プール被害(変態さん)


「イルカー!このトラップなんだけどさ…」
「あー…」
「あれ?イルカは?」
「…多分まだプールだ。授業自体は終わってるんだけどな…」
「あーそっか。…じゃあ諦める…」
「そうしとけ。さっきも怒鳴り声と共に水しぶきが上がってたから」
「夏の演習計画、今年も相談したかったんだけどな…」
「アレがいるからなぁ…」
「今日もなのか…っていうか、生徒より熱心だよな。皆勤賞だろ」
「そうだよなー。なんだかんだいってラジオ体操にも参加してるらしいから」
「うわぁ…。…イルカ、可愛そうなヤツ…」
「とりあえず今年は主任が、水が減ったらアレに運ばせることにしたみたいだから大丈夫だろ」
「毎年水ぶちまけて大騒ぎになってるもんな…」
「とりあえず、まだしばらくは大丈夫だろ。水遁で水持ってきたの見たばっかりだし」」
「被害がしゃれにならないからなぁ…」
「…俺、イルカと組む時は水着着て来てるよ。着替えもこっちの更衣室でしてる」
「プールの更衣室になんて入れないもんな…イルカの警戒と殺気も凄まじいけど、アレのは開けたら異空間広がってたりするからな…」
「俺、暗部更衣室に飛ばされたことある…」
「泣くなよ…。多分全員一度はあるからさ」
「あ、挨拶もされたし…!」
「俺はアレのこと先輩呼ばわりする暗部に、奥様にもによろしくお伝えくださいとか言われた…」
「…イルカも大変だよな」
「プールから帰ってきたら帰って来たで、席で号泣してることあるもんなぁ」
「でも泣いてもまたアレが湧くしなあ…」
「きらめく涙がどうの、全部がおいしいなんのって言ってたな。昨日も」
「あの上忍の目はどうかなってるんだろうな。確かにイイヤツだけどさ。間違ってもあんな風には…」
「考えるな。どこでアレがみはってるかわかんないぞ!」
「そう、だよな…!?そういや流石にそろそろ終わるころだし、気をつけないと」
「今年も妖怪がでたって無邪気に喜んでる生徒たちがうらやましい…」
*****
「ふぅ…。やっともどってこれた…」
「あ、あのさ。イルカ、演習の件なんだけど…?」
「ああ、気にするな。ただの駄犬だ」
「…あ、うん。とりあえず、どのトラップ配置で行くか確認してくれ。あとソレは…なんていうかもっと一目の付かない所にしまっとくわけには…!?」
「…すまん…」
「あ、うん。無理だよな。そうだよな…じゃ、じゃあ!終わったら俺の机の上においておいてくれ!」
「…駄犬、いい加減飽きないのか…!?」
「イルカ先生のステキなお尻にみっちゃくして濡れて…魅惑の…香り…ふ、ふふふふふふ…!!!水着は脱ぎたてに限りますね…!!!」
「…水着、また買わないといけないのか…くそっ!どうして毎度毎度いつの間にか着てる筈の水着を奪われるんだ!?」
「し・あ・わ・せ…!!!」
「…明日こそ…明日こそは…!」

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今年も勝ち目がなくても戦うイルカてんてーでしたとさ!
駄犬の被害は恐ろしいという話。
ではではー!なにかしらつっこみだのご感想だの御気軽にどうぞー!

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