「寒いなぁ…」 「そうですね…あの、そのう…先輩は…?」 「なんだ?そういえばお前この間うちの猫に追い出されてたっけ?」 「いえ、ですから、先輩に伝言をお願いできればと…!」 「うちの猫はいつ帰ってくるかわかんないからなぁ…?とりあえず、お茶でいいよな?礼儀正しい猫!」 「あのー…僕は猫面ですが、別に猫ではないですし、むしろ先輩も猫というよりは…!」 「コタツで丸くなって待っててくれ!…多分、今日当たりかえってくると思うんだよなぁ…?」 「ええ!?か、帰ってくる前に伝言だけ…!あんな怖い先輩の相手なんかしたくないよ…!」 「…なんだ?おまえひょっとしてうちの猫より弱いのか?」 「ま、まあ、そうですね。猫かどうかは置いておいて、今の木の葉に先輩と互角に渡り合える相手なんて、精々火影様くらいだと思いますよ?」 「そうか…!うちの猫はひょっとしてボス猫…!」 「えっと。喜んでいらっしゃる所申し訳ないんですが、僕は任務の伝令に来ただけなんです…!とにかくそろそろコタツから出させて…」 「遠慮するな猫!」 「遠慮じゃないんですよ!先輩に今度こそ消される…!」 「お茶受けって何がいいんだ…?またたびは危険かもしれないしなぁ?いくら今礼儀正しくても猫なんだし!」 「うっうっ…!だから僕はここの伝令はイヤだって言ったのに…!」 「なんだ?どうした?腹減ったか?」 「テンゾウ」 「ひぃ!?あ、あ…!」 「おお!猫!お帰り!飯食うか?」 「んー?むしろイルカかなぁ?で、何でいるの?」 「で、ですから!僕は伝令に…!」 「こら猫!礼儀正しい猫苛めちゃ駄目だろ!お前に用があるみたいなんだぞ?」 「へぇ…?」 「先輩…その笑顔が怖いんですけど…!?」 「礼儀正しい猫は本当に礼儀正しいぞ!ちゃーんとコタツから出ないでお前を待ってたんだ!」 「俺以外の猫かまっちゃだめって言ったのにねぇ…?」 「その禍々しいチャクラ引っ込めて下さいよー!…これ、伝令の内容です!僕ももう帰りますから!」 「そ。じゃ、早く帰って」 「それでは!…もういやだ…!」 「あの猫相当よわっちいんだなぁ?逃げ足が早い!」 「…ねぇ。前に言ったよね?」 「え?だから別に撫でてもいないし、触ってすらいないぞ?縄張りって言っても、お前のベッドに入れたわけじゃないし」 「だってねぇ?ご主人さまが俺以外の猫に構うってすっごく腹立つなぁ?」 「…あの猫は最初帰ろうとしてたんだ。ただ、お前に伝言伝言って鳴くから。…俺は猫とはいえ暗部の伝言なんて聞きたくない!」 「ま、そうね。…しょうがないか…」 「そうだ!わがまま言うな猫!とりあえずその前に飯と風呂だ!お前外にいたからな!」 「色々しちゃおうと思ったけど…しょうがないからお仕置きはちょっとにしてあげる」 「わっなにすんだ猫―!?離せー!」 「とりあえず一晩中だけで勘弁してあげようかなー?」 「それのどこがちょっとだ?!」 「んー?本当ならご主人様閉じ込めちゃってもいいんだけどねぇ?」 「なっ!?」 「だから、これで諦めてあげるねー?」 「わー!?」 ***** 「な、なんでなんだ…!?」 「ああ、起きた?」 「猫―!お前のせいで!」 「んー?ま、俺って猫だし?独占欲強くても仕方ないよねぇ?」 「うるさい!猫のくせに…!」 「歩けないご主人様も可愛いから、今日は一日中ベッドにいてもらおうっと」 「なんでだー!?」 「さてと。後で入り込んだ他所猫にも思い知らせておかないとねぇ…?」 ********************************************************************************* お使いに来た猫がかわいそうな話? 相変らず(本物の)猫に関する誤解を深めるイルカてんてーだったとさ! ではではー!ご意見ご感想など、お気軽にどうぞー! |