お出かけ前のご馳走(かぼちゃのてんぷら)

「おはよ」
「ん…おはよう…?外が明るい…?」
「寝ぼけた顔もそそるねぇ?じゃ、俺もこれからお仕事だから出かけるけど、イルカはもうちょっと寝てる?」
「ふえ?おしごと…?…わー!?ははははははたけじょー…じゃなかったんだっけ!ああびっくりした!」
「あれだけやったのにねぇ…?足りなかった?」
「も、もう無理だ!いらない!…うぅっ!いってぇ…!」
「あら、やりすぎちゃった?」
「お前のせいでー…!あ、足腰が…!」
「怪我がふさがるまでずっと我慢してたでしょ?流石に限界だったかなー?」
「なんだそれ!大体怪我人相手にもあ、あんなことしたじゃないかー!」
「イルカがらーめん食べてるの可愛かったからねぇ…?そういえばあの時も動きが鈍くてかわいかったっけ」
「…うぅ…!動けないのをいいコトに…!」
「そうねぇ?もう身体きつそうなのに必死でしがみ付いてきたし、可愛い声で喘いでたし、潤んだ目で俺の名前呼んでくれたもんね?」
「うわー!?だ、だって!なんか痛いのに気持ちいいし…!お前のせいだー!あの時も結局歩けなくなって…!」
「んー?腰痛いならマッサージでもしてあげようかなー?」
「いらない!どうせ…!うぅ…!腹減った…」
「そうね。イルカにはご飯だよね。朝だし」
「お前のせいだ!飯食い損なったんだぞ!」
「そうねぇ?とりあえず食べてからにしようかな。色々」
「飯だ飯!…今日はなにかなぁ!」
「お味噌汁とご飯ととろろとお魚と胡麻和えだよー」
「おお!美味そうだ!へへ…!」
「餌付けは完了してるし。後は…いつ気がつくかなー?」
「…そういえば、俺って今日仕事…!?」
「あ、お休み入れといたから大丈夫よ?」
「なんてことするんだ!今日の授業は調理実習だから余りモノがもらえるはずだったのに…!」
「そっちなの?」
「うぅ…!腹減った…!でも歩けない…」
「ほらそんな顔しないの。はい、あーん」
「んぐ!?…わー!美味い!」
「ちゃんと食べて?余りモノもいいけど、俺のご飯も美味しいでしょ?」
「ん。もっと!」
「…天然だからタチ悪いよねー…。はい次どーぞ」
「へへ!やっぱり朝はちゃんと食わないとだよな!」
「そうね。…やっぱり俺も食べてから行こうっと」
「そうだそうだ!ちゃんと食わないと…って、アレ?重いぞ?なにするんだ?」
「んー?ご馳走我慢できないから、出かける前に美味しく頂くねぇ?」
「わー!?」
「一杯シテ、早く慣れてもらわないとだし?」


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こうして美味しいご馳走はぐったりし、上忍師は遅刻したという話。
黒暗部卒業しても、中身は変わらぬということで!

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