迷い猫(猫の日)



「うぅ…寒い寒い…!早くうち帰って猫とコタツと…」
「せんぱーい!いないみたいだなぁ…。ここに引っ越したって言ってたのに…。はぁ…また探さなきゃ…。気配完全に消しちゃうから困るよ!まったく!」
「…何か、うちの前にいる…!?」
「あ!えっと!その!すみませんでした!」
「わー!?猫がもう一匹!?」
「え!?あの、僕は先輩に伝言を頼まれただけで…!確かに猫面ですけど!いらっしゃらないようなので失礼しま…わっ!」
「寒かったからなのか!?迷い猫か!?良くわかんないけど先輩って…うちの猫の知り合いなら…しょうがないよな…寒い中ほっとくわけにも…」
「あ、あの!お構いなく!ちょっ!離して下さいー!」
「なんだお前?猫のくせに遠慮深いなぁ?それともやっぱり家のは猫じゃないのか…?」
「…先輩が猫になったからって言ってたの…本当だったんだ…!?ど、どうしよう!」
「よくわからんが、安心しろ!うちの猫の知り合いっぽいし、寒い中追い出したりしないぞ!」
「え?え?え!?」
「コタツにはいって丸くなって待ってろ!」
「…えーっと!く、首!離して欲しいんですけど…!」
「本当に猫らしくないなぁ?まあいいから!ほら!温まっていけ!」
「うぅぅ…この人全然話し聞いてくれないよ…!…お邪魔します…」
「猫にコタツがそろったな!しかもこの猫は礼儀正しい!…ちょっともの足ら…いや、気のせいだ!」
「せんぱーい…早く帰ってきてくださいよー…!」
*****
「ただいまー」
「お!おかえり猫!遅かったな!お前の知り合いっぽい猫が来てるぞ!」
「…ふぅん…?」
「先輩!殺気!殺気漏れてます!僕はただ伝令頼まれただけで…!そしたらこの人が猫はコタツに入ってろって…!全然話し聞いてくれないんですよ!?この方が先輩の言ってたご主人様ってヤツなんですか…!?」
「何だ猫?どうした?不機嫌そうにしてないで、さっさとお前も温まれ!」
「…テリトリーに勝手に入ってこられたら気分悪いよねぇ…?」
「ひぃ!伝令内容だけお伝えしたら帰ります!…これです」
「あ、そ。…ああ、お前も一緒だからか。…それにしても…」
「あ、あの!それでは!失礼します!」
「あ!猫が!…すばやいなぁ!流石だ!普段のお前ののたのたした様子とは大違いだな!」
「勝手に入って来たのは後で何とかするとして…ご主人様の浮気は許せないよねぇ…?」
「なんだ…?お、おい猫…!?」
「俺以外のは、勝手に家に上げちゃ駄目でしょ?」
「寒い中凍えてお前を待ってたからだ!しょぼんとしてたし、礼儀正しいし!」
「…なぁに?アイツのほうがいいの?」
「猫は一匹で十分だ!…それにあの猫は何か礼儀正しすぎて猫っぽくなくて物足り…いや!なんでもない!」
「なるほどねぇ…?ま、いっか」
「おい猫!もうちょっとコタツに入ってろ!冷えちゃうだろ?」
「んー?でもやりたいことがあるからねぇ?」
「みかんもあるぞ?」
「…お仕置き、覚悟してね?」
「へ?わっ!なんだ!?なにすんだー!?」
「浮気性のご主人様を持つと苦労するねぇ?全く」
「や、やだ!離せー!」
「猫だから無理―」
「うわぁ!」
*****
「…で、分かった?」
「分かったようなそれ所じゃないような…!?」
「俺の縄張りに他所猫入れちゃ駄目。知り合いでも駄目。危ないでしょ?」
「そうだな…お前ら喧嘩するんだもんな。一瞬で追払われてたってことだから…気をつけないと…!」
「ま、その辺はおいおい」
「猫…お前は奥が深いなぁ…」
「んー?ま、ご主人様は色々危なっかしいから俺がちゃんと気をつけてあげる」
「態度がでかいぞ!」
「猫だしねぇ?で、続き?」
「し、しない!いらない!」
「そ?じゃ、寝る?」
「…そうだな…眠いし…お休み…」
「相変らず寝付き良すぎ。ま、起きてからにしようねぇ…?」
「うぅ…迷い猫注意しないと…!」
「かわいいかわいいご主人様?今度浮気したら…色々しちゃうよー?」


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猫がもう一匹増えました!?編っぽい感じで一つ。
えー…ご意見ご感想など、お気軽にどうぞー!

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