今流行のツンデレってやつなんだろうか? そう零したら同僚にツンデレが今流行って一体いつの話しだよって突っ込まれた。情報に疎いのは忍としては失格だと。 まあとにかく。はたけカカシという男は奇妙な男だ。受付ではやたらつんけんつんけんするというのに、家に帰ればべたべたべたべた…。 ナルトたちのことで挨拶してからずっと険悪な態度を取られ、最初は驚いたがそれからずっと避けていたのに、ある日俺に送られたのは突然の告白だった。 「だって、好きなんだもん!」 いきなり自宅に押しかけてきたイイ年こいた男が、しかも普段は俺に敵意むき出しとしかみえなかった相手が。…大声でそんなこと言いながら玄関先でくねくねしてたら、俺じゃなくたって一発や二発殴ってると思う。 …まあ、相手は上忍だからあたる訳がなかったんだけど。 発作的に放った拳をあっさり避けられて、にやりと笑った男に「へぇ?そういう態度取るんだ?じゃ、当然責任とってくれるよね」なんて言われて攫われてやられて…それはもう朝まで延々攻められてもう何もでないどころか魂が抜け出そうなほど貪られた。 それから身動きも出来ずにぐったりしてる俺に、謝るでもなくただひたすらに涙目で俺への愛を滔々とまくし立てるのに辟易しつつもほだされたのが始まりだ。 割と壮大な告白劇だったと自分としては思うんだが。 まあとにかく、曲がりなりにも付き合いだしたった言うのに家の外だとこの態度だ。 「ねぇ。早くしてよ」 「はい」 あーあ。まただよ。仕事の邪魔なんだけどなぁ? 本人曰く、愛の篭った視線なんだそうだが、端から見たら俺を睨んでいるようにしか見えない。口調もなんというか…所謂下のものにいちゃもんつけてる上忍そのものだ。 早くしてよって言うのは、これを片付けたら俺の仕事が終りだからって知ってるせいだし、そうしたらすぐに俺を連れ帰っていちゃつきたいってことだし、周りが退くほど殺気だってるのは俺に誰も近づけたくないせいだ。 でもそんなの見てる人たちに分かるはずが無いわけで。 …つまり、周りには異常に仲の悪い上忍と中忍として知れ渡っている。 現状に悩まない訳じゃない。でも、今でも必死に俺が書類を片付けてるのを凝視して、苛立ちを全身で表現しているこの人が、本当は片時も俺から離れたがらないくらい甘えん坊で、結構優しくて、不器用で裏表が無いって知ってるから。 まあ、ついでに常識も無いんだけどな。 そろそろ何とかしたいので、ちょっとだけ。…実は結構臆病なこの人を驚かせてみようと思う。 「お待たせ。…帰りましょう?」 トントンとせわしなく机を叩いていた指先をすっと掴んで握り締め、ついでに普通の上忍と中忍ならありえない距離まで顔を寄せて耳元でそう囁いてやったのだ。 周りはぽかんとしている。ついに俺が壊れたとでもいいたげに。 でも、目の前の一応恋人はそうじゃなかったようだ。 「うっわぁ…!なにすんの!なにすんのー!」 顔も、耳までおいしそうに真っ赤に染めてそう叫ぶと、すごい速さで俺に抱きついて攫ってくれた。 受付にはまだ十分に人がいた。これで、まあ多分、…皆は俺たちの関係をそれなりに理解してくれただろう。 後は、これから冷静さなんてどこかにやってしまったこの人の相手で、やりころされないようにしなければ。 「馬鹿―!馬鹿―!大好きー!」 あの時のように大声で俺にしがみ付いてぎゅうぎゅう抱きしめてくれる恋人が、これでちょっとは素直になってくれるといいんだが。 …まあ、どっちでもいいか。俺も大好きだし。 表情は取り乱したままなのに、服をひっぺがす手並みだけは相変らず素早い恋人を抱きしめて、面倒くさい恋をしちゃったなぁと思ったのだった。 ********************************************************************************* 適当! バカップル祭なんだろうか…?後眠いから? ではではー!ご意見ご感想など、お気軽にどうぞー! |