「どうしたの?そんなに嬉しそうに…。それ、そんなに美味しいの?」 「え!ああ、今商店街でバレンタインフェアやってるんだ!普段わざわざチョコなんか買わないけど、美味いよなぁ!」 「そんなの貰って嬉しいの?」 「うるせー!どーせ俺はモテないけどな!チョコレートはうまいからいいんだ!」 「ふーん?」 「顔がいいやつはコレだから…!お前にはやらないからな!」 「チョコ、ねぇ…?」 「…変なヤツ。」 ***** 「ただいま…ってなんだこれ!?山盛りの…全部チョコか!?」 「あ、お帰りー。」 「おい!お前がやったのかよ!」 「ま、ね。バレンタインデーだから。」 「なんだそれ!?」 「チョコ、欲しいんでしょ?」 「そりゃ、今日全然チョコもらえないっていうのもイヤだけど…。だからってこんなに大量にしかもお前絶対 意味分かってないだろ!」 「えー?分かってると思うけど?」 「ホントか…?」 「愛でしょ?」 「愛!?あ、いや、その…だから、こういうのは普通女の子から…」 「欲しいと思った相手にチョコを差し出すんでしょ?」 「へ?」 「で、受け取ってくれたら、チョコのかわりに相手を自分のものにできるっていう…」 「どこで仕入れてきた!そんな曲がった情報!人身売買か!?いやチョコだから物々交換?…って人だから!」 「くのいちたちがそんなコトはなしてたよ?」 「お前…可哀相なヤツだな…。」 「ホラこれ、食べてみない?美味しいよ?」 「…うぅっ!ブランドのモノか…ウマそう…!でもこれ受け取ったら…」 「ほーら。こっちのも美味しそうでしょ?」 「いや…だから…!」 「こっちなんかも。ね?」 「くっ!…ふつーに義理チョコとして受け取っておく!」 「はい。どーぞ。」 「んむっ!…美味い…!何だこれほんとにチョコか!?」 「そうねぇ…板チョコじゃないし。それなりに味は違うんじゃないの?」 「わー!こっちのカリカリしてるのも美味い…!」 「好きなだけどーぞー。」 「こっちのも…!」 ***** 「ふぃー!食った食った!しばらくチョコはいいな!」 「じゃ、俺の分受け取ろうっと。」 「…うっ!義理チョコだからな!俺も明日どっかいって買ってくる!」 「チョコくれるの?でも今日じゃないと駄目でしょ?」 「うぅっ!お前、甘いの苦手だったよな?チョコじゃなくてせんべいなら…」 「ってことで、イルカ貰うねー。」 「おわっ!?待て!コラ!下ろせ!」 「上げたチョコ分ってことで、明日はお休みしてもらうから。」 「何でだー!ふざけ…あ…っ!」 「…効いてきたみたいだし。」 「まさかお前また!?」 「バレンタインデーは戦いなんだって。ま、俺強いし?」 「やぁ…っ!んっ!馬鹿、やろう…っ!」 「いーい日だよねぇ…。」 「覚えてろっ…!」 ********************************************************************************* 暗部のクノイチは恐ろしいという話。…なのか…? チョコレートは美味いってことで! さらにどんどんまだまだバレンタイン的な何か増量中! |