衣替え(毒と暗部にご用心!)

「なにやってんの?」
「見りゃ分かるだろ!…衣替えだ!」
「へー?」
「お前こんなコトも知らないのか?…任務漬けだからなぁ…。」
「こうやって服を部屋中に巻き散らかすのが衣替えってやつなの?俺が知ってるのと違うけど。」
「巻き散らかしてるんじゃない!ただ…その、たんすが一杯になったから、ちょっとどうやって仕舞うか考えながら引っ張り出してたら訳がわかんなくなっただけで…ちゃんとこれから片付けるんだよ!」
「無理なんじゃない?」
「なんだとう!俺は…そりゃ片付けは苦手だけど…!」
「だって、俺の服もあるから入らないの当たり前でしょ?」
「ああ!?そうか!だから俺、あんまり普段着持ってないのにたんすがいっぱいなのか!」
「ま、俺もあんまり服持ってないけどね。」
「そうすると…収納考えないとなぁ?物置に入れられる量も決まってるし。」
「んー?俺んちにしまっとこうか?今要らないやつ。」
「お前…家なんかあるのか!?」
「一応ねー。忍犬と武器が置いてあるだけだけど。」
「…ソレって、家じゃなくて倉庫って言わないか…?犬は別として!」
「そうね?で、どうするー?コレとかコレとか…こっちのもいらないんじゃない今は。」
「そうだなぁ?こっちのTシャツとかは出して、こっちの半纏とかは洗ってから、どっかにしまって…布団も交換しないと。」
「ま、なんでもいいけど。…それ、今日じゃないとダメなの?」
「こういうのは後でやろうとするといやになるだろ!…今日中に終わるかどうかはわかんないけど…。」
「じゃ、俺が片付けるね。」
「なんでだ!」
「だって俺がやったほうが早いし。」
「くっ!そんなコト言ってもお前一人だけじゃ片付けられるわけないだろ!この惨状!」
「ああ、自覚はあったのねー?ま、大丈夫大丈夫。俺こういうの得意だし。」
「ホントか…?」
「ほら、戦闘後の処理に似てるでしょー?要る物だけ取って、使えそうなものもついでに剥ぎ取って、いらないのは燃やして。」
「嫌な例えだな…。」
「ああでも、手伝ってくれるならさっさと片付けちゃおうよ。」
「おう!俺がちらかし…いや、片づけ中だったヤツだから、もちろん!」
「布団もついでに干しちゃおうねぇ?」
「そうだな!折角天気いいし!」
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「大分片付いたな!」
「そうね。」
「コレから風呂入って、飯食って…」
「それからいちゃいちゃするよー。」
「はぁ!?」
「掃除して適度に疲れたイルカって最高だから。」
「なんだよそれ!?」
「風呂入る?その前にヤル?」
「なんだよ!近寄るな!風呂には入るし飯も食う!」
「じゃ、やっぱりその後ね。」
「だからなんでだよ!」
「イルカがかわいいから。」
「わーわー!?黙れ!」
「…風呂入りながらでいっか。」
「うわぁ!?下ろせ!」
「ご飯も食べさせてあげるからー。」
「なんでだー!?」

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イルカちゃんが頑張る姿はとても美味しそうに見えたそうで…!
と言うわけでいちゃいちゃしたりしなかったりする二人。
天候が不安定なせいで衣替えが中々出来ないでいるのでこそっと…。

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