「ここ、開けて」 「アンタまた窓から…!」 「ここが一番早いんだからしょうがないでしょ?」 「重い!しがみ付くな!…にしても、またすごいことに…。あんた桜まみれですね」 「んー。だって。アンタそういうの好きでしょ?」 「まあ花見は好きだけど…それにしても見事に桜色に染まっちゃって」 「でも他ので汚してないよ。綺麗でしょ?」 「アンタが言うと嫌味なくらいね。…風呂入ってきたらどうですか」 「あー…匂いまでは考えなかったなぁ」 「それだけ殺気立ってれば分かりますよ。いいから黙って洗って来い」 「えー?分かってるならやらせてよ」 「やなこった。花びら落として風呂入って…それからだ」 「ケチ。ま、いいや」 「ちょっ何すんだ!」 「花見しながら気持ちよくなれるんだから、いいでしょ?」 「いい訳あるか!降りろ!」 「ヤダね。風呂なんか入る時間がもったいないじゃない」 「馬鹿言うな!降りろ!」 「ヤダって言ってるでしょ?もう三日もアンタに触ってなくてしにそうなんだけど」 「なら…洗ってやるから!」 「…それもいいけど。風呂場で何度もしたらつぶれるの早いでしょ。アンタは。まあつぶれてもするけど」 「桜は綺麗だってのに物騒なことばっかり言ってないで…!」 「桜、綺麗ねぇ…?ま、木の上にいただけで鬼だのなんだの騒いでへたり込んでくれたおかげで、始末はしやすかったけど」 「アンタが桜吹雪の中に立ってたんじゃ、そりゃ綺麗だったでしょうよ」 「ふぅん?」 「色白だし、アンタ顔と身体だけは綺麗だからな。まあ、俺もちょっと…見てみたいかも」 「じゃ、行こ?」 「どこへだ!いい加減頭の煮えたようなこと言ってないで風呂に…!」 「花見、好きなんでしょ?」 「ま、まあそりゃ楽しいし、酒も美味いし…」 「他のヤツと行ったらそいつら全員…」 「アンタも来ればいいでしょうが。あんなの大人数でわいわいするのが楽しいんだし」 「ガキどもならまだしも、何でアンタを譲ってやらなきゃいけないのよ」 「…って言うと思ったんで、今年は参加しない予定ですけどね」 「嘘!」 「嘘にしたけりゃ明日ちゃんと幹事に言って…」 「そんなのダメに決まってるでしょ!あんたが花見していいのは俺だけ!」 「はぁ…まあ、今年はいいでしょう。ずっと任務詰めだったし」 「なにそれ」 「…酒はイイの用意しといてくださいよ?それからつまみは期待すんな」 「つまみなんていらないでしょ」 「塩だけなんてのは流石に…」 「俺にはアンタがいればいい」 「…アンタ馬鹿ですか…!」 「かわいい顔して何言ってんの?当たり前でしょ?」 「花見の当日受付買って出たんで、翌日は休みです。あんたの分も掛け合います」 「ん。別にいいよ。ジジイに文句なんて言わせないから」 「三代目に何てこというんだ!」 「だってねぇ?年始からこっちまともにあんたに触れてないんだけど」 「帰ってくるなりしょっちゅうひと押し倒す癖に何言ってんだ!」 「当然でしょ。あんた俺のなんだから」 「…花見には、行きます。ただし、今日ちゃんと風呂入って飯食うんならな!」 「ちょっと!なにそれ!」 「い・い・か・ら!風呂入って来い!花見、行きたいんでしょう?」 「…後で覚えてなさいよ?」 「はぁ…桜、手配しないとな…」 ********************************************************************************* 桜祭ー! いじめっこ。ニーズは常に見失いがち。 ではではー!ご意見ご感想等御気軽にどうぞ! |