答えと犠牲(適当)


ヤンカカ風味につきご注意を!…但しイルカてんてーは健全です。
まあ要するに昨日の続き?


吐息と共に零れ落ちていく歎きの欠片はどこか甘くて、今すぐその唇にキスしたいと思った。
きっとその嗚咽になりきれない悲鳴は、俺を蕩けさせてくれるだろうから。
血と裏切りの詰まった最低の任務明け。
だから、人でなしの思考は止まってくれるわけもなくて。
背筋を這い上がる快感に眩暈すらした。
泣くことすらできずにへたり込んだあの人はきっと悲しんで…絶望しているのに。
いや、きっとこれは言い訳だ。
…誤報はすぐに正せたはずだった。
抜け忍になろうとしている身内を狩り出すために、罠を張った。
まんまと罠に嵌ってくれたのは、名ばかり売れている自分を餌にしたせいかもしれない。
仲間を傷つけ、俺を仕留めたと思い込んだソイツは、あっさり里に報告し、ついでに自己弁護に終始してたっけ。
「殺しちまった!…だ、だがこれで、俺は写輪眼持ちを倒したってことになるからな…!」
なーんて高笑いしてる馬鹿に興味なんてなかったんだけど。
油断させるためとはいえ、報告するのを止めなかったのは失敗だったんだろう。
その場に、いたのだ。
…いつも通り受付業務を真剣にこなす俺の恋人が。
俺の参加していた任務の報告に、あの人は酷く緊張した顔をしていた。
いつももこんな風に俺のことを心配してくれてるんだって思うと、それだけで勃ちそうになったくらい興奮した。
それから…馬鹿な裏切り者はあっさり俺のことを告げた。
表情がごっそり抜けて、魂が抜けたように呆けている姿は、まるで人形みたいだった。
それでも言いたくなかったのは俺のわがままだ。今こうして恋人を見つめている自分が、しんでるわけなんてないのに。
見てみたかった。この人がどれくらい思いをくれるのか。
あの人の受ける心の傷よりもずっと、俺はそれを知りたくてたまらなくなってしまった。
好きだって、愛してるって言っても、それに流されてはくれたけれど、同じ気持ちをもらえてるかがずっと不安だった。
愛しい愛しい大切な人の肌に、俺を刻み込んで、中まで全部俺で染め上げても、この人は絶対に俺にその言葉をくれなかった。
照れてるだけかもとか、流されてくれるんならそれでもいいけど、もっと全部欲しいって思うのは止められなくて。
こんなチャンスは二度とないと気付いたら、自分でも笑えるくらい冷静にあの人のことを観察していた。
その時きっと、俺は正気じゃなかったんだ。
あの人は、虚ろな瞳でふらふらと家路をたどり、そのままベッドの上に倒れるようにしてしばらく呆然とした後、くずれるように眠ってしまった。
眠りにおちる寸前、俺の名を呼んでくれた。その心地良さにもっともっとと欲望ばかり浮かんできて。
…結局。俺は力なく横たわる恋人が囁く愛にどっぷり溺れて楽しんでしまった。
*****
吐き出した欲望でこの人の全身を白く汚し、どろどろになって声も殆どでなくなっていたのに、この人が俺を欲しがる声がやむ事は無かった。
最低の騙し方をしたのに、罪悪感なんて欠片も湧いてこなかった。
その代わりに俺を駆り立てたのは、その全てを手に入れたいって言う欲望ばかりで。
ようやく裏切り者を捕らえたっていう連絡が来た頃になっても、その肉に己の分身を埋めたまま意識の無い体を貪っていた。
「好き。好きだよ。イルカ」
止まれなかった。
…欲しくて欲しくてたまらなかった物がようやく手に入ったのだから。
後悔なんてするはずがなかった。
自分の欲望にかすれた声は酷くみっともなく聞こえたけれど。
だから…ぐずぐずに蕩けてしまった人は、絶対に怒ると思っていた。
だが、最愛の人は。
「いいか?…その調子で何があっても帰って来い。絶対に!」
うっすらと涙を浮かべてそんなコトを言ってくれたから。
もうめちゃくちゃにしちゃいたくてたまらなくて、殴られたけど痛くなんて無くて、もらった休み中ずっとこの最強の恋人とくっついていた。

…恋人を試した俺はいつかまた同じ罪を犯すかもしれない。
それがこの人をどれだけ傷つけても。
自分の狂いそうなこの執着を知ってか知らずか、恋人はいつも通り俺を捕らえるその笑顔で抱きしめてくれた。

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いちゃらぶだとしゅちょうー!!!しゅちょうー!!!
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