とある上忍のけいかく32(適当)


これの続き。



後悔なんてしなかった。
そんなこと考える余裕もない。恋焦がれ続けた人を自分のモノに出来たことが信じられなくて、触れるだけで気が狂いそうで、いくら抱いても足らなくて、いきなりつっこみそうになるのを押えるだけで精一杯だった。
それなのに無自覚に縋ってくるし、汚いなんてそんなことありえないのに。時間だけは血反吐を吐きそうになるほどあったから、準備に手抜かりはない。途中でやめることなんてできないから、痛みを出来るだけ減らしたかった。
といっても、今日いきなりなんてつもりじゃ無かったんだけど。
一目見て心臓が跳ねて、あの日だって気付いて、あの時どうしてもなにをしてでも手に入れたかったものが、目の前で奪われたモノが目の前にあって、そうしたらもう手に入れることしか考えられなかった。
乱暴にしたくなんてなかったけど、あんなこというから。
縋ってきて戸惑いながら俺の言葉に素直に従って背にしがみ付いて、ぐずぐずと鼻を鳴らす音さえ心地良くて、熱に浮かされたみたいに沸騰した思考のまま腰を進めた。奥まで入り込んで、いっそ溶けてしまいたい。でもやめろなんていうから。
愛しい人が、怯えた目で俺を見る。
心がすぅっと冷えた。でも体の熱は止まらなくて、むしろ熱くなるばかりで、散々無体を強いてしまった。
拒まれても逃がさない自信はあった。
…快楽に喘ぎながら、俺の心配までするくせに、俺を拒む。
なら、しょうがないよね?
なにがあったかなんて絶対に忘れられないように体に刻み込んで、意識なんてなくなっても止まれなくて。
…最後まで俺のことを拒むくせに受け入れる。まるでたちの悪い毒のように俺を蝕み、中毒にさせておいて、今更なんで駄目なんていうの?
理不尽だと分かっていて、でも苦しくて、それを全部目の前の求め続けてやっと…やっと手に入れられるモノにぶつけた。
みっちりと絡みつく熱い肉と、もう拒む言葉すら紡げずに、虚ろな瞳でただ縋ることしかできないでいる。
腹のうちの俺の吐き出した欲望の証を孕み、あふれ出したモノを滴らせながら、呻くような喘ぎ声を零し、俺だけをみている。
手に入れた。だから…だからもうそれだけで頭が一杯になって、沸騰した頭で碌なことなんて考え付くわけもなくて、もう駄目だと思うのに、ヒクヒクと身を震わせる人を穿つことを辞められない。
この人を奪われないためになら、俺はなんだってするんだ。
「ねぇ。イルカせんせ。イルカ。これで、俺の」
あんなヤツじゃなくて、俺の、俺だけのモノだ。
「カカ、シ…」
拒むなら酷いことをしてしまいそうで伸ばされた手に身をすくめて、でも、その手は俺の頭をなでていった。
優しく、最初にあったときみたいに。
罪悪感?それとも怒りなのか喜びなのか。
この衝動は、胸の痛みは、そんな陳腐な言葉じゃ現せない。
「好き。大好き」
今分かるのは、たったそれだけ。
ふっと僅かに笑ったイルカが意識を手放しても、繋がったまま離すことなんてできやしなかった。

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適当。
さらっとえろす。
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