やわらかくない。どっちかっていうと硬い。むっちりはしてるけど、それは鍛え上げられた筋肉の生み出す弾力で、柔らかく包んでくれる女の肌とはまるで別物だ。 「硬いねぇ」 むっとした顔で睨みつけてくる。 そういうとこ、嗜虐心そそるよね。きづいちゃいないんだろうけど。 「いきなり人の尻もんどいていいたいことはそれだけか…!」 ぶわっと膨れ上がる殺気に、正確に頚動脈を狙って突きつけられるクナイ。 ああぞくぞくする。なんてまっすぐで鋭くて。 「物騒でステキ」 耳を甘噛みしながら囁いて、クナイを投げ捨てる。 こういうのも悪くないけど、やっぱりいちゃいちゃできるのが一番だし? 「くっ!アンタは!アホか!」 真っ赤になって腰砕けになる所がかわいい。 ほーんとあんなことやこんなことまでなんでもしちゃったのに、未だに物慣れないのがたまらなくそそる。 「どうですかねぇ?」 アホだの馬鹿だの散々な言われようだが腹は立たない。 自分がおかしくなってる自覚があるからだ。 この人を見ていると、我慢なんてものが馬鹿らしくなる。 押し倒して突っ込んで喘がせて縋らせて、終わってから無意識にペッ足りくっついてくるのを楽しんで、それから起きてから忘れろだのあんな声俺のじゃないだの嘆いて喚くのをまた押し倒して…なんて、最高でしょ? そもそも最初からして褒められたもんじゃない。いくらゲスと呼ばれても誰もが納得するような始まり方だ。今更何を言われようが気にもならない。 「…ま、まあいいです。まだ掛かりますからあんた先に帰りなさい!」 怯えてた時の顔はかわいかったのになぁ。 最近よくこうやっていかにも先生って口調でいうからちょっとおもしろくない。 もっと、怯えて縋ってくれないかな。あのときみたいに。 怪我しておちてたこの人を拾って、応急処置だけして強引に自分のモノにしたときみたいに。 だって落ちてたんだし、一目見て欲しくなったんだし、だったら我慢なんて馬鹿らしいでしょ? 「ふぅん」 かわいくない人は、かわいくしてしまおうかな。 泣いて縋ってくる人を散々に抱いて、俺のモノだと教え込んだときみたいに。 でもなんでかなぁ。この人ちっとも俺の言うこと聞いてくれないんだよね。 怒るし怒鳴るし、辛いなら言えとか、怪我したら言えとか、そんなのどうでもいいのに。 ま、いきなり耳かきしてくれたり頭撫でられるのは気に入ってるけど。 不穏な気配を察したのか、イルカがものすごく綺麗な笑顔で笑った。 …こういう時は絶対に油断できない。 「…家で待ってないと…もうなでてあげませんよ!」 「えー?」 うーん。まあ暗示とかでどうとでもできるんだけど、それは嫌だし、言ってやったみたいな顔してるのがかわいいし、まあいいかって気がしてきた。 「ほら、帰って待っててくださいよ。たまには俺だっておかえりなさいって言って欲しいし」 にこーっと笑うから、うん。そうね。そんなことで喜ぶなんて変わってると思うけど、まあいいか。 「…じゃ、帰ったら覚えてなさいね」 ここじゃなくても家でたっぷり色々すればイイだけの話だ。 道具も色々そろってるし。 「ちょっなにを!ああくそ!」 ぎゃあぎゃあ喚くのを尻目にさっさと家に急いだ。 …小声で”ちょろい”なんていってたのをあとできっちり問い詰めてやろうと決めて。 ******************************************************************************** 適当。 ご意見ご感想お気軽にどうぞ。 |