春の病20(適当)


これの続き。

「はぁ…とりあえずこれでいいかな?吹きっさらしよりましだよね?」
「もがーもがー!?」
「すみません…!でもあの!僕に捕まってた方が先輩の側にいるよりは安全だと思うんです…!」
「な、なにするんだ!?…え!?子供…!?」
「あ、はじめまして。名前はお教えできませんが、僕は…」
「その格好。あいつの、部下か…」
「はい…」
「俺を、どうする気だ」
「急ごしらえで申し訳ないんですが一応雨露は凌げますから、ここで待機していて下さい」
「これは…こんな建物なかったはずだ!?幻術でもない…!?」
「その辺は…まあ機密ってことで。火も焚いたし、しばらくすれば温まりますよ。暴れないでくれるんなら布団も」
「…お前は?どうする気だ」
「…先輩に近づくなと命令されています。追って指示があるまで僕は待機です」
「お前、飯は?食ったのか?」
「ああ、まだですけど、兵糧丸も非常食もありますから」
「…あの野郎…!」
「わー!?駄目ですって!あんなに面と向かって行ったら危ないですよ!?先輩はイルカさんに関しては見境ないんですから!」
「この変な術を解け!…こんな子供に飯も食わさない奴が許せるか!」
「子供?」
「お前のことだよ!」
「あの、僕これでも暗部ですから」
「だからって…!」
「先輩だって任務なら3日3晩飲まず食わずで動けます。僕より小さいころから暗部ですし。大丈夫ですから」
「そういう問題じゃない。子供は黙ってろ!あのくそガキを今から…!」
「うーるさいね。…テンゾウ。口も塞いじゃえばよかったのに」
「ひっ!?」
「先輩…そうやってむやみやたらに脅さなくても…!」
「だってイルカが先生なんて呼ぶし楽しそうだしむかつく」
「…このくそガキ…!大体この子はどうする気なんだ!?」
「あ、そーだ。テンゾウ。はい」
「え?あ、ありがとうございます!あ、握り飯」
「おかずはこっち。分けてもらっといたから、しっかり食べなさいよ。お前チビなんだから。こっちはお茶ね」
「うっ!それはその…!」
「どうせまた木の実ばっかり食ってんでしょ?」
「えっと、その…!」
「いざって時に使えない奴は俺の隊にいらない。ちゃんと食いなさいね」
「は、はい!」
「お前がいうな!この変態!うちの部下に手ぇ出したら…!」
「ああ、そういえばあんたもいたっけ。こりないねぇ…?」
「ひ…っ!?」
「せ、先輩!ほら、あんまりここで騒ぐとイルカさんたちが気づくかもしれませんよ?」
「ちっ!結界くらい張っときなさいよ!」
「すみません。…でも、この人はここで休んでもらうとして、イルカさんは?先輩を待ってるんじゃ…?」
「そうなの!お風呂は一緒に入ったんだけど、イルカって長風呂じゃない?もっと一緒にいたかったのにのぼせるだろって、追い出されちゃった…」
「なら先にお布団に入ってた方がいいんじゃ…。ひえひえの布団で寝るよりあったかいですよね?」
「そういえばそっか。あ、記憶操作は明日ね?」
「な!?」
「…ま、報告されたって連れて逃げるだけだから変わらないけど」
「先輩!」
「はいはい。じゃ、そいつお願い」
「はい!」
「同じ布団って…何する気だ!?」
「なんにもしないよ。まだ。ね?抱きしめてちゅー位はするかもだけど」
「まだって…十分してるじゃないか!?」
「…先輩」
「あ、ホントだ。もう風呂出たみたい!じゃ!」
「ふぅ…」
「おい!」
「…無駄ですよ。先輩を止めたいなら、暗部総出で掛かるくらいじゃないと」
「イルカがかわいそうだと思わないのか!」
「…大丈夫。あの人は強いですから」
「強いって…下忍だぞ!?」
「違いますよ。その強さじゃない。まっすぐで、自分を曲げない。先輩もそこに惹かれたんでしょうけど」
「確かにあいつは頑固で無鉄砲なとこもあるけどいい子だ。だからって暗部のおもちゃにされるのを黙ってみてろってのか!?」
「おもちゃになんかしませんよ!できないっていうか、イルカさんのこと、とても大切にしてるんです。不器用でなんていうか…あさってな方法なのがこまっちゃうんですけど」
「…お前、苦労してるんだな」
「え?そうですか?でも先輩は強いし仲間思いだし。まあすっごくわがままですけど」
「…お前もイルカと同類か…。ま、まあいい。とにかくこれほどいてくれ」
「結界張ったのでもう出られませんよ?」
「そうじゃない。逃げられないのはわかってるさ。お前の方が強いんだろうってこともな」
「はぁ。まあ僕も暗部ですし。先輩にはかないませんけど」
「とにかく飯を食え」
「…一応逃げようとしたら危ないって警告だけさせてもらいます。解!」
「…っと。ふぅ」
「あなたは?」
「俺はもう食べた。…あのくそガキに幻術食らう前にな」
「えーっと。その、お疲れ様です」
「いいから、食え」
「あ、はい!では頂きます」
「…ちゃんと食えよ」
「はい。あ、おいしいなぁこれ!」
「…あのくそガキにせめて一言だけでも…!」
「先輩がイルカさんをあきらめるっていうのは絶対に無理だと思うんですが。こういうのもう何度目だかわかんないしなぁ…」
「なん、だと…!?」
「まあ、明日には忘れちゃいますから大丈夫ですよ?」
「くそっ!お前もか!?」
「…眠ってください。明日まで」
「うっ…くそ…!」
「…毎回あなたが飯を食えって言ってくれるおかげで、おいしい食事ができるようになりましたけどね…」


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適当。
お外でめそめそテンゾウたん編。
ではではー!なにかご意見ご感想等ございますれば御気軽にお知らせくださいませ!

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