「うぅー!寒む寒む!やっぱりこたつはいいなぁ!」 「そうね」 「猫もいるし!」 「んー?」 「今日も毛並みはいいなぁ!態度はでかいけど!」 「ねぇ」 「何だ猫?ご飯か?台所はまた一際寒いんだよなぁ…」 「食べ物はいらないよー?ご主人様ならいつでも欲しいけど」 「なっ!?」 「でもねぇ?今日は諦めてあげる」 「そ、そうか!なんかよくわかんないけど良かった!のか…?」 「自覚、ないみたいね」 「なんだかまだ寒いなぁ…コタツは温かいのに…猫。ちょっとこっち来い!」 「んー?ま、いいけど」 「うん!やっぱり猫は温かいなぁ…!…でもまだ寒い…?」 「そりゃそうだろうね」 「風呂入って温まってから猫で温まるか…?」 「お風呂は駄目ー」 「なんでだ!風呂は一日の疲れを癒す最高の憩いの空間なんだぞ!温泉の素入れればさらに!」 「ねぇ。眩暈とかしないの?」 「眩暈…?そういえばなんかくらくら…」 「ああ、駄目そうだね。つかまれる?」 「う…?あ、あれ…?」 「熱上がるといっしょにテンションまであがっちゃうみたい?」 「熱?猫は温かい…はずなのに…?ぬるい…?」 「折角ご主人様から抱きついてくれたから我慢なんかしたくないんだけど」 「え?あ?ふわふわする…?」 「ほら、お布団ついたよ」 「布団…布団だ…!猫、猫も一緒に寝ろ!」 「ああ、ちょっと待って…あ、あった。これでいいかな?」 「んん!?」 「ん…。飲めたね」 「なにすんだ猫!」 「ナニしたいトコだけど、今日はおとなしく添い寝してあげる」 「添い寝…!猫と添い寝はいいなぁ!ふかふかでほかほかで…」 「ほら温かいでしょ?おやすみ」 「おやすみー…猫…」 「色々スルのは熱が下がってからにしてあげるけど、我慢した分はがんばってもらうからねー?」 ***** 「あ?なんだ?朝…?」 「ああ、起きた?熱は下がったみたいだけど」 「猫…猫があったかかったなぁ…」 「まだちょっと寝ぼけてる?かーわいいねぇ?」 「ねむ…起きなきゃ…」 「寝てていいよー?連絡してあるから」 「れんらく…連絡!?しまった!遅刻!」 「だから、お休みとっちゃったから」 「ええ!?お前猫のくせにナニ勝手に…!」 「そんなふらふらしてるのに無理でしょ?」 「ふらふらなんて…し…て…」 「ほら、いわんこっちゃない。いいから、昨日温めてあげた分のご褒美頂戴」 「あ、そういえば…猫が温かかった…ご褒美?何が欲しいんだ?」 「ご主人様かなー?」 「きゃ、却下だ!」 「そうねぇ?もうちょっとしてからにしようかなー?よろよろしてるのヤルのは面白くないし」 「猫…猫のくせに生意気だぞ!」 「猫だからねぇ?で、どうする?何か食べる?」 「…いい、寝る」 「そうね。寝て早く治してほしいし」 「なら、こっちこい」 「なーに?」 「寒いから、猫と一緒に寝る」 「珍しいね?寂しくなっちゃった?ま、いいけど」 「猫と寝てれば治るはずだ…おやすみ…」 「ん。ご褒美宜しくねー?きっちり治してからいっぱいいっぱいご褒美貰おうっと」 ********************************************************************************* 猫は意外とご主人様に気を使うかもしれないという話。 …だがしかし、その我慢はあと数時間しか持たなかったりして! ではでは!ご意見ご感想など、お気軽にどうぞー! |