戦場にて(肉食獣のいる生活もしも編)

もし肉食ぬこと子どものころ会ってたらどうなってたかなぁという妄想番外編。ブログからこっちに移しときます。


「状況は。」
「やはり敵陣に何かあったようで…斥候の話だと今は西側が手薄なようです。ただ、増援が動いているという話もあるので、早めに手を打った方が懸命ですね。」
「なら、…俺が行こう。背後から奇襲をかけて混乱している間に西側からうみのの隊…」
「じゃ、ついてこうっと!」
「あー!?こらー!お家で待ってなさいっていっただろう!?作戦も聞かずに突っ込んだら危ないと何度も…!」
「ああ、うみのの奥方と会うのは久しぶりだな。うみの。大丈夫だから。」
「いいえ!大丈夫じゃありません!大体イルカはどうしたんだ!?」
「かあちゃーん!これ獲って来たー!褒めて褒めて?」
「わー!一杯いる!でも母ちゃんの方がもっとすごいもんね!」
「うぅー!じゃ、競争!」
「ひ、ふ、み…ああ、随分沢山捕虜が出来たな。…隊長クラスも混ざっている。」
「イ、イルカがやったのか…!?」
「うん!すごい?すごい?」
「すごいな。さすがうみのの息子だ。それに奥方にも良く似ていてかわいらしいな。」
「えへへ!褒められた!父ちゃん!イルカすごい?」
「母ちゃんのがすごいもん!だってさっき邪魔だったの全部やっつけてきたのにー!イルカばっかり褒めてずるいずるい!」
「奥方も。ありがとう。西側に侵入者というのは君たちのことだったんだな。これで戦況を変えやすくなった」
「じゃあもっとやっつければ終わる?もう待ってるの飽きたの!」
「ああ。」
「だから、ちょっと待ちなさい!もうすぐ終わるからここで…」
「じゃあぜーんぶやっつけてこようかな!ねー?イルカ!」
「うん!競争しよう!母ちゃん!」
「負けないもん!」
「イルカもがんばるもん!」
「そうだな…なら、俺は正面から陽動するから、イルカ君たちは一緒についてきてもらおう。うみの、西は頼んだぞ。」
「「行ってきまーす!」」
「わー!?ま、待って…!もういない!?」
*****

「うみのと奥方のお陰で大分早く片付いた。ありがとう。」
「いえ…。」
「もっと撫でてー?」
「イルカもー!」
「かわいいな。…膝が重そうだが。」
「いえ、慣れているので…ただその!今回のように勝手に任務以外で里を出てしまったコトはお詫びしないと…!」
「いや、かまわない。敵が増援を予測していなかった分都合が良かったし、なにより楽しんでもらえたようだから。」
「うん!楽しかった!…でも、もう獲物いないの?」
「ねむー…。」
「獲物って言うか…もう戦闘はおしまいだから、あとは事後処理済んだら帰れるよ。だから、もうちょっとだけ我慢しててくれな?後、イルカはもう天幕で寝なさい。ほら父ちゃん抱っこしてやるから…」
「我慢?やだ。…ねぇ、しよう?」
「んうー…。降りたくないー…。」
「こ、こら!ここは戦場で…!イルカも!ココで寝たら風邪引くから!」
「イルカ君は預かろう。ゆっくりしてくれ。今回の功労者だからな。」
「いえそんな!あ、でもサク…はたけ上忍は今晩しっかり休んだら、先に帰還して下さい!後は我々で処理しますから!」
「だが…。」
「カカシ君が待ってらっしゃるでしょう?それに先行部隊で残っているのはあなただけだ。後は我々がやります!」
「そう、だな…。ではカカシに式でも出して置こう。」
「んにゃ!…あ、ふさふさ?」
「あ!イルカ!」
「では、奥方とゆっくり過ごしてくれ。」
「んー?父ちゃんまたねぇー!ふさふさもっと撫でてー…?」
「ああ。」
「ちょっ!サクモさん!うわぁ!」
「じゃ、我慢してた分一杯シテ貰おうっと!」
「あ、あのな?」
「もっと我慢?でも無理ー!」
「あーもう!…ちょっとだけだからな!」
「えへへー!沢山する!」
「はぁ…。外は駄目だ。…お前のそんな顔、他の誰にも見せたくない。」
「うん!早く早く!」
「イルカ…ゴメンな…!」
*****
「では、すまない。先に出立する。」
「はい。お疲れ様でした!」
「うみの。もう帰還するから今回は使わないんだ。だから、これを飲んでおきなさい。」
「へ?兵糧丸?」
「昨日はあれだけ…疲れただろう?」
「え、あ、その…!」
「ねぇねぇ…もう帰ろう!」
「うみのの奥方、もう少しで帰還できるそうだから…」
「ここつまんない!獲物いなくなっちゃった!忙しいって構ってくれないし!」
「母ちゃん帰る?なら俺も帰る!父ちゃん行こう?」
「イルカ、まだ任務が終わっていないんだよ。あと、サクモさんの頭から降りなさい!」
「ふさふさ楽しいから、や!」
「こら!」
「いいなー?イルカいいなー?私も遊びたいなー?」
「ちょっと待ってなさい!俺たちも午後には帰還できるように頑張るから!」
「早くしてねぇ?」
「ふさふさ!ねぇもっと遊ぶ!」
「では、すまないが先に行く。」
「んにゃ!?やだー!下ろすのやだー!」
「はいはい。父ちゃんになら登っていいから!…では、残党はいないと思いますが、お気をつけて。」
「ああ。ありがとう。」
「ふさふさいっちゃった…。昨日遊んでくれて楽しかったのに…!」
「ふぅん?楽しかったんだ…!いいなー?」
「ほら、ご飯食べよう。肉も焼くから…」
「「肉!」」
「ふぅ…これでしばらくは我慢してくれるかな…。」

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子ぬこイルカと母ぬこと苦労する父番外編!
…で、もちろんぬこたちは我慢なんか出来なかったという話。
カカイルになりきれていないのでこの辺においていきます…。
何故かぬこ強化週間なんだろうか…!?
ご意見ご感想などお気軽にどうぞ!!!


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