「えっと…」 「酒、何飲む?」 「ビール…」 「中生二つー!」 「うー…」 「他の注文は後でいいだろ?それより、どうしたんだよ?」 「…あのな…?」 「なんだよ。ここ個室だし、誰もいないぞ?さっさと言えって。楽になるかもしれないし」 「…俺の部屋って、おまえの隣だよな?」 「そうだけど…そんなことでいきなり俺を式なんかで呼び出して、こんなとこにつきあわせてんのかよ?…何があったんだ?」 「うちに帰ったら…」 「帰ったら?」 「いたんだ」 「だから何がだ!さっさと言えって!」 「ビールお待たせいたしました!」 「あ、はい!ありがと!…ほら!これ飲んで!とっとと話しちゃえよ!」 「…そうだよな…んぐんぐんぐ…ぷはぁ!」 「ほら!いい感じだろ!な?言っちゃえ言っちゃえ!」 「カカシ先生がさ。出したばっかりのコタツの中で、まったりとくつろいでお帰りなさいイルカ先生って…!」 「はぁ!?」 「そんで、びっくりして一回外出て、侘しさ溢れる独身中忍寮だって言うの確認して、それから表札見て、郵便受け見て、それで戻ってきたのにまだいたんだ!」 「…に、任務とかさ!あと、もしかして下忍たちの元担任教師だからソレで相談とか…!」 「でも!いきなりくつろいでるのってアリなのかー!覆面してなかったんだ!それに飯とか用意してあったし!!!」 「忘れろ!…つーか俺はどうしたらいいんだ!?俺んちの隣に上忍様が居座ってるなんて…!?」 「上忍なら何しても許されるのかー!俺の…俺の憩いのコタツタイムが…!」 「それにしても、お前がコタツ出すのっていっつも早いよな。中忍寮内で最速だぞ?へたしたら里内で一番…」 「そっか!一番か…へへ!」 「喜ぶなって!俺達一応忍なんだから、隙間風入って寒いのは分かるけど、もうちょっと耐えろよ!」 「いやだ!コタツはサイコーなんだ!」 「…わかるけどなー…。って本題!ずれてるずれてる!」 「そ、そうだった!…もしかして…コタツが温かそうでうっかり誘われたんだろうか…!?」 「上忍が…?…なあ。これ飲んだら戻ろうぜ?俺も一緒に行ってやるから!っていうか、俺が不安だから!コタツ出す度に上忍に湧かれてたまるか!」 「そ、そうだな…帰ろう!」 ***** 「ここ、だよな?俺の部屋…!」 「そうだけど…気配とかない…って当たり前か、上忍だし」 「た、たのもー!」 「お前ソレ変だぞ!?」 「他になんていえばイイんだ!」 「お帰りなさい!お出かけ長かったですね!ご飯できてますよ!」 「ほ、ほんとにいた…!」 「ここここ!ここはおれんちです!何で勝手に…!」 「ああそうだ。ね。イルカ先生。手、貸して?」 「え?あ。はい」 「お、おいイルカ!ひっ!な、なんでもないです…!」 「えい」 「いってぇ!何するんだ!」 「よいしょっと…出来た。じゃ、提出してきますんで。先に食べてて下さい」 「なぁ!?今のって…!婚姻届け…!」 「いきなりなんだったんだ!?こ、こんいん!?」 「止めてこないと!ってもう間に合わないか!?」 「なんでだー!?」 「ただいまー」 「お帰りなさい!?なのか!?」 「まだ、いたの…?」 「ひい!?…すまんイルカ!俺は自分が可愛い!あ。でも結界張ってください!聞きたくないんで色々!」 「わー!待てよ!」 「え?だって昨日、受付で押しかけ女房もいいよなーって言ってたじゃない?押しかけ夫でもいいでしょ?」 「違う!大幅に違いすぎるから!大体勝手に書類だしたー!?」 「ささ。先ほどから晴れて夫婦…って言うか夫夫ですね!末永く宜しくー!」 「なんでだー!?」 「まぁまぁ。幸せになりましょうねー?」 「わっ!おふとん?」 「まずは…とりあえず分かりやすい方向からで!」 「あっ…!や、やだぁ!なにすんだー!」 「あー幸せ!…でも、これからもっともっと幸せになりましょうね…!」 「はっ…あぁ…んぁ…!」 ******* 「ココも引っ越さないとですねぇ?」 「な、なんで…?」 「え?ここ、独身寮だから。もうイルカ先生は住めませんよ?」 「や、やだ!俺はここから出て行かないぞ!」 「うーん?ここ買い上げてもいいんですけどね?」 「そうじゃなくて!俺は結婚なんて同意してない!」 「でももうしちゃいましたよ?俺の家広いし温かいし犬もいますよ?」 「温かい…?」 「床暖房完備です。エアコンもあります。三食昼寝つきですよー!」 「くっ…騙されるな俺!」 「あ、ちなみに新婚旅行その1は温泉で、その次は南の海で、その次は高原のお宿です!」 「お、温泉…!」 「楽しみにしてて下さいねー!あ、引越しのしたくは朝ごはん食べてからにしましょう。来月までにココを出ればいいし、今日中にうちの犬たちと引っ越し済ませときますねー!」 「え?え?え!?」 ***** 「イルカ無事か…!」 「無事って言うか…うん」 「お前いきなり2週間も休むから、これはきっと恐ろしいコトになってるんだと…!」 「新婚旅行行ってたんだ」 「へ?」 「…なんかこう、人生っていろいろあるよなぁ…何が起こるかわからないもんだ」 「シミジミと悟られてもなぁ…?ま、まあいいや!お幸せに!出来れば俺は係わり合いになりたくない!」 「まぁでも…幸せだからいいのかなー?」 ********************************************************************************* 巻き込まれ型恋愛をまた増やしてみる。 らぶらぶ…のような? …ではではー!ご意見ご感想など、お気軽にどうぞー! |