「おでかけ、しませんか?」 かわいいよめからそう言われて断れる男がいるだろうか。 …俺には断るという選択肢は最初からなかった。 夏はついついそうめんとかひやむぎとかラーメンとか…そんなものばかりで誤魔化しがちだった俺も、よめと暮らすようになってから夏ばてなんて言葉は姿を…消してないなぁ…。 夏は暑い。暑いと薄着になる。…つまりよめさんが我慢できなくなる回数も…。 うん。もっと体力つけなきゃだな。 暑いからよめさんの白い肌が日焼けして痛んだりしたら…って辺りは気になったけど、その辺は日焼け止めを使えばなんとかなるはずだ。 前に海に出かけたときも…あの時も楽しかったなぁ…!後が大変だったけど! なんだか俺もやる気になってきた。そうと決まれば休暇の申請だな! 今アカデミーは夏休みだから、受付と次学期の準備と里外任務も入ってくる時期だ。 アカデミーで授業をしているとそう簡単に休みは取れない。 でも今ならなんとかなるはずだ。ついでによめの分も受付特権で何とかしてしまおう。 「どこに行きたいですか?」 嬉しさが声ににじみ出て少し照れくさかったけれど、よめの嬉しそうな笑顔を見たらそんなことはどうでもよくなった。 「今度は、二人っきりで…山とかどうですか?」 めったにないよめのおねだり。俺の気合はうなぎのぼりだ。 「山ですね!楽しみだなぁ!」 「はい!」 …そんなこんなで俺とよめとの山への旅立ちが決まったわけだ。 ***** 今回も行き先や宿はよめが手配した。 俺が選ぶとついつい温泉メインでえらんじゃうから、よめの希望を優先したのだ。 …代わりに色々と準備はしっかりした。 主に体力づくりを。…お出かけしたときのよめのテンションの高さとそっち方面への情熱はすさまじいものがあるからなぁ。 それから小さいけど、読書が趣味のよめのためにプレゼントも用意した。しおり、気に入ってもらえるといいなぁ。 わくわくしながら歩く俺の手を、よめがそっと握って微笑んでくれている。 …こんな穏やかな時間がいつまでも続くといいのに。誰にも邪魔されずに二人っきりで…。 「あ!着きましたよ!」 よめのはしゃいだ声のおかげで、夢のような時間は終わりを告げた。今度はもっともっと…楽しい時間の始まりだ! 「かわいいお宿ですね!」 「邪魔が入らないからいいんですよねぇ…?」 …あ、なんかよめが楽しそうだけど、暴走する寸前のときの顔してる。 覚悟、決めないとな…! 「…俺も、よめさんと二人っきりで過ごせるの楽しみだったんだよなぁ…!」 思わず零れた台詞に、よめが目を真ん丸くしたあといきなり飛び掛ってきた。 「俺も、俺もです…!ここなら二人っきりでずっと…!」 宿は目の前。…それなのになぜか俺の服は宙を舞っている。 山の中だけあって、引きずり込まれた茂みは落ち葉でふかふかだけど、少し寒い。 でもだな!目の前にかわいい顔して俺にむしゃぶりついてくるかわいいかわいいよめがいる訳だ。…抵抗なんてしようなんて思わなかった。 「お休みの間は…ずーっと一緒に過ごしましょうね…!」 もうとっくに準備万端で俺の脚を持ち上げてその間に顔をうずめようとしていたよめの頭を撫でて、そう言った。 よめはそれはもう嬉しそうに目を細めて…宿の人に見つからないように声を殺す俺が耐え切れなくなって散々喘いで縋りつき、それすらもできなくなるくらい中に出されて俺もよめの透き通るように白い肌を自分の欲望で汚して。 …そうして、俺の腰は宿にたどり着く前にぐだぐだになってしまったのだった。 いや、まだあきらめないぞ!特製兵糧丸だってあるんだからな! ********************************************************************************* よめ。 うっかりつづいたらごめんなさい。゜。゜(ノД`)゜。゜。 ではではー!ご意見ご感想等御気軽にどうぞ! |