酷暑の怪奇(変態さん)


「ママー!」
「へ?あ、あれ?なんか見覚えがあるようなないような…!?」
「久しぶりだね!ママ!」
「そ、そうか?ママってどういうことなんだ…?」
「アイツ、早くいなくなっちゃえばいいのになぁ?」
「…前に、どっかで…駄犬そっくりで…そういやなんかあのときより育ったか?」
「ふふ…!ね、楽しみだね!」
「ってこら!いいか?どんなヤツでもいなくなっちゃえなんて考えたらダメだぞ?基本は!もちろん命を狙ってきたような連中にわざわざ無抵抗でいる必要はないけどな!」
「ん。そうだね!今はそんなことよりママと一緒にいられる方がいいもん!」
「そうか!だが俺は男でママなんかじゃ…!」
「ね、行こ!今日夏祭りでしょ?ママの好きな焼きそばとかビールとかおごるよ!」
「子どもにおごってもらうほど困っちゃいないぞ!お前こそ育ち盛りだろ?細っこいし…ちゃんと食えよ?」
「んー?でも今一番食べたいのって…ねぇ?」
「なんだ?縁日のくいもん苦手なのか?そういや味濃いし油多いっちゃ多いもんな…?そうだなぁ。そうだ!射的なんかもあるし!俺も腕に覚えがあるから勝負するか?」
「どうせなら、ママに」
「そうだ。祭…。うぁ…!頭が、いた…!」
*****
「イルカせんせ!イルカせんせ…!大丈夫ですか…!」
「うぅ…!?駄犬!?」
「魘されてたから心配で…!」
「心配で全裸で人にまたがって股間まさぐるのか貴様は…!?」
「ごめんなさいごめんなさい…!だ、だってぇ…!幸せな未来が見られるって言うから…!」
「ちょっと待て!?妙な夢見たと思ったら…!まさかまたわけのわからんもん持ち込みやがったのか!?いい加減にしろ!この駄犬が!」
「あぁん!むしろ今し・あ・わ・せ…!」
「術か札か…ナニ使ったか言いやがれ!」
「えっとぉ!これでぇす!」
「お守り袋?ってこれ木の葉神社のじゃねぇか!」
「そうでぇーす!むかぁーし俺の先生にコレを枕元に仕込むと幸せな未来が見られるって…!」
「…そうか。駄犬が付きまとってはいなかったってだけでも幸せなのか…?だがミニサイズの貴様そっくりのが側にいたしな…?まあ大分態度は良かったが」
「…まさ、か…!?」
「まあそんな与太話はいいから、さっさとソレどっかにしまって来い。どうせただの夢だろうが、気色悪いからな」
「間男…!くっそう!でも諦めませんからね!」
「なにがだ!?喚くな鬱陶しい!折角の夏祭りにでかける予定が貴様が襲ってきやがったせいで…!」
「あ、大丈夫でぇす!夏祭りプレイのために元気になるお薬とぉ…!あぁん!」
「薬は貰っておいてやる。俺は祭りに行く。駄犬。貴様はしばらく俺の視界に入るな」
「あぁん!目隠しプレイですね…!それならお祭りの後にたぁーっぷり…!」
「チッ!やはり無駄か…!まあいい。…放っておいても危険なだけか…。いいか?妙な真似も邪魔も絶対にするなよ!」
「はぁい!イルカせんせとお祭り…!花火と共に俺のもはじけちゃったりなんかしてもうもう…!」
「チッ!…せめて焼きそば位は食いたいんだがな…」
「神頼みとかしてみちゃおうかなぁ…!ついでに永遠の愛と絆も誓ってきちゃってぇ…!それからはもう目くるめく真夏の…!」
「…平和だけでも祈願してこよう…」


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変態さん。
つづいたらどうしよう。
ではではー!ご意見ご感想等御気軽にどうぞ!

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