その声(ヤンカカモノ 連載的な何か10)


ヤンカカモノ連載的な何か。その10。
イルカてんてー視点?
微エロ&いつも通りやや病んでるので注意?


「んぅ…うぁ…っ!」
己の内に取り込んだ熱はかすんだ記憶の奥にある物よりずっと熱くて、大きくて、俺の欲望を引きずり出す。

ずっと一人でいても、誰かを欲しいと思ったことなんて無かった。
欲しいのは一人だけ。

それが誰かも思い出せないのに。

ずっとずっと…その誰かじゃないから駄目だった。

俺が中忍になってからすぐ、三代目は寄り添う誰かを持てとそういう話を持ち込むようになったけれど、そういう意味で誰かに触れるのは耐えがたい苦痛だった。

まだ早いからと流し続けて、その度に親代わりのやさしい老爺は俺を心配そうに見つめていた。

その時だけは…里長としてでなく、きっとただの身内として言ってくれていたのに。

…悪いことをしたと思っている。

それでも、どうしても…受け入れることなど出来なかった。
俺が欲しいのは一人だけ。…記憶にすらないのにそれはどうしても変えられなかった。

当然…触れられるのも。

戦場に出るようになって、そういう目でみられたことが無いわけじゃなかった。
まだまだ細かったし、なにより木の葉の里も忍も、今よりもっとずっと荒んでいたから。

だが結果的に一度もそういう意味で他人に触れられることは無かった。

大抵、そういう忍は配置換えされるか、いつの間にかいなくなってしまうから。
もしかすると里長の手引きだったのかもしれない。
過保護な所がある人だ。いつも慈愛と…どこかに深い不安を宿したまま俺を見ていた。

…だから、自分の中にこんなに強い衝動が潜んでいたなんて、知らなかった。

脳が焼けつくような快感と、震えそうになるほどの歓喜。
求めても求めても足りなくて、それは乱暴なまでに俺を求めるこの人もきっと同じで。

求める先にずっとずっと待っていた相手がいることに、理性なんてモノの存在すら忘れた。

つながった所から痺れるような…蕩けるような熱が広がって、溶けてしまいそうだ。

「イルカ…イルカ…!」

俺を呼ぶ声は甘く脳を震わせて、その存在を刻み込んでくれる。
触れるところ全てでこの男を受け止めて。

涙が止まらない。

懐かしさと歓喜と…それから理由の分からない悲しさで。

「だ、め…っもっと…っ」

「ん。俺も、足りない」

求めて、求められて、応えて、応えられて。

それが確かに恐ろしいほど幸福なのに。

「ねぇ…ごめんね…?もう離さない。…離せないよ…」

激しく腰を動かしながら、快楽に酔いながらも貪欲な瞳とは裏腹に、眉をしかめて苦しんでいるように見える男が囁く。

あの時もずっとこうだった。
…欲しかったのは俺も一緒なのに。

だから、今度こそ俺が…。

「あいしてる」

喘ぎ声に溶けたそれが言葉になったかどうか分からない内に、何度も押し寄せる激しい絶頂の波に、意識が白く白く染まった。

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久々にヤンカカモノー!
プッシュしていただけたのでー!
…病んでる?
まあとにかく…苦手な方はご注意を…!!!
ではでは!ご意見ご感想など御気軽にどうぞ!

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