きよらかな

妖物退治などという怪しげな任務が振られた。
自分はまだいい。
もうあの時のように見ていることしかできない子どもじゃない。
たとえ九尾が相手でも、戦えるし、戦って滅ぼすコトにだって、何の抵抗も無い。
だが一つだけ心配があった。
マンセルに指定された中忍のうちの一人が、俺の愛しい人だったのだ。
その化け物は魂が清らかな人間を好むというから、あの人を同行させるのは酷く心配だった。
誰もが欲しがるその優しい笑顔は慈愛なんてものをくだらないと嗤っていた俺でさえ簡単に変えてしまった。
その真っ直ぐな心で、ひねくれて全てをあきらめていた子どもさえ変えたのだ。
…魔物が欲しがらないとどうしていえる?
自分とて、欲しくて欲しくてたまらなくて、強引な手を使ってその手を独占することにようやっと成功したのに。
今更他の誰にも渡すつもりになどない。そんなこと、許せるわけが無い。
だから、腕に中にずっと閉じ込めておきたい人に、任務を断るよういったのだ。
…だが、当の本人には鼻で笑われた。
「アンタ相変わらず馬鹿ですね。…俺は忍だ。あんたと同じ。清らかな訳ないだろ?」
諭すような口調は、呆れを含んでいるのに優しい瞳がしょうがないなと笑っている。
この人はいつだって俺の魂ごと全てからめとる。簡単に。
それなのにこの人は無自覚に人を引き寄せ、魅了し、それでいて己の価値になど露ほどの注意を払わない。
不安はむしろ強くなった。
だから、何とかして思いとどまらせようと思ったのに。
愛しい人に愛と傷ついて欲しくないのだと必死で言い聞かせようとした口は、その甘く柔らかく微笑む唇が塞いでしまった。
「ん…っ…!」
心地良い。いつだってこの人に触れるだけで、イってしまいそうなほどだ。
「大体あんたと散々気持ちイイことしてるんだから、大丈夫に決まってるでしょう?こんな爛れたことしてるのに清らかなんて無理です…我慢するのもね」
にっこり微笑んだ愛しい人は、僅かに怒りを匂わせる声でそう言った。
その誘うような台詞に、当然の事ながらムラムラきて止まろうなんて思いもしなくて…きっちり全部頂いた。
鳴いて喘いで俺に縋って…でも、この人はやっぱり清らかだった。
何をされてもたとえ匂い立つような色気を放っていても、その心が変わらない。
変わらないその真っ直ぐさこそが、清らかでなにものにも曲げられることの無いその心が…俺を心配の原因だ。
俺を説得するためか、自分のセリフで興奮したのかは分からないが、イルカはえらく積極的だった。
だが、それが却って心配で心配で…。
俺は、やっぱりどうにかしてこの任務からは外してもらおうと思ったのだった。

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てきとうー!
半分以上寝てますがね!うふふ!
ではではー!ご意見、ご感想などお気軽にどうぞー!


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