「いいか。こっから先へは絶対についてくるなよ!危険だからな」 「なんでだってばよ!ここってば、イルカ先生んちの押入れだろ?」 「そうだけど!危険なんだ!」 「だから、どうしてだってばよ?なんかあったのか?」 「いや、ここは俺の家の居候というか、なんていうかが勝手に住み着いた挙句に物置にしちゃったから危ないんだ!」 「あのおっさんのか?一体何があるんだってばよ…?」 「着替えは俺のといっしょのたんすに入ってるし、忍具とかもどっかから持ってきてるからなぁ…?」 「なに入ってんのかわかんないのかってばよ!あぶねぇもんはいってたらイルカ先生が…!」 「ナルトー…!心配してくれてありがとな!」 「あ、当たり前だってばよ!イルカ先生ってばぼんやりしてっからな!」 「ぼんやりは余計だ!…でもな、ここの中身はある程度予想してるんだ!」 「え?わかんの?すげぇ!」 「多分、例の怪しい本と、もちとカップラーメンと貰いもんのレトルト食品の結界の媒体だ!」 「ばいたい?ってなんだってばよ?」 「こらー!この間授業で説明しただろうが!」 「いってぇ!だ、だって、あんな難しいのわかんねぇもん!」 「難しくない!簡単に言うと、結界ってのは、術だけで構築するのもあるけど、媒体を使うと、チャクラの消費を少なくしたり、結界の性質を微調整できたり…」 「えっと…じゃあさ!じゃあさ!危ないってなんでだってばよ?」 「お前、わかってないだろ…?今度補習するからな!…危ないってのは、きっとアイツのことだから、何か仕込んであるに違いないってことだ!」 「そっか!あの格好のおっさんたちって、そういやいっつもなんかすごいことやってるもんな!」 「そうなんだ!だからこそ、お前はそこで待ってろ!冬場は食糧が少ないけど、スーパーの食品福袋の余りとかが結界から取り出せれば…!」 「だーから。どうしてそっちばっかりいくかなぁ?」 「ひっ!?」 「あー!おっさん!イルカ先生いじめるなって言ったじゃねーか!なんでイルカ先生の食糧取り上げてるんだってばよ!」 「健康のためでしょ?」 「うぅ…!お、俺の…俺のカレー返せー!もちー!カップラーメンー!全部混ぜても美味いんだぞ!」 「ほーらいいから、ちょっと待ってなさい」 「おっさん!人の話し聞けよ!イルカ先生苛めるんだったら、俺が相手になるってばよ!」 「ナルト…おめぇカッコイイな!でも止めとけ!コイツ無駄に強いからな!それに、忍ってのは、戦うよりも裏の裏を読むのが基本だぞー!」 「えー?わっかんねぇってばよ!」 「つまりだな!真正面から行くより、トラップとかトラップとかトラップとか…!」 「はいはい。親子漫才はいいから。はい食事」 「おおお!?すっげぇ!なんか美味そう…!でも俺、ピーマンはあんまし好きくねぇ…」 「俺の野菜は美味かったでしょ?いいから食べてみなさいよ」 「そうだぞ!コイツが作ると何でも美味い!それなのにかぼちゃのてんぷらは…」 「ああそうだ。ねぇ、料理できるのにどうしてカップラーメンとレトルトしか選択肢にないの?材料冷蔵庫に入ってたでしょ?」 「目の前で腹空かせてるのにそんな悠長なことやってられるか!」 「冷凍しといたのもあるでしょ?」 「れいとう…?ああ!そういえば!」 「忘れてたのね…ま、いいけど。…で、お前もどうしたのよ?」 「冬場は食糧が乏しいからな!なんかしんねぇけど、今年は特に食いもんが取れねぇし。でも、イルカ先生んちに行けば食い物があるってばよ!」 「そうだそうだ!冬場は助け合って生きていかないとだよな!野草も取れないし!」 「…野生動物じゃないんだから…。ま、買い物にも不自由してるんだろうし、しょうがないねぇ?」 「レトルトの結界といてくれ!カップラーメンも!もちは涙を飲んで諦めるから!」 「イルカ先生苛めるなってばよ!」 「んー?それより、俺がいなくても食事作れるように覚えなさいね。ま、もうすぐ完全に里に常駐になるから、そうなったら本格的に教えるから。まずは基本から始めるよー」 「そ、そういえばそうだな…!お前にも料理を教えておかないといけないよな…!」 「インスタントラーメンなら任せとけ!牛乳ちょっと入れるとコクが出て…!」 「はいはい。じゃ、明日は米のたき方と味噌汁辺りからね。覚えが悪かったらお仕置きだから」 「えー!?お、お仕置きなんてしらねぇってばよ!」 「んー?ああ、大丈夫。お仕置きするのはイルカだから」 「ええ?!なんでだってばよ!?」 「そ、そうだそうだ!何する気だ!」 「連帯責任かなー?あと、俺が楽しいから。一晩中になっちゃうけどいいの?」 「良くねぇ!くっそー!見てろよ!俺が本気を出せば…!」 「ひとばんじゅう…!?されちゃうのか…!?」 「さ、いいから食べなさいよ。インスタント以外思いつかないくらい腹減ってるんでしょ?」 「あ!そうだったってばよ!いっただっきまーす!」 「あ、俺も!…やっぱり美味いなぁ!」 「やれやれ、かな?」 ********************************************************************************* こうして押入れの秘密は謎のままで終わったという…! 食糧調達のために野生化する親子もどきだったとさ! ではではー!ご意見ご感想など、お気軽にどうぞー! |