プール開き10(変態さん)



「しゅにーん!」
「置いてきました!」
「そうですか。イビキさんの手にかかれば、今日中にでも片付くでしょう」
「主任…イルカは、そのー…もしかして自らを犠牲にして…?」
「…そのようです。引き止めたかったのですが、何度も書簡のやり取りをすれば命を狙われるかもしれないからと…」
「アイツ…!」
「くそ!なんとかできないのかよ…!」
「…本人が、三日間で何とかすると」
「そうですか…」
「無理、なんじゃ…。だって敵なんて多分もっと簡単に捕まえられたんだろうし、主任がイルカに感動してもらえますよとか言ったから頑張ったのもありそうだし」
「うみのは、諦めない男です。少なくともそう簡単に思い通りにはなったりしないはずです。信じましょう」
「…そうですね…」
「がんばれイルカー…」
「ああ、式が」
「お!これイルカのじゃん?」
「なんだ?もしかして帰れる…訳ねぇよな?救援要請か?今どこに監禁されてんだろ…」
「植物サンプルを持ち帰ると書いてありますね。調査報告書のようです」
「それにこっちって…これ種ですよね?すげぇ!」
「アイツラーメンの煮卵落っことかけても、カラスと戦ってでも死守するもんな…」
「いついかなるときも諦めない。忍の鑑ですね」
「頑張れイルカ!」
「へー!なんか熱帯っぽいもんばっかりだな!…ってことは、木の葉にいるんじゃないんだな…やっぱり…」
「でも砂でもないだろ?これ。俺一時期砂に潜入やったことあるけど、こんな特徴の植物みたことねーぞ?」
「式が届いた、ということは、少なくとも異空間ではないと思いたいんですが…」
「まままままさか!いやでも!まさか…!?」
「イルカー…!大丈夫だよな!帰ってこれるよな…!?」
「たっぷり札は送っておいたので、そう易々とな敵に襲われてということはないと思いたいですが、一番のて…いえ、障害が」
「…アレ、ですもんね」
「アレ、だもんな」
「アレですからね…」
「うわー!なんかどうすんだ!シフトの穴は置いといて、無事なのか!?」
「火影様がくれたビールとカルピスとかどうすんだ!無くなっちゃうぞ!」
「ビールとかカルピスとかどうでもいいだろ!そっちじゃないだろ!むしろ貞操…は、あーその、うん…」
「…うん…」
「とにかく、無事を祈りましょう」
「そうですね…」
「無事でいてくれよ…!イルカ…!」



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なつなので。
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