りんごのゆめ

りんごの皮をむくみたいにイルカ先生の服をはいで、美味しく頂く夢をみた。
少しずつ露になる肌は、りんごみたいに真っ赤に染まって、甘い声に急かされるようにその体を貪った。
蕩けるような快感に溺れるように、夢中になって。
だが目覚めてみれば一人冷たい寝床の中で、夢の残滓がべっとりと股間をぬらしていた。
「あーあ…」
あの強烈な快感とすがり付いてくれたぬくもりのせいで、空しさもひとしおだ。
情けなさよりもずっと強く、寂しさがこみ上げてくる。
…だから、決めた。
「今度あったらやってみよう!」
…因みにぐーで殴られたけど謝ったら撫でてもらえたから結果オーライ?
*****
食べるという行為は、確かに似ているのかもしれない。
相手を身のうちに取り込み、貪り、交じり合って…抗えないほどの衝動に流されるように、目の前の相手だけに溺れる。
それは狂いそうな飢餓感を満たすために、木の皮さえも糧としたときのように…いや、もっとずっと強い欲求だ。
欲しくて欲しくてたまらなくて、ただひたすらにがむしゃらに求めて求め合って。
正気に返った頃にはくたくたになってるっていうのに、それでも疼くような衝動に悩まされる。
そう、その衝動は確かに良く似ているかもしれない。
だからって!
「人を食い物扱いするんじゃねぇ!」
早朝。寝室の窓をがたがたと鳴らすものに気付いて開けてみれば、飛びついてきたこの男にいきなり服をひん剥かれた。
夕べ散々やった後だっていうのにだ。
しかも勝手に盛り上がった男の様子は尋常じゃなく、目を爛々と輝かせて飢えた獣みたいになって覆いかぶさってきたのだ。
「ね、頂戴?美味しいイルカせんせ」
なんていいながら。
…で、当然の事だと思うんだが、腹が立ったんでその脳天に思いっきり拳固落としたら、こっちが驚く位ぐずられた。
「酷い酷い…!夢の中なら甘くて蕩けそうで…!ずっと側にいてくれたのに!」
一人にすると寂しがるのがかわいくて、その視界に俺を捕らえるたびに花が咲くように嬉しそうな顔をするのが嬉しくて、…夜遅くなっても家に帰らせてるのが悪かったのかもしれない。
一緒にいて欲しいと何度も言われたのに、適当にはぐらかしてきたツケが今回ってきたってことか。
もうちょっとだけ、あと本当にもうちょっとだけでいいから、この男の可愛い顔を見たかったんだが。
多分、もう限界だ。…きっと俺も。
寂しがり屋なのはお互い様だから。
まだめそめそしながら、くすんくすんと鼻を鳴らしている男の、いつも通りぴんぴんと撥ねるおさまりの悪い頭を撫でながら、そろそろ折れてやるかと思った。
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てきとうー!
白い日あとなんだっけか…?←健忘症気味。
ではではー!ご意見、ご感想などお気軽にどうぞー!


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