっと忙しかっただけで!」なんて必死になって言い訳してくれている。 悲しそうな顔をキープしつつ、そっとうつむくのがポイントよね? 伊達にくノ一やってんじゃないのよ。 「じゃあ、なんでもないっていうなら、ちゃんと最近の体調を教えてください!」 最後の一押しは医療忍術を扱うものとしての意地でもあった。 だって、患者がいるのに治療できないなんてそんなのいやだもん。 「うっ!そ、その…!ちょっと先輩と、あの、うみの中忍っていうのは…でも子供には…!?」 「ああ、必要ありませんよ」 「サイ!」 そういえばこの子もおかしかったのよね。最近。 ヤマト隊長の事じーっとみてて。 「サクラ。心当たりあるんだ。隊長、行きましょうね?」 「え?あ、うん」 へー?気を遣えるんじゃない!ちょっと驚いたけど…まあなんにもできなかったときと違って最近表情も偽者臭さがなくなってたし、たいした進歩よね。私じゃ言いにくいことでも、同じような環境にいたこの子にはいえるかもしれないし。 「じゃあサイ!よろしくねー!」 「ええ。もちろん」 …でもこの笑顔はなんだか裏がありそうよね。 そう思ったけど隊長が随分ほっとした顔してたから、放っておくことにしたんだけど。 翌日、やたら腰を庇う上にさらに挙動不審になってたのはどうしてなのかしら。 とりあえず恩師のバカップルには挙動不審な隊長が心配なんだけどって報告しといたけど、早く落ち着くといいな。 サイは妙に上機嫌だったけどなにがあったのかなぁ。 「サクラ。ありがとう」 なんて塩らしく言われちゃうと調子狂っちゃうわよね? ********************************************************************************* いちゃいちゃ上忍中忍を目撃した結果動揺しすぎて自分も食われた隊長の話。 いちゃらぶ? ではではー!ご意見ご感想等御気軽にどうぞ! |