「あ、テンゾウ。この間はありがとね。」 「いいえ!先輩のお役に立てるんでしたら、僕はなんだってでき…」 「イルカがね。すっごく喜んでくれたのよ。」 「へ、へー…そうです、か…」 「ジンギスカンっていうやつ?凄くイルカが気に入ったみたいだから、また今度探してみようかと思って。」 「そ、そうですか…。あの、先輩は!気に入って頂けましたか!?」 「んー?まあね。…肉頬張るときにさ、熱いから眉間に皺寄せるじゃない?」 「はぁ。」 「それで口もごもごさせてるから、くわえさせてるときとか思い出しちゃってねぇ…。」 「うっ!?」 「食べてる間中思わず見つめちゃった。楽しかったよ。」 「しぇんぱい…咥え…!」 「チョコも有効利用したし。…生チョコって溶けるの早いねぇ?」 「口溶へがひひものを選びまひたから!」 「良く溶けて、美味しかったよ。」 「それはよかっ…」 「イルカが。ま、塗るのは嫌がってたけどね?甘いの好きだっていうし、もったいないだろって怒ってたから、また買ってこようかと思って。」 「うぅぅぅぅ…っ!」 「あら大丈夫?鼻血吹いてるけど?」 「いへ!大丈夫れふ!しぇんぱいのためなら…!」 「さーてと。斥候待ってるのも暇だから、探しに行って来るかな。」 「へ!?しょんな!僕がいひまふから!」 「あ、テンゾウは医療班もついでに呼んで来るからそれまで待機ね。」 「僕だって…!」 「イルカにちゃんと気をつけてやれって言われてるし?ま、俺一人でも片付けられるからだいじょぶでしょ。ゆっくりやすんでれば?」 「しぇんぱいが僕を…僕を気遣って…!」 「じゃ。」 「へ?あー!まっれくらはいー!」 ***** 「隊長!アレ?テンゾウは…?」 「あ、置いてきた。あとで医療班向かわせるから。」 「!奇襲ですか…!テンゾウが後れを取るほどとは…!」 「あ、違う違う。ホラ、例の…発作みたいなヤツ?」 「…あー…そうでしたか。…やっぱりテンゾウを斥候にしておけば…!」 「アレ病院連れてったら治るの?イルカが心配してるのよね。」 「治らないというか、持病というか、…むしろ体質なので無理かと…」 「そ。じゃ、しょうがないけど…あんまりたびたびだと任務に差し支えるし、本人も大変だよねぇ?なんとかしないと」 「それでしたら、我々ができる限り対処しますので!隊長は…任務を!」 「ん。頼んだ。じゃ、行って来るね。」 「はい!…隊長と同じ任務に入れるの間違ってるよな…!」 ***** 「お帰り!早かったな!」 「ただいまー。」 「で、今度はどうしたんだ?お前のじゃなさそうだし、返り血にしちゃ…?」 「あ、コレ?また具合悪そうだったから医療班連れてもどったらさ、仲間が鼻血吹いたの。」 「例の人か!なぁやっぱり病院…」 「んー?一応仲間に頼んどいたから、大丈夫じゃない?でも、体質だって言うから治すのは難しいかもねぇ?」 「そうか…でも、今回はちゃんとお前も面倒見てやったんだな!」 「ま、ね。」 「ちゃんと周りが気をつけてあげればいつか良くなるって!…頑張ったみたいだから、今日は風呂で背中流してやるぞ!」 「ありがと。じゃ、その後にする?最中のがいいんだけど。」 「へ?」 「ま、いいや。行くよー?」 「わぁ!下ろせー!!!」 ********************************************************************************* 先輩と後輩の全く掠りもしない会話。 チョコはちゃんと味わった方がイイと思われます! ご意見ご感想など、お気軽にどうぞ…! |