「ただいまー。」 「おかえ…どうしたんだ!びしょぬれじゃないか!?」 「ああちょっと。雨で匂い消したから。」 「馬鹿野郎!そんなコトしなくても…!…任務そんなにきつかったのか…?」 「ま、それと雨に濡れるのも悪くないと思ってね。」 「…変わったやつだな?何が楽しいんだ?」 「ほら、雨の匂いで嫌な匂いが消えるじゃない?血も、毒も、色々。」 「…そうだな…。お前なら…」 「ちょっと仲間が鼻血吹いて倒れたからその辺考えるともうやらないと思うけど。」 「…その人確実になんかの病気だから!とにかく急いで医療班に…!」 「ああなんかもうね。持病らしいよ?医療班がそんなこといてたから。」 「そうか…激務なのにすごいな…!俺も見習わないと!」 「鼻血を?」 「そんな訳あるか!…ただ俺ももうちょっと強くなりたいってだけだ!」 「んー?別にそのままでいいんじゃない?そこそこ強いんだし。」 「お前に言われるとなんか腹立つな…!そこそこってなんだよ!どうせ俺は中忍だ!」 「ああだって、強い方でしょ?下手な上忍より使えるよね。」 「…ホントか…?」 「強いけど、おっちょこちょいっていうか、ちょっと危なっかしいトコあるけど。自分が率先して戦うのも、もうちょっと計算して…」 「うるさい!仲間が優先だ!」 「それはいいけど、だめ。だってもう俺のなんだし。」 「なんだそれ!」 「怪我まではまだ許せるけど、何かあったら困るからねぇ?」 「ふざけんな!お前こそ気をつけろって…」 「ああ俺は大丈夫。怪我するほど弱くないし?」 「…っうがぁ!ムカつく!」 「まあまあ。」 「さわんな!濡れる!…風邪引くだろうが!さっさと風呂場に行け!」 「んー?イルカが洗ってくれるんならいいよ?」 「…洗うだけじゃすまないだろうが!いいからとっと入って来い!飯食って、それからなら考えてやる!」 「りょーかい!じゃ、待ってるから。」 「…全く…!何だってわざわざぬれねずみに…!」 「…心配してくれるイルカって、いいねぇ。やっぱり。」 ***** 「風呂上がったよー。」 「ようし!じゃ、俺特製のそうめんがもうすぐ…」 「ああ、やっぱり。お湯沸かしてなかったんでしょ?沸騰する前にいれちゃだめよー?」 「ううっ!でもお前また飯食わないで寝る気だろ!」 「イルカが一生懸命だから。ちょっとなら待ってあげる。」 「…見てろよ!今から…!」 「ま、今回は俺が作るけど。」 「何でだ!俺だって!」 「あんまり待てないしねぇ?飯なんかホントはいいんだけど。」 「駄目に決まってるだろ!ちゃんと食ってちゃんと休め!」 「はいはい。作っといたのがあるから一緒に食べよう。」 「え!?いつのまに!?」 「ホラ、これいためてるから、ソレはお皿にそのまま盛って。あ、このお湯…っていうかそうめん溶けてるの貰うからー。あとそこの棚のおっきいお皿取って。」 「お!おう!えっとこっちを盛り付け…よくわかんないけど乗せればいいよな!あと、この皿を…」 「ありがと。よいしょっと…ホラできた。」 「なんか…すげぇ!美味そうだ…!」 「海老チャーハンとスープもどきとサラダだけだけどねー?ホラ冷めない内に食べないと。」 「あ!そうだな!…おおおおお!美味い…!!!」 「そ?」 「お前今まで料理なんかしなかったのに…!こんなにできるなんて…!」 「ま、いいから残りも食べなさいよ。食べないなら海老もらっちゃうよー?」 「ああ!食う食う!」 「ふふ…こうやって目ぇキラキラさせてんの見るの楽しいから。なんだけどね?」 「とろとろスープ美味い…!!!」 ********************************************************************************* びしょぬれで帰ってきた結果、イルカちゃんが心配してくれましたとさ! スピード調理を目指した講師は、後ほどおいしく(中略)…! ご意見ご感想などお気軽にどうぞー!!! |