獣を拾った話(適当)

「行くぞ!」
「や、だからなんであんたが仕切ってるのよ」
自慢じゃないが上忍だ。それに階級問わず選ばれたものしかつくことができない部隊にも所属している。
暗部なんて普通は恐がられるものなんだけどね。
「だってお前怪我してるじゃん?年近そうだし!」
たったそれだけの理由で、この子供は俺を子ども扱いする気らしい。
ま、いいんだけど。高々Aランクごときで怪我なんかした自分も悪いし。
もともと階級がどうのって話もあんまり好きじゃないしね。部隊をまとめるためにはある程度必要だとは思うけど。
そもそも今いるところなんて完全実力主義だから、階級が上だからってどうのこうのいう馬鹿はいない。
「…手当てありがと。でもいいからおいてきな」
たまたま結界を張る前に入り込んできただけの子供だ。
…いや、額宛はしてるから多分下忍にはなってるんだろうけど。
一応戦闘を終えたばかりのここにおいておくのは危険だろう。
怪我は深いが、大技を使う前に部下は逃がした。
見せ付けるように派手に敵を片付けたから、残党がいても逃げることに集中してると思うんだけど、わかんないしね。部下だって、帰れとは言ったけど、多分戻ってきそうだし。
出くわしたら面倒なことになるのが目に見えている。
怪我にわめかれるのも、戦闘でこの子供が傷つくのも見たくない。
「ヤダ」
…なんでこう態度でかいのかね。
「ヤダじゃないでしょうが。いいから帰んな」
「ヤダっていってんだろ!お前怪我してるのに!大丈夫だって!ちゃんと痛くないように治療してくれるから!」
何の心配をされてるんだか良くわからない。俺暗部なんですけど。
「痛いのは慣れてるからへーき。…ここは危ないから帰れ」
命令になりきらなかったのがまずかったんだろうか。
それともこの子供は頑固そうにみえるからそのせいもあるのか。
「なおさらおいていけるか!…ああもういいや!めんどくさい!」
いきなり怒鳴られた挙句に背負われてしまった。
「えーっと。重いんじゃないの?」
「けが人くらい運べなくてどうすんだよ?寝てろ!」
「あーはいはい」
チャクラもいい加減尽きかかっている。この子供を説得するのは相当骨が折れそうだ。
ま、いいか。たまには。
「返事は一回だ!里まで走るからちゃんとつかまってろよ!」
言葉通り走り出した子供は、思ったよりは随分と足が速い。
この分ならすぐに里につきそうだ。
「帰ったら…」
報告は部下がやってくれるだろうし、少しの間ならこの子供で遊ぶのも楽しいかもしれない。
とりあえずお礼ってのも必要でしょ?
「黙ってないと舌噛むぞ!」
一生懸命な横顔に、妙に胸が騒ぐ。
里に帰ったらその答えがわかるまでこの子供のそばにいてみようかと思った。


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とりあえず子カカイル祭りとか。
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