「サクモさんちの子ね?」 知らないヤツを連れて帰ったから、ちゃんと説明するつもりだったのに、母ちゃんはすぐにコイツのことがわかったみたいだった。 「あの人も、色々困った人だったから…」 そうため息を付きながら、俺と、それからカカシをなでてくれた。 へへ!買い物ちゃんとできたもんな!まあそれは俺ががんばったってだけで、コイツがいたお陰って訳じゃないけど! …まあでも、いっしょにいたんだし、いっしょになでられるくらいは許してやろう。 いっつもおまけしてくれるおっちゃんも、コイツ連れてってるってだけで、えらいぞっておまけ増やしてくれたし! なんかずっとはなれないんだもんなー?変なヤツ。おかげで商店街のおばちゃんたちにも、質問攻めにされた。なんかついてくるって行ったら偉いわねーって言われてチョコとかもらえたからまあいいか。 もしかして、商店街に行ったことなかったんだろうか? おばちゃんたちもおっちゃんも知らないって言ってたのに、それがすぐに分かるなんてさすが母ちゃんだ! にしても、手をつながれっぱなしなのが困る。 これからおやつだし、母ちゃんのおやつは絶品だし、貰ってきたチョコとかはちゃんとひじょうようにとっておかないとだし! なんかずっとにこにこしてるんだよなー。顔半分隠してるけど。うーん?おやつの取り分が減るのは辛いけど、コイツをちゃんと紹介したら友達ってことになるし、コイツすっげぇ寂しがりやみたいだからしょうがないと思ってたんだけど。 なんでだろ。何でかわかんないけど落ち着かない…。 「お邪魔します。ああ、それと、ご相談したいことが」 なんか難しいこと言ってる。…やっぱり、なんか違う。周りにいる奴とは空気が違うと思ってたけど、やっぱりコイツ変だ。 「どうしましょう?うちの子がそんなに欲しいの?」 …ってなんか母ちゃんまで変な事言い出したぞ?さっきからなんでそうなんのか全然わかんないんだけど。俺。 「母ちゃん。コイツさ、ついて来たんだ。そんでなんかおいていこうとすると泣きそうな顔するから連れてきた。どうしたらいい?」 訳がわからなくなったときは、きちんと…えっと、じゅんじょだてて、せつめいしなさいって言われてるから、これできっと大丈夫のはず。 わかんないことがあったら聞いて、次からきちんとわかるようにしろって、父ちゃんもいってるもんな。 「…うみの上忍ですね」 あ、なんかやな笑い方だ。冷たくて、怒ってるとかじゃないのに静かすぎて…だって、だってなんか恐い。 母ちゃんに助けを求めたら、またなでてくれたから、ちょっとだけ落ち着いてきたけど、やっぱりコイツ変だ。 「ええ。そんなに緊張しなくても大丈夫。でも、イルカ次第よ?」 あ。父ちゃんがこれ見るたびにぽーってなってるやつだ。母ちゃん美人だもんなー。まあうん。実は良くわかんないけど、母ちゃんがこういう顔したらみんな真っ赤になったりする。 「ありがとうございます」 変なの変なの変なの!お礼ってなんでだよ!…なんだよ。仲間はずれかよ。うー…! 「母ちゃん。お買い物しまってくる。そしたら手洗う!」 「ありがとう。おねがいね?今日のおやつはチョコケーキよ」 「やった!ありがとう!母ちゃん!」 しきりに困った困ったという割には楽しそうな母ちゃんを置いて、台所に走った。 頭の中は今日のおやつのことで一杯で、見つめあう母ちゃんと、それからついてきたアイツのことなんて、すぐに忘れてしまった。 ******************************************************************************** 適当。 ご意見ご感想お気軽にどうぞ。 |