プール開き11(変態さん)



「おはよう」
「おう!おはよ…おおおおお!?イルカ!イルカだ!無事だったか!いやその、無事じゃなさそうだけどその!ええと!…お疲れさん」
「なんかやつれ…いやその!お前出勤して大丈夫なのか!?火影様からは三日といわず1週間くらいって」
「大丈夫だ。それに家にいても疲れるからな。…いろいろすまん。うちの変態駄犬野郎が迷惑かけた」
「いいいやそれはいいんだけどさ!どうやってあのテンションのアレを…?」
「やっぱりこっちでもか…!?」
「…こっちでもって…なんかさ、アレがいっぱいいてさ、そんでなんかな…なんか…すごかったよ…イルカって呼ぶと殺されそうになったりとか、イルカの机の上に物置こうとしたら机の下にひそんでたアレに腕捕まれて殺気叩き付けられたりとか…!背後にも立ってんだ。いつのまにか!」
「すまん…!体力削らせようと思って…」
「ええええと!お前の計画すごいのな。一瞬だった」
「アレが本気を出せばこんな計画もいらんはずなんだ。馬鹿馬鹿しいくらいあっさり刺客片付けてるからな」
「すごいな…!」
「変態だけどな…」
「…そうだよな…変態だよ…」
「あーその。落ち込むな!イルカ先生は任務に行ってるって伝えといたから、生徒からいっぱいお帰りなさいのプレゼントが着てるぞ!」
「え!」
「ほら!アレのチェック済みだし!」
「…チェック済みか。ならアレのトラップも警戒しないとな」
「そ、そっか」
「お疲れっつーかなんつーか。そもそも大丈夫だったのか?アレ物凄いやる気だったぞ?具体的には想像したくないけどさ」
「海辺にな。プールつきの馬鹿でっかい趣向を凝らしまくったやたら風呂と寝室ばっかりの家に拉致られたんだけどな」
「風呂と寝室ばっかりって…!」
「意図が透けて見すぎて嫌過ぎるな!?」
「五大陸じゃないってことだけははっきりしてたから、ある程度体力消耗させつつ帰還に十分なチャクラだけ残させて、あとはさっさと家に帰りたくなるように煽ろうと思ってたんだ」
「五大陸じゃないってどこなんだよ!?」
「ぶ、ぶじでよかった…!あの薬草サンプル薬剤部で今栽培してるけど、正体不明ってのはそういうことか!」
「へへ!転んでもただでおきてやらねぇっつーの!まず休暇で舞い上がりまくってる駄犬にはさわんな見るだけなら許してやるハウスって言い渡して、ひとしきり散歩してるとこをみせといて、興奮しまくるのを放ったまま海中風呂に入ったんだよ。あ、海中風呂って、まさに部屋が海の中でな、壁がガラスだから綺麗なんだ」
「へ、へー」
「すごいな!…ただアレがらみだしなぁ…」
「そう思うだろ?俺も警戒しながら入ってたんだがとりあえず脱衣所に怪しげな玩具があったのは粉砕して、しれっとボディソープとかと混ざっておいてあったローションも捨てて湯船にはいったらな」
「お、おう」
「中に、いいいいたとか?」
「風呂本体までいきなり透明になった」
「へ?」
「なんだそれこえぇ…!?」
「ヤバイ海に引きずりこまれると思ったら、透明になっただけで水中からじっとみてるんだよ…。駄犬が。水中なのにニヤニヤニヤニヤしながら幸せそうに。当然全裸で」
「こえええええ!?」
「で、で?」
「風呂後と駄犬を破壊しそうになったが気を取り直して別の風呂へ行った」
「お前風呂好きだよな…」
「折角だからな」
「…逞しすぎんだろ」
「そんでな、今度は展望風呂でまあ見渡す限り水平線で星座もどうもよくわからんながらも楽しんでた訳だ」
「そ、そうか。流石上忍っつーか無駄に色々。何で風呂が何個持ってきくまでもないか」
「ドリンクサービスがバニーだった」
「ばにーって…ア、アレがか?」
「バニーっつっても謎のエプロンとうさみみと網タイツだけだったけどな首によくわからん襟だけみたいなやつは巻いてたが」
「へ、へー」
「内容物を確認して一杯やった後ご褒美とか言うから風呂に叩き込んでしばらくでてくんなゆっくりくつろいでこいと言い渡して、川辺に散歩にいった。まあ本人はグラス舐め倒してたけどな」
「すごいな、イルカ」
