連休明けの悪夢

「だりぃ…あと十分かー…」
「言うな。ヤル気がなくなるだろうが!受付業務中なんだからせめて笑顔くらいキープしろよ!」
「だってさー連休明けだぜ?子どもたちも微妙にヤル気抜けてるし。イタズラもしないもんな。受付なんて人もいないし」
「あー…まあなぁ…そりゃこんだけ長く休めばヤル気もでないよなー」
「だから、俺らもちょっとくらいは…」
「ダメに決まってるだろうが!ほら!しゃきっとしろよ!」
「イルカはいいよなー?連休中もさ、ずっと…」
「なんだよ?」
「恋人!といちゃいちゃ旅行行ってたんだって?」
「え!?なんだよそれ!?」
「まったまたー!隠すなよ!一緒に行った相手がしゃべっちゃったんだから、いまさらだろ?」
「いや、だから、俺に全然全く心当たりは…!確かに旅行には行ったけど…!」
「まあいいけどなー?言いたくないんだろ?相手が相手だし」
「だから!ほんっとーに何の話だ!?」
「今時誰も気にしないぜ?俺達忍だし。…まあ、あれだ、クノイチのお姉さん方には気をつけろよ?」
「クノイチ!?…頼む…!そ、その相手っての教えてくれ!」
「…ホントに、知らないのか?すごい噂だぞ?」
「ど、どんな…!?」
「初めて旅行に行って、そこで温泉で色っぽい姿を堪能して、それから一緒に酒飲んだら酔っ払っちゃって可愛かったとか何とか…」
「…心当たりというかなんと言うか…それって、もしかして…!?」
「あ、イルカせんせ!おはようございます!」
「お、おはようございます…カカシ先生。あのー…もしかしてなんかこう…変な噂聞いてませんか!?」
「変な噂?」
「俺達、確かに一緒に旅行に行きましたけど、それはたまたまカカシ先生と俺の宿が一緒だっただけで…カカシ先生が一人で離れはもったいないからっておっしゃるから、それに甘えちゃったのは事実ですが…!」
「あー?それ?」
「すみません…!俺が考えなしに同じ部屋なんかに泊まったから…!」
「ねー?聞いたでしょ?すっごいテレ屋さんなのよ。この人」
「へ?」
「え?あー!そっか!なるほど!…おいおいイルカ!いくら恋愛ベタだからって、照れてばっかりだとはたけ上忍も傷つくぞ?」
「え?あ?その?すみません?わっ!?」
「ほっぺた、まだぷにぷにだね。温泉効果ってすごい」
「あーまあ。泉質いいですよね!あの宿!」
「他の所もすべすべだったしねぇ…?」
「へ?」
「お、おい!…のろけるなら帰ってからにしろよ!」
「え?なんでだ!?」
「お仕事って、まだ長いの?」
「ああ、コイツならもう上がりでいいですから!連れて帰っちゃってくださいよ!どうせ舞い上がっちゃて仕事にならないし!」
「じゃ、帰りましょうね?」
「わあぁああぁぁ!?」
「アイツにもやっと春が来たか…」
*****
「カカシさん!?あの?なんか、おかしくありませんか!誤解を解かないと!」
「んー?…ねぇ、イルカせんせ。既成事実って知ってる?」
「へ?あ、まあ、その」
「もうさ、さっきのやりとりは里中に広がってると思うんだよね?」
「うぅ…あの、俺頑張って噂消して…」
「で、俺はイルカ先生を俺の家にお持ち帰りした」
「…あー。ここって、カカシ先生のご自宅でしたか。…言っては何ですが、ベッドカバーが…独特…」
「でも、ふかふかでしょ?そのベッド」
「あ、はい!座ってるだけでもふかふかですね!」
「じゃ、これからしっかり寝心地の方も確認してもらうね?」
「え?…あの!ちょっと!何処触って…!服ー!脱がさないでください…!」
「脱がさないと出来ないでしょ?大体全部見たじゃない。お互い」
「だってその!あれは温泉だったからで、なんで今…!?…あっ!」
「温泉効いてるねぇ。お肌つるつる…おいしそ」
「カカシさんも!つるつるですよ!あの温泉の効能は…って?おいしそう?」
「じゃ、頂きます」
「え!あっ!んぁ…!」
*****
「既成事実って重要ですよねぇ?」
「うぅ…なにが起こったんだ…!?」
「これで、もう逃げられないってことですよ」
「だから、なんで…!?」
「だぁーって。イルカ先生、好きだって言うのに全然そういうの分かってくれないから」
「好きって!?好きって、こっちの方だったんですか…!?」
「ほーら。分かってない。…だから、しょうがないでしょ?」
「しょ、しょうがないってー!そんな訳あるかー!」
「でも、ほら、もう、て・お・く・れ・でしょ?こんなにしっかり痕つけちゃったし?」
「うわぁ!?なんだこれ!うっ…っつー!」
「ああ、ほら、無理しちゃダメだって」
「誰のせいだー!」
「さあねぇ?」
「うぅ…!俺は、久々の温泉を楽しんだだけなのに…!」
「そ、恋人とね?」
「そんなの!ウソじゃないか!」
「ウソじゃないでしょ?今はもう」
「そんな…だって…俺は…!」
「嫌いだったら、おとなしく着いてこないよね?どんなに温泉が好きでも。それに、その前だって俺と一緒に酒飲んだり飯食ったりして…あれって、デートとどこが違うの?」
「それは…!でも!俺は好きだ何て…!」
「じゃ、どう?今。こうやって触られて。…いや?」
「ん…っ!え、う…!や、じゃないですけど…」
「じゃ、いいじゃない。恋人で」
「い、いいのか!?なんか騙されてるような…!」
「だから、もう手遅れなんだし、諦めなさいって。…一生大切にするよ?」
「どうして、こんな…!」
「往生際が悪いなぁ?ま、いいけど。もう、逃がさないから」
「…うううううう!…浮気とか!ダメです!あと、俺はその、いきなりこういうのは反対です!しばらくお預け!」
「いいよー?…イルカ先生から欲しいって言わせて上げるから」
「なんだそれー!」
「ま、いいじゃない。これから宜しくね?俺の恋人さん!」
「よ、よろしく…?」
*****
「よ!ご両人!同伴出勤か!」
「…うるさい!俺は…!」
「この人結構ぼんやりしてるから、お願いねー?」
「ははっ!そうですね!イルカ!愛されてるなぁ!」
「そ、そう、なのかなあ…!?」
「じゃ、また後で迎えに来るからー!」
「はい…」
「まああれだ!幸せそうで何よりだよな!」
「な、何か納得いかねぇ!」


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適当小話!
れんきゅーおわっちゃったからなぁ…。←暗。
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