酷暑の怪奇8(変態さん)


「ソレが本当なら、四代目は…少しでもナルトに会えたんだな。碌でもない貴様の術関連は信用ならんが、そこだけは信じたい…」
「浚っちゃおうとしたけどダメだったっていってましたねぇ。時空が歪むからやったらいけないことだって分かってたけど、理性が跳んじゃうくらいかわいかったらしいですよ?」
「…話は分かった。っていうかまさか貴様が変態になった原因の一部は四代目が関わってるのか…!?言動が似てる…いや一応あれでも里の英雄…!」
「う、浮気はだめですからね!いくら四代目相手でも!」
「亡くなられた方に失礼だろうが!そもそも男相手にそんな気起こすわけないだろ!…まあいい。で、それからどうなったんだ!考えたくもないが、この俺そっくりの子は、まあようするに…う、うぅ…!とにかく!帰るところがある子どもなんだろう!?どこから引っさらってきたかしらないが、とっとと戻せ!貴様の勝手な都合で連れまわすな!かわいそうだろうが!」
「ま、確定じゃないですけどね!」
「へ?」
「四代目が言うには、未来の欠片?だかなんだかを手繰り寄せる何かがあるとかなんとか…。心の底から願えば叶うらしいですよ!だからここが神社になったって!」
「うそ、だろ…!?」
「でもぉ…練習代わりに使ったここのお札でイルカせんせの夢にでてきたのは…間男候補…!油断できませんよね!」
「貴様がな!ろくでもない夢もこの状況もなにもかも貴様のせいだろうが!引き寄せるとか何とか言ってたが、戻れるんだろうな!」
「はぁい!もっちろーん!だって今はお祭りですから!」
「まだるっこしい!とっとと言え!」
「え、い、いいんですか…!なんていうか…もう二人っきりの生活もすっごくすっごく楽しいんです!だからずーっとずーっと二人っきりでもいいんですけどぉ…!でもほら、爺婆どもが多少五月蝿いっていうかね!ま、すぐ抹殺もできるんですけど!」
「おいまて!?そ、それご意見番のことじゃないだろうな!?何てこと言いやがる!…ってもしかして味方なのか…!」
「それにぃ!イルカせんせにそっくりな子だったらもうもう最高っていうか…!いっぱいいっぱいすればできちゃうかもしれませんって言ったら、仲良う励めってお休みまでくれたんですよね…!さ、さっそく!」
「誰なんだ…!?まさかご意見番まで…!?」
「ねぇねぇまだー?」
「そうだった!ごめんな?…こんな子ども親元から引き離すなんざなんてことしやがるんだこの駄犬!」
「親ならここに!二人の愛が結ばれて芽吹いて…!やっぱり種付けって大事ですよね…!」
「黙れ!しまえ!むしろお前が変態じゃない世界はないのか…!祈れば…!?」
「そろそろメインイベントですし!ささ、どうぞ!特別席ですよー!むっちり座っちゃってください!好きなだけ動いていいんですよ…!」
「そうだ花火!それで戻ったんだった!」
「母ちゃん?」
「あー…もうこの際か…。ごめんな。折角の花火だし、駄犬もどうしようもないだろうから、いっしょに見てからでもいいか?」
「花火、あ、そっか。時間、だ」
「な、どうしちゃったんだよお前!?なんか、透けて…」
「父ちゃんと仲良くね!あ、でも油断しちゃだめだから!トイレとかお風呂場だけじゃなくて更衣室もトイレも大好きだけど、時々机の下に隠れて匂いとかかいでるからね!下駄箱も要注意だし!ロッカーにもいつもいると思ったほうがいいよ!まあ大抵我慢できなくて母ちゃんに襲い掛かって兄ちゃんと俺に迎撃されてるけど!」
「なっ!?駄犬貴様そんなことまで!?…え?兄ちゃん?」
「あー!いたー!イルカせんせー!」
「待てドベ!大声だすんじゃねぇ!まださっきの金髪の変質者が潜んでるかもしれないだろ!そこのガキまで危険に晒す気か!」
「あー!?いた!ってなぁどうしたんだってばよ!?お前まさか…幽霊!?」
「ちっ!ウスラトンカチ!離れろ! 何の術かわからないだろ!」
「術ぅ!?そういやさっきも急に足元が光って…!」
「父ちゃん!またね!帰ったらいっぱい踏み台ごっこしてあげるから!」
「あ、あぁあ…!俺のかわいい息子さんが…!」
「また遊んでね!ドベにいちゃんとうすらとかち!」
「なんだと!く…っ!消えた」
「なぁ…イルカせんせ…!アイツ大丈夫なのかよ!?」
「あ、ああ。そのはずだ。…そうだな?駄犬?」
「うっうっ…!かわいいかわいい息子さんが…!」
「…またコイツ絡みか。鬱陶しい。行こうぜ」
「あ、え!でもイルカ先生とそっくりのチビすけはどうなったんだってばよ!?」
「そこの馬鹿上忍師の術かなんかにひっかかったんだろ。…お前、どうせ殆ど縁日回れてないんだろ?どうすんだ?勝負とか言ってたが、逃げんのか?」
「そんなわけねぇだろ!おめーこそ覚悟しろってばよ!…あ、でも…イルカ先生」
「二人で行っておいで。コイツはなんとかしておくから」
「…アンタも大変だな。イルカ先生」
「まあ、な。お前もお疲れ様。大変な目に遭ったな」
「ふん。大したことじゃない。じゃあな」
「行って来るってばよー!」
「…おい駄犬。いつまでめそめそしてるつもりだ」
「うっうっ…!だって…!だってぇ…!俺のかわいいかわいい…!でもイルカせんせが側にいてくれれば…!」
「泣くな鬱陶しい!花火、見るんだろ?」
「は、はい!勿論…!二人っきりでじっくりとつながりながら…!」
「ソレは却下だ。で、どうする?それ以上を望むならいっしょに見てもやらんが」
「見ます!ささこちらへ!ちゃああんと!ビールとか素敵なお薬とかおつまみとか素敵なおもちゃとか…!」
「ビール、貰うぞ。…ああ、きれいだな…」
「そうですね…!花火に照らされたイルカせんせのうなじが…も、もうもう…!」
「ああくそ!全部お前のせいだからな!訳の分からん子作りは全力で拒否するが、花火ぐらいはいっしょに見てやる」
「はぁい!そ、そうですよね…!もうしばらくは新婚気分でいっぱいいっぱい…!」
「あの子も見てるといいな…せめて」


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変態さん。
寂しくなっちゃったイルカせんせ。
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