「うん。ホントすげぇよ」
「あとはなー蛍が綺麗だったが。でっかい葉っぱで巣穴みたいなもん作ってじったりこっちみながらはぁはぁしてんのがいてなぁ…」
「…なんのホラーだよそれ…!」
「で、まあ鬱陶しいから無視して適当に夜行性の昆虫のサンプルとか採取して」
「お前、何でそんな余裕あるんだよ」
「あのサンプル油目んとこで大喜びされてんぞ…で、で?」
「水中から駄犬の気配がしたからとっとと逃げた。珍しくなんか妙にビラビラした服きてたが。まあ服っつっても下半身は丸出しで…」
「…も、もうおれおなかいっぱ」
「でだ。家の中は危険かもしれんからとりあえず海辺にいってみた」
「当然いるだろそれ」
「いるに決まってんだろ。全裸で勝手に横にすわってきてなー」
「おお。普通だ」
「普通じゃねぇだろ!?まあでもアレだってことを考えると普通すぎるか…」
「で、なんかこうよく分からんがケツの穴がむずがゆくなりそうなことをだらだら垂れ流してきた挙句」
「なんだ?今度は」
「全裸で泳ごうとか言い出してな。水着はいろんな意味で信用できんが鬱陶しいから服きたまま飛び込んでやった。月が綺麗だから結構魚も見れてたのしかったぞ?そっちのサンプルは…まあその、色々あって無理だった…」
「…色々は、聞かないでおくわ。お、お疲れ?」
「無理すんなよイルカー…。アレ、凄すぎるもんな…」
「…風呂がな、他にもいろいろ合って隠し部屋とあと寝室以外にもいろんな所に訳の分からん寝床があってな…」
「な、泣くなー!お前は良く頑張ったよ!木の葉最強の忍だと思う!」
「そうだそうだ!な?あと泣くとアレが発生するから…!」
「…そ、そっか…ありがとな…!もう帰れないままここで朽ち果てるくらいならいっそ自害をとまで…!」
「えええ!?」
「イヤお前ホントそれ無理すんな!?」
「散々な目に合って、里に返せラーメン一楽のラーメンって泣き喚いて、浮気だ泥棒猫だって騒いでんのを蹴たぐり回して、よだれたらしながら喜んでる駄犬思いっきり踏みながら休暇は一人で温泉に行きたかったのにクソ駄犬野郎っていったら、木の葉の一楽にいたんだ」
「…そ、そっか」
「え、ええと。それはいつ?」
「つい、さっき」
「お前もう帰れ。そんで休めよ。火影様だって文句いわねぇよ!任務扱いになってたしさ!」
「そうだよ!アレがいるところがいやだったら宿直室とか保健室とか!主任つれてけばきっと大丈夫だからさ!」
「いや。大丈夫だ。すまん。休んでた間の仕事片付けて、あと、俺は安心で美味しい一楽スペシャルを食うんだ…」
「…イルカー…」
「医療忍よんどくか…!?」
「はぁい!おまたせしました!一楽スペシャルでぇす!濃厚とんこつスープにぃ…チャーシューマシマシ麺硬大盛ねぎだく煮卵メンママシ!それからお・れ・の!愛情もたぁっぷり…!」
「うるせぇそれ置いてとっとと消えろ!ラーメンに罪はないが一楽を汚すような真似をしたら覚悟できてるな…?」
「あぁあ…い、イルカせんせがみてる…!」
「ぬ・ぐ・な!」
「イルカせんせー!明日から先生もプールに…あー!妖怪だ!」
「ホントだ!妖怪だ!今年もプールにくる?」
「ま、色々ねー?あとあんまイルカせんせにさわんな。俺の奥さんなの!」
「妖怪が奥さんなの?」
「イルカ先生かっけー!プールでどっかんまたやるよね?」
「おう!もちろんだ!」
「すっげえ!俺皆に言ってくる!」
「俺もー!」
「間男…!」
「おい。駄犬。ハウス。ラーメン食ってるのみることくらいは許可してやる」
「イルカせんせのお口が濃厚な…あぁん!」
「黙ってみてろ」
「はぁい!」
「…明日から、復帰する。今日は書類整理するから」
「お、おう。まあ子どもたちも楽しみにしてたしな」
「ええと、その。なんつーか。…おつかれさん」



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なつなので。
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