真夜中の星空(適当)

「なにやってんの?」
「へ?」
今は夜も夜中の真夜中だ。
しかもここは演習場。
自分以外に誰もいないと思っていただけに、唐突に声をかけられて正直死ぬほど驚いた。
何でいるんだと叫ぶことができたなら少しはすっきりしたかもしれないが、こんな時間にこんな所をうろついている相手に早々うかつなまねもできない。
…いや、全然気配に気付かなくて、背後から声かけられたときに飛び上がって驚いた時点でもうだめかもしれないんだけど。
警戒しながらそーっと背後を振り返ると、うさんくささ満点の男が立っていた。
覆面だし額宛ずれてるし、そのせいで片目も隠れてて、顔が出てるところなんて殆どない。
それでいて、その頭は…なんでこんな派手な色なんだろこの人。忍びたいです!って格好してるくせに、銀色できらきらぴかぴかした髪の色をしてて、しかもなんでかしらないけど逆立っている。
周りを威嚇してる猫みたいだ。
…まあ本人はいたってのんびりした声で話しかけてきたんだけどな。
って、そうだよ。なんでわざわざ声かけてくるんだ。
パッと見ても、巡回の忍には見えないし、気配に気付けなかったんだから多分上忍だ。
木の葉の忍服着てるんだし、何も悪いことなんてしてないんだからそっとしておいてくれればいいのに。
「ね、だからなにやってんの?」
男は興味津々とばかりにもう一度聞いてきた。
ここはどうやら諦めるしかなさそうだ。
「アカデミー教師なんです。ここの使用申請もとってあります」
「へー?で?」
本当に全部ちゃんと聞くまで退かない気だなこの人。
…まあ別に話してもいいんだけど、なんとなく人がゆっくりしてたのを邪魔された気がして、わざと説明しなかった自分も悪いか。
「星の見方を教えるんですよ。冬と夏にもやってるんですけどね」
星が見える演習場の中でも、子どもたちが並んで星を確認できて、尚且つ里に近いところといえばここなんだよな。
ただ寒いし、色々対策も必要だし、低学年の生徒がきても危ないものがないか確認しなきゃいけないから、こうして毎年誰かが持ち回りで見に来ることになっている。
「ふぅん?」
で、なんで近づいて来るんだこいつ。
…逃げた方がいいんだろうか?侵入者にしちゃ単独だし、一応木の葉の忍服きてるけど。
「あ、あの?」
「隣、座ってもいーい?」
「へ?」
「だめ?」
「え、あ、いえ」
「じゃ、失礼して」
なんだか知らないが男に強引に隣に座らせられてしまった。
しかも、何か近い。なんでこんな近くに座るんだろうこの人。
「あのー…どうしてここに?」
「んー?ふふ。秘密。ね。もっとくっついたら?寒いでしょ?」
どこからか取り出した毛布まであって、一緒に包まれてしまうと眠気まで襲ってきそうだ。
確かにくっつけば温かいのは分かるが、変な人だ。
「温かいですが…その…」
「星、きれいだねぇ?」
男が邪魔そうな口布を下げて、酷く嬉しそうに笑った。
キレイな顔してんなぁ。この人。変な人だけど。
「そうですね」
温かいし眠いし、この人が本気になったら俺なんか多分瞬殺だ。今更警戒するのも馬鹿らしくなってきた。
そもそも明日休みだからって、演習場の確認が終わってからも星を見ながら、母ちゃんたちと見た星もこんなだったなぁなんて感傷に浸ってただけだし。
「寝ちゃう?」
「ん、はい…」
「ふふ…おやすみ」
まあ、いいや。おきてから考えよう。
変な人だけど悪い人じゃなさそうだ。
久々他人の体温誘い込まれるように眠りに落ちていく最中、小声で男が何かを呟いた気がした。
「好きな人と星を見るなんて、ロマンティックだよねぇ?」


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適当。
要するにストーカーって言う(*´∀`)
…あー。にくくいたい。
ではではー!ご意見ご感想等御気軽にどうぞ!

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