真っ赤なリボン(ヤンカカモノ)



ヤンカカモノ注意ー!どっちもいつも通り病んでます。続き物じゃないってばよー!



「誕生日だから…いいよね!」

そういって嬉々として真っ赤なリボンを取り出す辺り、大概この男はイかれている。

…まあ、おかしくもなるだろう。なにせ境遇が境遇だ。
幼少期からこれでもかってくらい不幸な目に合ってきたっていうのは知ってる。それに一人で耐えて耐えて…耐え続けてきたってことも。
俺ならきっともっと、早い段階で折れていただろう。

…だから俺は、この男が根本のところで壊れてるって知りながら、受け入れてしまった。

「イルカ先生が欲しいんです」

そういって縋るように俺を見る男があまりにも哀れだったから。
…その中にかつての自分を見つけてしまったから。

必死になって、大切なものを守るために己の命さえかけさえするのに…この男はそれでも失い続けて…今でもこぼれていく何かを見せ付けられ続けている。
苦痛の時間は終わらない。それでもこの男は死への誘惑を押さえ込み、狂うことで生きつづけている。

そんな男が欲しがった物一つくらい、与えてやってもいいだろう?
例えソレが…俺であっても。

狂った男が願った物が、俺の様に何もかもを諦めた男だったっていうのは、笑い話にもならないが。

失い続けるコトに耐えられなくて、俺は欲しがることを止めた。
一人でイイ。一人がイイ。

もう何も欲しくはない。…失うくらいなら。

欲しがることをあきらめて、そのことすらも忘れて…ただ穏やかに笑っているだけでいたかった。

それを打ち壊して、大切なものを握り締めすぎて壊してしまう子どものように、男は俺に執着している。

壊れそうなその拘束が嬉しいなんて、男は思っても見ないだろう。
失うのが怖いなんて思えないくらい、捕まえていて欲しかったなんて。

「せんせいにやっぱり良く似合うね…!」

嬉しそうに俺の服を剥ぎ取り、リボンでぐるぐる巻きにして、欲望に兆しはじめたものを隠そうともせず男は笑う。

純粋すぎる子どものように。

「…アンタも、リボンを巻いてやりたいくらい可愛い顔してる。」
「えへへー!ありがと!でも今日はイルカ先生がプレゼントだから!」

興奮した男が脱ぎ捨てた服をぞんざいに投げ捨て、覆いかぶさってくるに任せた。
この格好では抱きしめることもできないから。

「俺ねぇ。先生が俺のことかわいそうって目で見るの好きだよ。他のヤツなら殺したくなるけど。」

にこにこと笑いながら肌を暴き、俺を貪る男の瞳に移るのは滑稽な俺の姿だ。
無様に転がることしか出来ず、赤く赤く…血のように赤いリボンに彩られた俺。

こんな姿の俺に興奮するなんて、男は本当は俺を殺したいのかもしれない。
男の求める平和そのものの俺を。…全部打ち壊してしまいたいのだとしても別に驚きはしないから。

…まあでも、喜んでくれてるならいいか。

ご機嫌な男が満足するまでには、きっと相当消耗するだろうが、今日の俺は誕生日プレゼントだし。

なんとなく満ち足りた気分になりながら、男の唇にキスを落として…それから、はしゃぎきっている男が満足するまで付き合ってやった。

ソコにあるのは熱く、気持ちイイ時間。必死になって汗水たらして腰を振り、嬉しそうに微笑む俺の男。

こんな誕生日プレゼントも悪くない。

そう思いながら…もう手放せないんだろうなと気付いてみたり、した。


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いきなりヤンカカにしてみたり。
後ろ向きなイルカてんてーは愛に気付いているのに受け入れられない。
それでも…繋いでしまった手がどうしても欲しかった物だと分かっているから手放せない。
そうして、ソレを知っているカカシは全て分かった上でその手を離さないから、ずっと二人は一緒にいるのです。
なんて、どうだろうか???←病んでる。
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