ある日の喧嘩(適当)

「カカシ、今度はどこ行って来たの?」
「んー?雪の国かな」
「遠いね…」
しょんぼりした顔されるとこっちまで悲しくなる。
イルカはまだ下忍で、遠くへの任務にでることは少ない。
その代わりのように俺に任務の話をねだるけど、教えられることが少ないこともちゃんと理解していて、最近はどこにでかけたのかってコトくらいしか聞いてこなくなった。
そう、それからこうやって悲しそうな顔をするのだ。
こっちまで苦しくなりそうなくらいに。
「ま、任務だし。今度もちょっと遠いけど…」
「そ、そっか」
うーん?うらやましいとかそういうのならいいんだけど、これは違うでしょ?
遊んでくれって全身で表現してた頃より、イルカは随分と育った。
おかげで俺にはわからないことが増えてきて、それにもまた苛立つんだけど。
なんでこんな顔してるんだろ。
今にも泣きそうな顔を見たくなくて、ぎゅっと抱きしめて隠してみたら、イルカがもがもがと身をよじって逃げ出そうとしている。
意地になってさらにぎゅうぎゅう抱きしめたら、もがきながら聞こえるか聞こえないかぎりぎり位の小さな声でつぶやいた。
「遠くの任務なんて、なければいいのに」
「んー?それはなんで?」
まさか聞こえているなんて思っても見なかったんだろう。
びくっと体を震わせて、固まってしまった。
「う、だって、その」
「いいから。教えなさいよ。教えてくれないなら…くすぐるよ?」
イルカはくすぐったがりやで、感度がいい。
将来楽しみなんだけど…ってま、その辺は置いといて。
なんでそんなに隠そうとするのかねぇ?
確かに、俺は暗部になってから遠方の任務が増えたおかげで、家を空けてばっかりだ。
犬たちつけてるとはいえ寂しい思いをさせてるのかもしれないけど、こんな風に隠されるのは悲しい。
抵抗する姿はかわいいんだけどね。
「くすぐるのは、へ、へーきだけどさ…。だって心配じゃないか!帰ってくるの遅いし、隠してるつもりかもしれないけど、知ってるんだぞ!お前時々怪我隠してるだろ!」
「あー…ごめん」
ばれてたのかってことより、とたんに泣き出したイルカを抱きしめなおすことの方が忙しくて、とっさに謝ることしかできなかった。
「ごめんっていうな!だって、だって任務だろ?わかってる。…いいからもう聞くな。馬鹿!」
「うん」
そういえば、イルカは元々結構な心配性だったっけ。
あの日以来、それが悪化してても当たり前だ。
それに…思った以上に、俺は愛されているらしい。
「怪我隠したらお酢とかかけちゃうからな」
「ん。隠さないように気をつけます。任務でどうしようもなかったら言わないけどね」
「うん。そうしろ」
涙で頬をぬらしたままだけど、やっとイルカが笑ってくれた。
…もうちょっと、待たなくては。
イルカは幼すぎて、まだ俺のモノにするには早すぎる。
だがその日は随分と近くまで来ているらしい。
「イルカ。ありがとね?」
「べ、別に…!いいから飯食え馬鹿!」
「ん。そうね」
これ以上言うと恥ずかしがってるイルカには酷だろう。
ま、後でちょっと落ち着いたら、また構ってもらえばいいし。
あっさり引いたことにあからさまに安堵したイルカが、いそいそと飯を出してくれるのをほおばりながら…俺はいつまで我慢できるかなぁなんて物騒なことを考えたのだった。


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子カカイル祭り継続中。
ね、ねちまいました((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
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