春(あくまで子イルカ…)

「春だよなぁ…。」
「そうだな。」
「お前がうちの子になってから結構経ったんだなぁ!」
「確かにお前と暮らし始めて結構経つけど…うちの子ってのはなんだうちの子ってのは!?いい加減俺を飼い犬扱いするの止めろ!!!」
「…なんていうかさ、幸せだよ俺。」
「どうした急に?」
「だってさ、家に帰ったらちゃんと誰かがいてくれて、そんで一緒に飯食ってくれてさ…」
「…そう、だな。俺も…」
「しかも!頭モサモサできたり、その母ちゃんぶりとか演技力を堪能できたり、犬まみれになれたりするんだぜ!!!」
「…お前は…!!!…ああ…どうして全然俺の教育の成果が出ないんだ…!!!」
「肉も安定して確保できるようになったし…!!!後は毛だな!!!」
「いらん!だからソコから離れろ!…やっぱり期間の延長…」
「どうしたカカシ?急に難しそうな顔して?腹減ったのか?」
「なんでもない…。」
「暗い顔するなって!もしかしてアスマ兄ちゃん切れか…?吊るさないとやっぱり…!?」
「アホか!!!あ、でもクマは?どうしたのよ?最近見ないけど。」
「あ、なんか最近忙しいんだって!まあ…寂しいんだけどしょうがないかなって。」
「そうか…!お前も任務のことちょっとは分かるようになったんだな…!」
「だって冬眠から覚めたばっかりだとお腹減るっていうし、獲物獲らないといけないもんな!!!沢山!!!」
「冬の間もちゃんとお前に肉持ってきてただろうが!!!…まあ、その可能性が捨てきれないクマさではあるけど…。」
「という訳で!今日はすき焼きだぜ!!!」
「どこをどうとってすき焼きになるんだ!?」
「え?だって肉に釣られて帰って来るかもだろ?」
「アイツは多分人間だ!ちょっと…いやかなりクマだけど…そのはずだ!」
「そうかなぁ…。」
「なんで悲しそうな顔するんだ!むしろクマの方が泣きたいだろうに…!!!」
「ま、いいや!すき焼き食おうぜ!」
「はぁ…。」
*****
「美味い!」
「そうだな…。むぐ!?」
「まだまだ先は長いけどさ!締めはうどんがいい?それともおもち?」
「もう食えない…!何でこんなに大量にあるんだ!?」
「冬眠明けのアスマ兄ちゃんをおびき寄せるにはやっぱり肉の匂いが一番だからな!!!」
「そんなコトで帰ってくるわけな…」
「おーい!イルカー!邪魔するぞ!」
「あ!ク…アスマ兄ちゃんだ!」
「やっぱり!?いやまさか…!でも…!?」
「何だよおめぇは?その顔何だ?」
「…クマ…。今度いいメス熊がいたら紹介してやるからな…?」
「だから何の話なんだよ!?」
「丁度良かったぜ!アスマ兄ちゃん!ちゃんと食って冬眠疲れ直してってね!!!」
「…いったい何なんだよ!?」
「…クマ、幸せになれよ…?」
「生ぬるい笑顔向けるんじゃねぇ!…何でお前らは…!」
「やっぱりうどんにしようっと!」
「…どうしてコイツの周りには教育に良くないモノばっかり…!この上クマまで…!」
「…駄目か…。」


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春なので、クマがお腹をすかせていたら可哀相だと思った子イルカのいらん努力。
冬の間もきっちりおもちゃにされていたのに、さらにどうあっても弄られるアスマ兄ちゃん。
そしてどこまでも更生に向かって壁にぶつかりまくるカカシ。
…季節が巡っても、変わらないモノだってあるさ!という話?
アホ話。

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