粽愛情柏餅(かぼちゃのてんぷら)


「美味そうだなぁ!今年もやっぱり!」
「あらら、すごいことになってるね」
「あ!おかえり!へへー!すごいだろう!」
「えーっと。一応聞くけど、これどこで貰ったの?」
「えーっと?こっちの柏餅は商店街のおばちゃんで、そっちのは農家のおばちゃんから。そんでそっちの粽は近所のおばちゃんからで、その箱に入ってるのは三代目からだぞ?」
「今年も大量…っていうか、相変わらず愛されてるっていうか…」
「子どもの日だからな!…なんでか知らないけど、昔からイルカちゃんにってくれるんだよなぁ…。もうイルカちゃんって呼ばれるような年じゃないんだけど、昔っからこの日はみんな俺に食い物くれて…」
「ま、分かる気がするけど」
「まあみんないい人なんだけどな!みんな一応お前にもって言ってたぞ?ちゃんとお前の分とって置いたからな!」
「あー…コレで全部じゃないってことなのね。…流石にこの重箱の大きさじゃ、そういわないと心配だったんでしょ?あると全部食べちゃうもんねぇ…?」
「すごいよなぁ…!こっちのは味噌あんで、こっちは白あんで、こっちは粒で、こっちは漉し餡で…粽も美味そうだよなぁ…!中華粽ってのも貰ったぞ!」
「まあかわいいって思うのは良く分かるんだけど…だからってコレはダメでしょ流石に」
「ん?なんか言ったか?」
「甘いものばっかりは禁止ー」
「あとこっちは…あー!返せー!」
「だーめ。…返したらどうするつもり?」
「だ、だから、その!…どれも美味そうだし、貰い物なんだからせめて一個ずつは…!」
「ま、それくらいなら譲歩しましょ。俺も食べるしね。ちゃんと野菜も食べなさいね」
「おうとも!いっぱい食え!そんで多分5日中に食べきるのは無理だから、子どもたちにも分けようかと思ってるんだよな?ナルトとかサスケとか…多分自分で買わないだろ?」
「ま、いいけど。後で届けてきてあげる」
「え?呼んだらダメなのか?」
「ダメかもねぇ?」
「なんでだ!みんなで食べると美味いんだぞ!」
「んー?俺が飢えてるからかなー?」
「飢えてるって…大丈夫か!?今すぐなんか食え!とりあえずほら!甘いもの苦手でもこっちの粽ならしょっぱいって…!」
「食べていーの?」
「あったりまえだ!腹減ってるなら全部食ったって…まあちょっと味見はしたいけどな!」
「そ?じゃ、遠慮なく」
「へ?…なにすんだ!?」
「柏餅で舞い上がってたのね?いつも以上に隙だらけなんだけど」
「なにすんだー!ちゃんと粽はあっためて食べなさいって言われてるんだぞ!」
「怒るところはそこなのね…ま、いいんだけど」
「やっあ…!なに舐めて…!」
「乳首?」
「わー!?わー!?言うなー!?そういう意味じゃない!…って、なんで!?腹減ってんじゃないのか!?」
「減ってるよー?イルカ不足でもうしにそうなくらい。食い意地張ってるのに、ちゃんと俺の分とって置いてくれるし、かわいい顔で柏餅睨んでたくせに、ちゃんと待ってたもんね?」
「そ、そりゃ当たり前だ!お祝いはみんなでするもんだ!」
「んー?じゃ、それは後でね?…もう我慢できない」
「んんっ!?あ、うぁ…っ!」
「真っ赤でかわい。いっぱい鳴いてね?」
*****
「なにすんだー…!腰が…腰が…!」
「ちゃんと子どもたちの分届けといたよー?」
「うぅ…!それはありがたいんだけど!みんなでお祝い…!」
「俺とじゃダメ?」
「だ、だめじゃないけど!子どもの日なのに…」
「ちゃんとお礼も言えてたし、だんだん育つもんなのね。子どもって」
「そっかぁ…!それなら…!ちょっとずつ育って、いつかは巣立つんだもんな…寂しいけど…!」
「二人してこいのぼり上げてたのも我慢したけど、ずーっと一緒は流石に、ね?」
「ん?なんか言ったか?」
「なんでもないよー?…もっかいしたいなぁって」
「もっかい…もっかい!?無理に決まってるだろ!腰が…!柏餅のお礼にもいけない…!」
「それはまた今度行けばいいでしょ?…一緒に」
「絶対だからな!うぅ…柏餅食いたい…!」
「もうちょっとアピールした方がよさそうかなー?」

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かぼちゃのてんぷら。
ねむいでごわす!
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