銭湯(いじめっ子)

「ちょっと本気?」
「黙って着いてこいって!」
「…なんでわざわざ?」
「罰ゲームなんて言い出したのそっちが先だろうが!」
「だからって、ここのどこが?」
「ここのコーヒー牛乳は最高だし、この時間なら誰もいないんだ」
「銭湯…家風呂じゃ駄目なわけ?」
「それじゃ罰ゲームにならないだろ?…負けたの、そっちだぞ!」
「…ま、いいけど。あんなの賭けにもならないし。ご奉仕ならしてもいいけど、ここじゃ何もできないでしょ?」
「ばっ!?なんだそれ!そういうんじゃなくて…!」
「そんなに広い風呂がいいなら、改築してもいいけど?風呂でなら色々ヤれるしねぇ?」
「うちの風呂も広いけど、こういう所はまた違った良さがあるんだ!」
「ほんっと下らないこと好きだね。風呂なんて洗えればいいじゃない?イイコトもできないのに。それとも誰かに見せ付けたいの?可愛いアンタの顔も声も見せたくないから却下」
「うるせぇ!いいから!入るぞ!」
「はいはい」
「返事は一回だ!」
*****
「ちょっと!誰もこないとか言って、いるじゃない!人!」
「番台に人がいないわけないだろうが!」
「あらイルカ先生!いらっしゃい!こちらは?お友達?」
「まあそんなもんで…」
「アンタ何?馴れ馴れしい。俺のイルカに…」
「わー!?ナに言い出してんだ!?」
「…あらまあ。イルカちゃんの恋人?」
「おばちゃん…俺はもうイルカちゃんって年じゃ…!」
「…なによ…!その呼び方!」
「まあまあ!そうねぇ!心配してたのよ!お見合い世話しようかなんて話してたけど、きれいな人見つけたのねぇ!」
「ちょっと…今の…!」
「あ、ああまあその。そういう訳なんで、見合いは…」
「貸しきりなんていうから何かあったのかと思っちゃったわぁ!うふふ!」
「このばあさん何様!?」
「ばあさんって!失礼だろ!それに殺気だつな!」
「そうねぇ。普段は混浴は駄目だけど、イルカちゃんだしねぇ!ゆっくり浸かっておいき!」
「…は?」
「あー…まあいいや。じゃ、ここにお金おいとくから!後で牛乳も!」
「はいはい。じゃあ、ゆっくりねぇ!」
「…あのばあさん大丈夫なの?ボケてる?」
「ボケてない!失礼なこというな!…ただちょっと目が悪いんだ。元忍で気配は読めるから泥棒なんかできないけどな」
「…一応聞くけど、アンタ、女だと思われてるの?」
「あー…俺は昔っからここ知ってるし世話になってるから、多分…」
「冗談でしょ!どこみたら俺が女に見えるのよ!」
「いいから、入るぞ!」
「ちょっと!話してる最中じゃない!」
「…その言葉遣いもあるだろうけど…。そんなのより、負けは負けだって言っただろ!」
「くっ…!アンタが賭けるかなんて言い出したんじゃない!」
「乗ったんだからそっちも同罪だろ!」
「三代目のくせになんであんな真面目な本とりよせてんのよもう!」
「三代目もエロ本好きだけどアンタほどじゃないんだよ!人のことエロ本の運び屋みたいな言い方したからじゃないか!」
「アンタが休みなのに余計な仕事してるからじゃない!」
「…っ!だから、風呂連れてきたんだろ!ここ、一応…」
「貸し切ったってことね。…かわいいけど、ここじゃなんにもできないじゃない!」
「そのためにここにしたんだろ!…風呂だ!あとでコーヒー牛乳もな!」
「…折角キレイにしてもどうせ帰ったらぐちゃぐちゃになるのにね」
「不穏なこと言うな!いいからほら!背中流してやるから!」
「まあまあ!イルカちゃんの恋人も元気でいいわねぇ!」
「く…っ!」
「あはは!いいからほら、温まるぞ!」
「もう!なんなのよ!…こうなったら後で…!」


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後でえらいコトになったとかならないとか…!
ではではー!ご意見、ご感想などお気軽にどうぞー!


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