真夏の夜の夢(適当)


今日も、寝てる。
「…ん…」
無防備に可愛い声だして、寝返りなんか打っちゃって、窓も全開だし、本当なら今すぐここから飛び込んで、驚いてる間もないくらいの速さで、全部綺麗に食っちゃいたいくらいだ。
「でもなー…流石に駄目だよねぇ?」
この格好じゃ、何もかもがバレバレだ。
里を守るために。
そのために敢えて名も顔も全てを隠し、闇の中に身を置いているけれど、特徴的過ぎるこの格好のせいで、自分が暗部だっていうのは隠せない。
自分が例え死に近くても、この部隊に身を置くことを望んで、納得しているとはいえ、告白するには無理がある。
「顔も見せられないなんて…」
好きです!って言っても、きっとその言葉どおりに受け取ってもらえない気がした。
正規部隊の忍たちに、むやみやたらに恐れられてるってついこの間知ってしまったのが、俺を更に臆病にさせた。
本当は、触れたい。
半開きの唇からほんの少しだけ覗いている舌を唇ごと吸い上げて味わって、肌蹴たパジャマの隙間から手とか、それよりももっと熱いモノをねじ込んで自分のモノだって印を全身に刻み付けてやりたい。
…でも、このすばらしく無防備で美味しそうなご馳走を、今日も指をくわえて見つめることしか出来ない。
じーっと見て、それで何が変わるって訳じゃないんだけど目は離せなくて、悪い男が入る込むのを防ぐためなんて言い訳をつけながらねこける人を見つめた。
「…ふふ…!」
「…っ!?」
笑った。ふわりと、優しい声で。
心臓がバクバクする。壊れてしまうんじゃないかってくらい激しい鼓動に耐えた。
きっと何か楽しい夢でも見てるんだろう。
でも…こんなに可愛い人はどこかに閉じ込めておいてくれないだろうか?
その呟きが現実になるはずもないって分かっていたんだけど。
…それから、任務召集の式が届くまで、俺はまんじりともせずに男を見つめ続けた。
*****
色々あって、晴れてやっとあの暗い所から抜け出して、始めましてなんていう可愛い人を口説いて迫って拝み倒して恋人になってもらった。
あの時、俺の息の根を止めかけた笑顔は、肌が触れるほど近くで見ると蕩けそうな幸福感を運んできてくれる。
…ついでに、抑えきれない欲望もなんだけど。
で、その欲望に従順に、今日もしっかりきっちり全部頂いてしまって。
いまだその身に残る熱を冷ましたいのか、窓を開けて吹き込む風に目を細めるのを見て、ふと思い出したのだ。
あの頃、いつも窓辺から眠るこの人を見つめていたことを。
「ってわけなんですよ」
…笑い話になるかなぁと思ったんだけどなぁ?
「性別とか覗きは駄目だとか色々言いたい事はありますが、それ以前に…同意もなしにどうこうしようとしちゃだめです!」
火照りを覚ましていたはずなのに、顔を真っ赤に染めた美味しそうな恋人に怒鳴られてしまった。
「え、えっと。ごめんなさい?」
よくわからないながらに謝ったら、ふぅって溜息が下げた頭の上を通り過ぎて行った。
「…やっぱり、俺がいないと駄目だよなぁ…。これじゃ目ぇ離せねぇって…」
なんだかわからないんだけど。今も、全然。
…でもとりあえず、その独り言はこれからも俺のぞばにいてくれるってことでイイんだよね?
「えへへ!」
ついつい笑っちゃったら、イルカ先生がまた大きな溜息をついて、それから鼻傷を掻きながら俺を抱き寄せた。
「アンタそんな無防備に笑ったら駄目ですよ?どっかで悪いのに目ぇ付けられたらどうすんですか!特にアンタの方がどこで誰に見られてるかわかんないのに!…強いからって油断しない!」
そんなの絶対に大丈夫なのに。
「俺が笑うのってイルカ先生にだけですよ?そもそも素顔晒すのもイルカ先生だけだし。大丈夫ですって!」
力いっぱいそう言ったらイルカ先生が低い声で唸りだして、心配して抱きしめ返したらぎゅうぎゅうくっ付かれた。
そんなことされたらまたその気になっちゃって、なんでイルカ先生が唸ってるのかわかんないけどまあいいやって、結局またイチャイチャした。
幸せだから俺としては結果オーライなんだけど。
…イルカ先生って奥が深いよねぇ?大好き!


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適当ー!
拍手で頂いたネタだったんですが、なぜかモリモリアホの子をふやしたくなったのでー…!
この勢いのまま明日イルカてんてー編が増えても生温く笑って許せサスケー…!←違。
ねむいー…←ドサクサ。
ではではー!なにかしらつっこみだのご感想だの御気軽にどうぞー!

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